Cobweb of にーしか

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ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN(2)

クリアしました。う~ん、評価は難しい。イメージビデオのような、ムービーを使った演出面は非常に(悪い意味で)気になりますね。1、2回なら、このスタイルも悪くないと思います。しかし、全編これで通すとなると適さない場面もあるわけで……

まず、言葉がね、文語なんですよね。目で読むのに適した言い回し。モノローグだと違和感が少し。そしてスノッブが所々入っていて、例えて言うとトミノ調みたいな文体。シャアのセリフとかね、ああいう感じならいいんですわ、短いから。だから印象に残る。ところが、モノローグ全てにおいて、あの調子でしょ? 特にスクラップクイーン。喋りすぎですわ。

モノローグが主か、画が主か。後半、墜落した王女の辺りから、ダークブルーを見上げる王女。喋り過ぎちゃいかん。画と供に詩的な印象を与えなくてはいけないのに。語りすぎ。

そして、無人機の量産工場にて。アクションを語りで見せる演出!? 失笑なくては見られない。画に仕事をさせて黙ってましょうよ、ね? さらにゲーム本編の無線での実況放送には笑いましたわ。王女のハァハァにも。

「ジョシュアは頑張ったよ。あれで子供を救ったってね」

なんやこれ? アホか。無線でニコ生か。

また、ミッション13で思ったんですが……

「後ろに敵機だ!」――おまえがケツを守るんだろうが! おまえが撃ち落とすんだよ! 

お喋りするだけの僚機って何のために居るのですか? カウントの存在意義って何? 仕事しない僚機が他人事のように無線で喋る。これだけで現実味が欠けているし、著しく雰囲気を損ないませんかね? この演出がクライマックスでは壊滅的に馬鹿馬鹿しくて、まるでぶち壊しでした。

無線の向こうの世界と、プレイヤーのこっちの世界が乖離しているようにしか思えなくて。

ところで、フライトシューティングとしての出来。確かに難度が高い。最後の、狭い空間で垂直上昇がなかなか出来なくて、ストールで墜落しまくりました。坂道発車みたいなもんですかね。

わざとテクニックを問う局面をキーに置いてて、リトライ尽くし。面クリだから、当たり前なんだけど。ゲームデザインとしては古臭いね。成功するまでやらせるのはもう古いわけで。今は、「失敗したままだと、その先でどうなる?」的なところが欲しいわけですよ。メタ的には、シナリオ分岐とか並行宇宙的な展開とか、さ。

デトロイト:ビカム・ヒューマンで、視点の違う3者だか4者だかをプレイヤーが演じて、キャラクターAの行為の結果が、キャラクターBの過程にそのまま影響として現れるってのが面白いな、って感じましたよ。Aが逆のことしていれば、Bはラクだったのに、とかね。

スクラップクイーンの視点、王女の視点、技術者の視点、伝説のパイロットの視点、とこれだけ材料があるんだから。そういう最先端な試みを使えば、キャンペーンのミッションルートも面白くできそうだったのですが、まぁそういうのはありませんでした。作る側にそういうアタマが無いんだよね。つくづくゲームはアイデアのひねりで面白くなるもんなのに、って思いました。

従来の遊ばせ方という観点でも。サービスが足りてないですね。プレイヤーが「もっとプラットフォーム壊したい」って思ったら、それが出来るようでないと。仕組みの制約が欲望にブレーキかけてしまうようなデザインは失敗でしょう。せっかくの潜在的な愉しみがそこにあるのに、実現できていないんだから。補給ラインも意味が分からない。補給に戻っても、時間的にかなり難しいように見えます。

「クードス」システムが過ぎましたね。得点上のボーナスが明示されていないのもゲームとしてマズイ。条件を達成して出てきたネームド機体を落とす、なんて初心者には分かりません。いろんな得点の仕方があるっってことをもっとゲーム的に積極的に開示すればいいのにね! 

逆に、作品世界に根付いた演出(無線のように)を大事にしたいとするならば、お喋りな僚機はフレーバー以上の役割を実際のゲーム上で担うべきでした。ピエロとしか活用されていないのはウンコ。

とはいえ、ガチとしてみれば有りなのかも。一旦クリアさえすれば、「よし、これから高難度ミッションに再挑戦します」ってのもそれはそれで面白い……かもしれない。つべの配信ネタにはなるでしょうね。その代わり、ゲームとしての遊びの幅は狭くなっていて、広く浅くは楽しめない。量がそもそも絶対的に少ない。

VRモードは体験しました。確かに面白かったし、ワクワクしました。送電線がまるで見えなかったけれど。こちとら、ジャッカルアサルトVRやX-ウイングVRミッションを既に体験済みなので、あれと同等です。

現用航空機で、視野外に消えていくボギーを首を向けて見送ることができる!――この点が凄かったですね。3番目のミッションでミッソー警報だらけで落ちまくって疲れて(少し酔いそうになって)リタイアしました。

だんだん回転椅子に乗ってるだけの気分になってきて、VRらしい良さというのは徐々に薄れてしまいました。酔いそうなのに加速感が無いので、マッハの出る乗物にあるはずの臨場感は失われていきます。撃墜するという行為のゲーム性も少し不自由で、伝説のメビウス1とはいえ(いや、だからこそ、かな)寄って集って狙われる機体はそんなに楽しくないですね。これこそ、(ジャッカルアサルトVRのように)得点形式の方が向いていたかも。
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[ 2019/01/21 20:07 ] シミュレータ | TB(-) | CM(0)
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