アドベンチャーゲームに付きもののパズルと物語性をどう捉えるか? 難しいところだ。
せっかくのコズミックホラーが、くだらないパズルで時間稼ぎのプレイを余儀なくされては台無しである。
多重人格的な視点――それも狂気によるものとして――を多用したおかげで、物語の展開の一部はかなり突っ込んでいた。神話的なエピソードが色を添え、主人公の体験が常軌を逸しているらしいことはある程度表現できていた。もっとも、アーカム・アサイラム的なノリを色濃く残してはいたが。
反して、遊ばせ方の工夫がなっていなかった。陳腐で安っぽいアドベンチャーゲームの一パズルに成り下がっていて、探索者が担うであろう活動には程遠い。
精神分析スキルとインベントリーの物的証拠があるのだから、もっと積極的にプレイヤーに
推理を行わせてもよかったのではないか。曲がりなりにも主人公は私立探偵を名乗っているのだから。
―ダガーのどれかが正しい
―金庫の組み合わせ錠
―Riverside Instituteでのパズル2つ
ボイラーと実験室の電力を過負荷にさせる
エルダーサインとランタンの灯りで道を切り開く
これらは全くストーリーにマッチせず、ただただイライラさせられるだけだった。第2章の地下(36番倉庫)への侵入が一番まともでアドベンチャーゲームらしかったと言える。
ステルスアクションが、簡単とはいえ、前面に出てきてしまうのはいかがなものか。ステルスアクションがしたくてこのゲームを買ったわけではないはずだ。
例えば、
Arx Fatalisはアドベンチャーゲームとして捉えるとよくできている。とくに「プレイヤーに参加を促して解決策を考えさせる」という仕掛けが。
―大扉を振り子の要領で壊す
どこかで見たことのある光景のオンパレード。クトゥルフならではだろうか? どうでもいい仕掛けをプレイしなければならず、クソ面白くもない。
ゲームとしての出来は悪い代わりに、シノプシスはそこそこ楽しめた。俺はこういう評価に落ち着きそうだ。
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