Cobweb of にーしか

雪ちゃんは、いいとこのお嬢さんだけれども、正体は“ぼっち”。高嶺愛花のポジションに少し似ている。アイマスの如月千早みたいな生真面目さがあって、殻を破れないでいる様子。なお、このギャルゲーでは周囲のキャラクターはボイスこそあるが立ち絵がまるでありません（ラブプラスと同じだね）。

雪ちゃんには友達がいなくて、同好会にも部員が居ない。一方の愛花はテニス部所属で部員からいろんな意味で一目置かれていた。愛花に課されていた状況も大概だが、雪ちゃんはもっと分が悪い。

要するに主人公が白馬の騎士なんである。主人公を取り巻く生活風景は実にリア充ａｎｄ本人も生活力のある勤め人。にもかかわらず。こと嫁候補に至っては、しごく現実味の淡い、夢のような設定なんである。

理性的な主人公は雪ちゃんを夕食に誘うことすら自ら却下してしまう。お嬢様が母親に、男性で年上の友達ができた、なんて紹介させるわけにはいかないし、門限を破らせるわけにもいかないからだ。なんてピュア紳士なんだろうか。これ、ほんとにギャルゲーなの？　オレ、何か違うものを遊んでいるの？？

周囲と馴染めない社会性の薄い美少女と、文具の卸屋社員としてコンタクトを重ねていく社交性の高い（リア充な）主人公。この状況に陥ってからは予定調和一直線。美少女は「いつか好きな男子が出来た時の為」と称して主人公を相手にデートの予行演習を持ちかけてくる。

主人公は歳の差から援交と誤解されないか、なんてことまで気を揉む。妙なところで、このシナリオライターはリアルを引っ張ってくる。ともかく、世間知らずの美少女から信用されるシチュエーションは背徳的！　主人公がどこまで一線を固持できるかわからないしね！

　　　　　　　　　　　　　　　　◆

巨乳保母 栗原愛子 編。

主人公の親戚（男性）がマンションの隣部屋に住んでいて、その女児（従姪？）を保育園まで送ることが主人公の役目。親戚の奥さんは海外へ単身赴任しているので女っ気はない。保育園での女児の担当がこの愛子さん。

優しくて、よく気のつく、理想のヨメ候補。場の雰囲気で主人公を意識しては、はにかむ様がとても愛くるしい。ところで、愛子さん編のみ収録されている新婚パートにはとてもツボった。「家で過ごす」を選んだ時の新妻らしい短いシチュエーションが萌える。これぞ、二次嫁と暮らしたいと思う瞬間だよね！　ま、リアルだとなー、徐々に釣った魚に餌は……になっていくに違いないし、相手の知りたくなかった部分も見えてきちゃうからね。二次嫁はそんなこと絶対に無いんだよ！

話を戻して、アドベンチャーパートでは子供を出汁にした流れが延々続く。オレもリアルで姪と遊んだことがある。その体験からすると、このシナリオみたいに出来たガキはそうそういない（それを言っちゃおしまいよ）。子供なんてのはワガママで全体のことは見えていないし、その主義主張も日和見でコロッと変わるものだ。

子供を絡めた割りに意外性もなく、都合良いイベント発生に終始しているので、もう少しなんとかして頂きたかった。親戚＋女児＋愛子さん＋主人公の４人でピクニックのシチュエーションはまるでヤマがなく退屈で、正直これはどうなのと思った。

しかし、この後の展開は利いている。脈があると踏んだ主人公は、意を決して愛子さんに交際を申し込むのだが、なんとも理不尽に断られてしまう。その理由や如何に？　製品版へつづく。

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喫茶店のウェートレス。ぐいぐい来るポニテ、成瀬乃々（なるせ・のの）。

リアルなら、こんな感じに迫ってくれるコはとても楽だ。ただ、もし関係が確定した場合には（馴れとは皮肉なもので）今度はウザいと感じるかもしれない。もっとも、「関係が確定」なんてことはまず無いんだけど。なぜなら、こういう親しみやすい子は誰にでも分け隔て無くグイグイ来てくれちゃうはずなので。そんなライバルが多い中で関係を確定できる男性は、とにもかくにも好男子度数が高いはず（イケメンという事よりも、包容力の高さやノリの良さこそ、彼女が求めるものだろう。お笑い芸人のようなタイプはきっとウケるに違いない）。ゆえに世間にいい子は売れ残っていないのだ。

シナリオは３人の中で一番通俗的。ヲタク的に表現すれば、アニメっぽい。展開も安心のベタだ。プレイヤーとしては喫茶店のマスターの立ち絵が見たいし、うっかりイケナイ関係になってしまいたい。しかし、劇中の主人公は美人で胸もあるというマスターを「何かときめかない」のだと歯牙にも掛けない。（なお、その理由は後に明らかになります）ええっ？！

乃々ちゃんはケーキのお店を持つことが夢で、マスターからとある試験を提案される。それにパスすれば喫茶店でケーキづくりを任せて貰えるのだ。主人公は悩む乃々ちゃんの味見役を買って出る。なぜ、乃々ちゃんの作るケーキはマスターに「素人の仕事」と言われてしまったのか。それは……　ベタやん。もう王道のベタやん。先が読めまくったわ！（藁

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