だんだん飽きてきたこともあり、粗が目立ってきました。開発陣の姿勢も透けて見えます。それは野心的といったものではないようですね。ゲームシステムにおける改善点は、過去の遺産と比べて、ごくわずかです。
ポーズ戦闘について ターンベースのように、ポーズを併用してストラテジー戦闘を行うことも可能なシステムです。しかし、「行動の予約」が現ラウンド分しかできず、想像以上に使いづらいものでした。
呪文詠唱が終わる度にポーズさせても、ログには「誰の呪文詠唱が終了したから停止」なのかが明示されません。他の情報と同列に載るため、目で追って確認する必要があります。
「インプットを促している状態」も不親切で、プレイヤーが任意のキャラクターをいちいち選択する手間が生じています。
つまり、ターンベース制なら当然カバーされるはずの効率化がみられないのです。「毎ラウンド終了でポーズ」では、ただただ面倒くさくなるだけ。
AIが自律した最適な行動を選択するがまま(つまりデフォルト)の方向で機能強化すべきでしょう。行動の目的を、プレイヤーが指定したある分野に限定して行わせたりすれば、使い勝手が増すはずです。ペン&ペーパーでは、行動遅延や待機アクションという連係プレーがありますから、AIにも賢い戦術を求めたくなります。
現状ではBGとまったく同一なポーズシステムで、進歩がみられませんでした。
スキルチェックについて スキルの使用に関しては進歩がみられます。プレイヤーがスキルを能動的に選択する必要が無くなりました。BGだと、罠を発見したら、罠解除スキルを選択した上で改めて罠をクリックする必要がありましたよね。Kingmakerでは、罠を発見した上で罠をクリックすれば(そのキャラクターがTrickeryを有していれば)、罠解除チェックが自動的に行われます。
男爵領内イベントの不透明性について 男爵領内イベントの期日制限が疎ましく感じます。「○月1日までに着手するべし」というイベントが横並びに7つも8つも出てきます。担当できるアドバイザーは(ジャンルにより)2人もしくは3人。おまけに拘束期間が1~2週間。長いものではもっと。手が足りず対応できないイベントがどうしても生まれてしまいます。そして、結果は乱数生成。
ペン&ペーパーでセッションを行っていたとき、DMがAdventure Pathに忠実に領地運営の判断を尋ねてくるに当たって、プレイヤーたる私なども含め「これはコンピュータ相手にやるべき処理だよね」などと言っていたものです。ロールプレイがなくて、結果がどっちに転んでも、「だから、どうした?」と思うばかり。プレイヤーと領地の関係が結びついて見えませんでした。割り振るのは、数値を高くするか低くするかだけでしたから。
CPRG版ではイベントと具体的なプロジェクトに限っては、見通しがつくようになっています。しかし、イベントの成否が乱数生成であって、DCチェックのひとつに過ぎず、「そんな雑な処理で大きな変化が起きてしまうのか」と考えると、おぞましいものが…… 場合によっては、王国壊滅に繋がるのですから。
未着手となったイベントでの「失敗」が、これからどう響くのかを注視してみることにしましょう。
不具合っぽい挙動について バグなのか判断がつきませんが、遭遇したおかしなところを挙げておきます。以下は、Hotfix1.0.4でみられたもの。(Hotfixは10月5日の1.0.5で一旦終了し、22日以降のBig patchで様々な改善がなされる予定) 追記:この方針は後に撤回され、1.0.5以降も致命的なバグを修正するHotfixが出続けることになりました。
LINZIのInspire Courageの演出がでなくなりました。使用回数も明示されず。一旦、クイック・スロットからアビリティを除去して、再度セットしなおすと機能するようになりました。
Cureスペルを(ポートレイトを使って)味方を目標にして実行させると、なぜかAIが敵を治癒してしまいます。通せんぼされているためでしょうか? 通常、目標にタッチできる距離まで近づいてから実行されるものですが、混戦中だと、味方に近づく手前の敵で実行してしまいます。占有空間としては余裕があるにもかかわらず、敵を迂回できないようです。
エリアRill and Spillに入れません。ローカルマップの入口でうろうろして土地へ進入できず。立木がちょうど進入口を塞いでいるのかもしれません。(誰もテストしてないんだろうな、と言えちゃうバグです)
難易度について レベル6でトロール・フォートレスを襲撃していますが、([Weak]なので)サクサク進みます。思うに、開発陣はファンからの「簡単過ぎる」という声を警戒して、あらかじめチャレンジングになるように、ノーマルモードをタフに調整したのだろうと想像します。
そういう難しさは低レベルで顕著になりますので、序盤で随分苦労させられてしまったようです。ノーマルモードのままだと、4レベルでのトロールはかなりの脅威でした。ある場所でトロールの小集団ばかりに遭遇すると、もうRestナシでは先へ進めません。
追記:
Weak Difficultyでも、ボス級の敵だけはやたら強い印象です。トロールの総大将、ToEEでオーガに初遭遇した時を思い出しますねぇ。Cartoonなら床にめり込むほど、棍棒でブッ叩かれます。
折しも、
More information on the custom settings and the upcoming changes が布告されました。
敵のstatと特殊能力(regeneration, damage reduction)とを分離して管理できるようにするそうです(以前から指摘されていたので)。それでも、Enemy difficultyの目盛りが、their Attack Bonus and AC will be increased by 2.というように、大雑把なんですよね。2も違うとかなり違うと思います。2HD(2レベル分)違うようなものだからねぇ。ここは1ずつ調整できる方がいいんじゃないかなー。
Core Rulesという括りは相変わらず設けないみたいなので、そういう信条か裏事情があるのかもしれませんね。CRPGで開発陣がこだわる“ノーマルモード”は、ペン&ペーパーのCore Rulesの尺度と違って当然だ! とかさ。
ベータ版にはあったそうですが、クローズドに参加した人のカキコに「彼らが難易度の名称を変えたのも頷けるわ」とあったので、単にノーマルモードを指し示す呼称が変わっただけ、かもしれません。実質は同じなんでしょう。今後予定されている改善も、彼らの基準が微動だにしないことを示しているので。
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