blenderを用いた『東北ずん子で覚える! アニメキャラクターモデリング』を購入しました。目的は:
1.平行投影ではない下絵の配置方法
2.セルルックでの、描画したい線と描画したくない線を分けるための色分けとノード設定
この本のモデリング教習に関しては疑問符が付きます。著書の榊さんはZBrushで検索するとよくヒットする榊さんと同姓ですが
別人。
ZBrushの榊馨さんはそれはそれはいろんなもの作ってますし、腕も達者。この本の榊正宗さんは東北ずん子のプロジェクトに関連していることがうかがえますが、3Dの腕前は(本を見る限り)「う~む」という感じ。
画を描けないタイプの人が3DCG製作をやっていることがままありますが、榊正宗さんはこのタイプじゃないかと思います。
実際に作例をダウンロードしてみると、ぜんぜん上手くない! レンダリング結果が東北ずん子然として見られるものになっていることに、むしろ驚愕。表紙詐欺のお手本みたい。
カスタムメイド3D2のプリティフェイスが可愛くてよくできたアニメ顔のお手本だとすると、作例のずん子モデルの顔はかなり異様に写ります。
とくに鼻のでっぱり具合。トゥーンレンダで誤魔化されることが前提の作りになっていて、キャラへの入魂といった造形美を感じ取ることは難しいです。
形に愛が見えません。なお、Amazon.co.jpで扱われている本書は
二刷でした。誤記が全部直っています。
実は、
作例(無料)をダウンロードしたら、上述の目的は全部達せられることに、後で気が付きました。
ノード設定はblendファイルを開いて参照できますし、下絵はカメラのレンズシフト機能を使っているだけでした。
とりわけノード設定は、本書の画像では小さすぎて判別できないため、記述を頼りにしなくてはなりません。本にわざわざ画像が掲載されている意義がほとんどありませんでした。blendファイルを開いて見た方が断然分かりやすいのです。
平行投影では無い下絵を置くということは、下絵に倣った造形ができる、ということになるはずなのですが、本書では立方体からワラ人形じみた人型を作って、早い段階で細分割局面を設定しています。下絵に倣って輪郭から作るような方法論でもないし、blenderの頂点押し出しを活かしたものでもありません。アプローチが旧く、読者が絵心のある人だとするならば、向かない手法だと感じました。
キャラクターモデリング本としては買わない方がいいと思います。
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