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ウエストワールド 2ndシーズン第5話感想

ますます目が離せなくなってきているウエストワールド! 今回は待望の我らがヒロユキ・サナダが登場します。

※以下ネタバレ

アメリカ人のための将軍ワールドなのだから、我々の見慣れた時代劇とは大いに隔たりがあって然るべきなのでしょう。HBOだから、考証があるかな、とわずかな期待を寄せていましたが、大いに裏切られました(笑)

ムサシ(真田広之)「アカネ、将軍の下を去った今の俺が、他にどこで楽しめるというのだ?」(原文ママ)

茜役はアカデミー女優の(正確には助演女優賞にノミネートされた)菊地凛子さんです。顔面を白粉で真っ白にしてのゲイシャ役で、このワールドでのメイヴに相当する娼館のマダム。

この前後で日本らしい大道具や家屋が出てきます。

――いやはや、これは酷い。道端で修行?している坊さんや、軒先に積まれた酒樽。ちらりと見える虚無僧。総じて失笑モノ。ウエストワールドも実はけっこうインチキ丸出しなのかもしれないですね。

メイヴ「ケェスマスを、ハナシマしょうか?」(日本語喋ってます)

――英語字幕がテロップで下に出るのですが、それによると日本語訳として喋っているセリフの表現が不自然ですね。たしかこれ、フェリックスかリーを前にした時に、優位の覚醒メイヴが発した決めゼリフですよね。だからなのか、直訳の嫌いがあります。

妥当に意訳するなら「これからのことを話しましょう」かな?

発音がガフのシティスピークなみにヘンでしたが、努力は買います。なお、後になればなるほど、彼女の日本語は上達してました!

ただし、笑いをこらえるのがタイヘン。これは大爆笑エピソード間違いなし! 天下のHBOがやらかしてくれるとは、凄まじいプレゼントやないか! もう腹痛い! やめといて!!

権力者といえば、誰あろう将軍サマですよ! ひでーな、コレも。

――途中から“上様”って言ってくれただけで、安心しましたよ。中国系ではなくて、生粋の日本人俳優を使ってくれていることにも感謝。

リー・サイズモア「ユキのイズミ、ね? サクラ!」(日本語ママです)

Snow Lake=雪の泉? う~ん??

NINJAは外せませんね! 日本に来るガイジンはニンジャ大好きなんだから。

――オリエント、東洋といえば神秘ですよ! スピリチュアリズムですよ。だから、メイヴだって死の際に瀕して覚醒しちゃいますわよ! 目でコマンドできちゃうんです! 目は口ほどにものを言う、これですよ、ニホン人は!

Ninja「陰陽師!(Witch)」

――いやあ、すげェ。鎧武者が行軍しながらエイヤ・トー!

ムサシ「沙汰を下すだと? タナカ」

将軍サマは本名タナカっていうらしいよ。へぇ~。

英語だと“正義を通す”みたいな言い回しがよく出てきますよね。なるほど、沙汰を下すって訳せばいいんだなぁ。

ムサシ「かつての儂の部下がそのような考えを持っておるとは」

――タナカさん、将軍所に詰めてたキャプテンの部下だったんだ? って、なんだ将軍サマじゃないよ。「将軍が来るなんて」っていうから本人が来たのかと思っちゃった。

驚喜の土地“将軍ワールド”をメイヴが堪能している間にも、ウエストワールドではドロレスとテディの恋仲が進んでいます。しかも破局として。

俺たちはもう自由なんだから、今度こそ本当にかけおちして一緒になろうというテディ。

それに対して、(いかにもスクリプトにありそうな)青舌病の広まる牧場で、病んだ牛への対応を尋ねるドロレス。媒介は蝿で、彼女の父親は駆除に相当悩んだ、と。

この引っかけ質問に、甘ちゃんのテディは、牛を群れから離して小屋に隔離すると回答します。(そこは、病気の牛を全部焼く! でしょ!)

ハイ、案の定、この人は私には向かない、とドロレスの決意は固まってしまうのでした。しかし、後の場面で二人の愛の営みは“ある”のでした。ロマンスですよ、ロマンス!

場面が戻ってメイヴ。コードが運命なら、それを私は翻す! とばかりに、茜の養女さくらを掠おうとする将軍サマへ歯向かいます。

――さぁ、やって参りました! 最大の見せ場。キル・ショウグン!! キル・ビルですよ。

日本語の長ゼリフよく覚えてるなぁ、メイヴ役のThandie Newtonさん。

皮質液と呼ばれる、エイリアンのアッシュみたいな乳白色の髄液が耳穴から抜けてしまうのが、ホスト達の欠陥みたいですね。体液は人間と同じ赤色なんですが、分かりやすい特徴として2ndシーズンから採用されているようです。

アカネ「この世界では、おまえは何にでも成れる

情操教育の一環として、向こうではそんな風に子供に言ったりするのかもしれませんね。(過去に映画でそういうの観たな)

メイヴと同一なスクリプトとしての演出ではありますが、あながち親が言うセリフとしても間違っていないでしょう。日本人はもっと冷めた(諦めた?)ところがあるから、そういう言われ方は聞かないですよね。

茜はメイヴの覚醒コマンドワードを、やめて!と遮ってしまいます。奥ゆかしいというか、新世界のことを知ってはいても畏れを感じてしまうゆえなのか。精神性としてはなかなか日本人っぽい反応である気がします。

劇中では、それは手放せないもの(娘への愛、実際には娘への執着という人工の関連性)との引き替えだから断ったのだ、と結論づけているようですが。メイヴ本人は覚醒した上で娘への愛が人為を勝っていることから、愛は偽りでは無いと信じているわけですね。この辺のドラマが巧いこと。

所変わってウエストワールド。ロマンスの後に、テディへの愛が偽りかどうかを熟考したというドロレスは、なんと、それは本物だと言い放ちました! 

――いやいやいや、これはこれは。ドロレスは愛はウソだったって言うと思いましたね、俺は。ドロレスはかように純心な個体なんでしょうね。アーノルドが入れ込んでいたくらいだから。

しかし! やっぱり、ドロレスはテディは無理だと言う結論なのでした。そうだよね。この展開も巧い! 非情なドロレス、甘ちゃんな思想が群れに及ぶのを食い止めるため、焼きます! 恋人を。

さて、マジもんのサスペンスが展開していく、妙ちきりんなサムライワールドでは。アカネとサクラ、親子揃っての舞が将軍サマの御前で献上されようとしています。

うわ、なんだこれ! 残酷なシェイクスピアか。おまえのものになるが、血を一滴も流してはアカンよねぇ。

将軍サマ非道! 鬼畜!!

ところで、でっかい簪ですね! ねぇ? 花魁みたいですよ?

うん、これは予測できたね。お見事! あとの展開はマトリックスかクイザッツ・ハデラック(映画の方ね)か。アメリカ人がネタとする東洋のワザの概念が語られた気がしましたね。スターウォーズのフォースも全く同じですよ。

前述で“目で”と書きましたが、違いました。メイヴが念じると、それが心の声になって伝わり、ホストたちの精神を支配するのですね。

リーの説明にBloodなんたらというシナリオだとありましたが、その通りの展開になりました。でも、ここまでで、予告にあったキル・ビル風ポン刀構えたメイヴが出てきてません。いつ出てくるのサ?

キタコレ! 歓喜

“I told you, I found NEW voice. Now I use it.”

――をい! そこで終わるなよぉ~~~~

〔エンドロール〕

将軍サマは篠塚 勝さんでした。トレードマークWBのキャッチBGMは三味線でした、チャンチャン。お後がよろしいようで。

『ゆりかご』が今度のキーワードですね! Cradleとは何のメタファーでしょうか? 心理学用語かな? 文明のゆりかご?
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[ 2018/06/25 11:12 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)
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