アイディアファクトリーのPS Vita用ゲームがPCに移植されてsteamでも提供されています。しかし、国内仕様でない為か、清々しいほど“
おま国 ”です。
私はネプテューヌシリーズを一切遊んだことがないので、一度プレイしてみたいと思っていました。プロダクトコードのみを専売にしている鍵屋には、買い手のIPによる地域販売制限を課さないところが多く、ネプテューヌシリーズもよく割引販売されるとのこと。そうしたタイミングを利用して今回大人買いしました。
HyperDimension Neptunia Combo Pack(Re;Birth1~3のセット) $23.99
Hyperdimension Neptunia Re;Birth1 Additional Content1 DLC $0.99(以下同)
Hyperdimension Neptunia Re;Birth1 Additional Content2 DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth1 Additional Content3 DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth1 Histoire Battle Entry DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth1 Peashy Battle Entry DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth1 Plutia Battle Entry DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth2 Additional Content Pack 1 DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth2 Additional Content Pack 2 DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth2 Additional Content Pack 3 DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth2 Histy's Rescue Plans DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth2 Nepgear's Beam Zapper ZERO DLC
Hyperdimension Neptunia Re;Birth3 Histy's Emergency Aid Plan Pack DLC
Hyperdimension Neptunia U: Action Unleashed $17.99
Hyperdimension Neptunia U Bonus Quest DLC $0.99
Hyperdimension Neptunia U Difficult Quest DLC $0.99
しめて日本円にして6,500円くらいですね。
で、ここ二週間くらいネプシリーズを遊んでみた感想(Re;Birth1はクリアしました。それ以外は第2章~3章の辺りです)がコレ↓です。
……眠くなりました。 和ゲーといえば、紙芝居。背景画に発言者である美少女アクターを2,3人並べて、口パクすらさせずに、テキスト窓に文字会話を垂れ流すお決まりの手法です。昔のPC-9801用美少女ゲーといえば、このタイプばかりでした。……時代は移り変わっても和ゲーは変わらず。
現在の美少女アクターは、
Live2D を利用した贅沢なシロモノに変わり、口パクと喜怒哀楽はもちろんのこと、アイドルモーション(※)までも備わりました。声優さんがキャラクター毎につき、ほぼフルボイスで喋り、見る者を癒やしてくれます。
※静止状態を保とうとするリアル人間と同じように、立ったまんまでもゆらゆら微妙に揺れ動く、アイドル状態(何もしない時)のモーションのこと。呼吸しているかのように胸までも上下します。3Dポリゴンキャラクターの時代には標準仕様となりました。 ところが、私はこの紙芝居演出が苦手。理由は簡単、
恐ろしく冗長な上、平気で10分以上も見せつけられる からです。
5分のアニメ番組や8頁の4コマ漫画でお目にかかる端的で秀逸な演出には、遠く及ばない場合がほとんどです。時間をかけて会話で説明しても許される風潮の作りになっているからなのでしょう。とにかく説明的すぎます。
緩急はありませんし、わかりきった演出がぐずぐず繰り返されます。紙芝居の時間が長いほどプレイ時間そのものが伸びて、いかにも量のある大作を拵えたという幻想が出来上がるからでしょうか。
美少女アクターは、あらかじめ用意された喜怒哀楽パターン以外の動きは全くしないということも、和ゲーならではの特徴と言えるでしょう。例えば台本のなかに、アクター同士で肩を組むといった相互影響しあう芝居があっても、画面では実現されません。いつもの立ち絵を使い、二者の距離が近づいた程度のまま、あくまで会話の中で表現という扱いになってしまうのです。
恐ろしいですねぇ。和ゲーの手抜き仕様というのは。小芝居自体には、クスっとくるような面白いものがあったとしても、4コマ漫画にあるようなメリハリすら、画面では実現できないのです。くだんのメリハリが、パターン内で網羅できる範囲に収まっていない限り。
特注の立ち絵を用意するくらいなら、イラストレーター直筆の一枚絵を増やす、という方針になるようですね。一枚絵が数十枚用意できれば、ギャラリーモードで振り返ることができて、いかにも製作サイドは頑張った(カネを出した)みたいに見えます。
そういうわけで、ネプテューヌシリーズに留まらず、紙芝居演出がベースとなる和ゲーは私に合わないことを再認識しました。念のため貴重な例外(PC版にあらず)を上げておくと、ラブプラス、ドリームクラブ、アイドルマスター ワンフォーオール、は存分に楽しむことが出来ました。いずれも会話で働きかけてくる手法が、画面外のプレイヤーに向けてであること、プレイヤーが会話に選択肢で参加すること、が大きな違いだと言えます。和ゲーRPGのような“見ているだけ”の紙芝居シーンでは、私のようなプレイヤーはどうしても手持ち無沙汰でしようがありません。
ネプシリーズRe;Birth1~3で、その他の面も軽く触れておきます。
物語 「コンソール戦争の四女神 VERSUS 宿敵マジェコンヌ」のモチーフが繰り返し描かれていました。Re;Birth1と2はシリアス目なメインストーリーを扱いつつ、パーティの面々はおちゃらけアリで楽しい雰囲気を醸し出す……と意図はよく伝わってきます。
マジコンの社会問題がとうに旬を過ぎた話題(※)ということもあって、今更感が強く、風化しない物語性というわけでもないため、単なる「王道路線を意識した古臭さ」を、萌えとネタ満載のキャラ性でなんとかしようとしている感じでした。
プレイ途中のRe;Birth2は鬱エンドらしいですが、Re;Birth3は終始ユルい感じで、この先どうなるのか楽しみではあります。
※2009年2月27日にマジコンの輸入販売禁止と在庫廃棄を命じる判決が言い渡されています。とはいえ、「ニンテンドーDS用装置(マジコン)に対する差止等請求訴訟に関する東京地裁判決について」が任天堂から発表されたのが2013年7月9日、最高裁がマジコン販売業者らの上告を棄却したのが2016年1月12日、ということで調べてみれば、決して旧くない(結論が出るのが遅い)ことに改めて驚きました。 Re;Birth2でネプテューヌの妹たちが扱われ、ベールさんだけ妹分が居ない事実に、世はロリ指向だけでしか動かないのか、と(本当はコンソール別携帯型ゲーム機の有無との事ですが、それならXBOX360にもスマホでリモートプレイがあったはず)。BBA好きじゃいけないのでしょうか、腐女子で重度のゲーマー ベールさん、このゲーム中では数少ない癒やしじゃないですか。
RPGとして シンボリック・エンカウンター方式はともかく、RPGにおけるバトルの面白さってなんだろう?と考えさせられます。繰り返しで数をこなさなければならないことから、何か楽しさを感じるべきなのですが、Combo Skill、SP Skill、EXE Driveのいずれも訴求力がなく。コントローラーのLBを押し続けてさっさとバトルを終了させる以外の意味を感じ取れませんでした。
本編のバトルシステムよりも、Re;Birth2以降のミニゲームStella's☆Dungeon(なりゆき☆ダンジョン)の方に感心したくらいです。
ビジュアルにしても、女神化した際の決め技シーンのやっつけ感が半端ないこと…… ド素人がMikuMikuDanceでモーションを付けたのかと思えるような出来(職人さんの手にかかればMikuMikuDanceでも格好良く手付けできるでしょうが)で、さすがVita(もしくはPS3)のゲームだなぁ、と。唯一動きが凝っているな、と私が感じたのは、イストワールのWing~という必殺技です。
Remake Systemは同じダンジョンを二回三回と遊ばせる仕様で手抜きっぽさ満載。肝心のダンジョンもロケーションやら舞台との関連性に疑問が多々。例えば、あるダンジョンがデジタル世界っぽく見える理由に意味付けがされていないと感じました。システム上の体裁だけが“ダンジョン”=箱庭的閉鎖空間(しかも狭い)であって、その個性やらゲーム内での意味に大した重みは無いみたいです。使い回しは言わずもがな。ネタ元から名付けられたダンジョン名にこそ意義がある?
Planは素材集めの錬金術に相当するも、Re;Birth3で逆引きLinkが新設されるまで面倒くさいことこの上なし。アーマーやら武器がろくに作れず、どれが足りないかを手間いらずで調べられず、初プレイRe;Birth1では面白み半減でした。
Disc Dev.は、ありがちなサポートオプションながらも、公式ページで紹介されているような「神ゲー認定」や「だめだめゲー認定」を一回たりとも見たことがありませんでした(実利一点張りでやってきた結果)。ゆえに、ブランクディスクにアイデアチップを焼くという直喩の理由に見当が付きませんでした。
さらに、翻訳を考慮すると英語版はハードルが一段高くなっているみたいです。元の毒気のある皮肉めいたニュアンスが少なからず無くなってしまっているようで。「おとなしいが実は最強」のTough-yet-quiet(強固なるも静か)はまだしも――Toughは最強(さいつよ)ではないと思ふ――「とにかく物理で殴れ」がAll Attacks(「全員が攻撃」それとも「攻撃力全て」なのか?)になってしまうのは奇々怪々。日本一ソフトウェアの発売したLast RebellionというPS3ゲームで、レベル成長の挙げ句、攻撃呪文よりも物理攻撃の方がよっぽど秀でていたという実態が皮肉られた一言のはず。なので、Ultimate physical attackとかHit physically, anywayといった表現になりそうなものですが。同じく、「ゆとり仕様」がOpen-endedってのも英語的に間違ってはいないようなものの、非Linearの意味が込められた用語ではないので誤解を与えそうです。for the cram-free、"pressure-free" systemとかsystem educated with latitudeならば、それっぽかったでしょう。
ギルドのクエストは、元来のクエストではなく洋ゲーでいうところのChore、やりこみ用の掲示板クエストに相当します。機械的・反復作業的で小芝居も絡まず、あまり面白い類の作りではありませんでした。
シェアは設定上重要な意味をもつ、この世界における独創的なリソースです。が、あちらを立てればこちらが立たず、のように決められたパイを5ないしは4分割したシーソーゲームである為、シェアの獲得は、このゲームに数ある“面倒くさいもののひとつ”に過ぎませんでした。
キャラ萌え 「キャラゲー」であると本編でも自称されているので、どのキャラが好みなのか、と自問自答しておくのは正しい遊び方だと思います。私は
断然ベールさん 推しですね。ただし、嫁さんにするなら、家事全般をこなせる上にバトルでの救命活動の経験を積んでいて、いつもおいしいご飯を作ってくれそうな
コンパちゃん に限ります。ところで、Re;Birth1で登場したイヴォワール、らんらん、らはどうなったのでしょう(まだプレイ途中ということもあり……)。
ちょっとした難点 Voice音量の大小がばらついています。特にダンジョン内で各キャラが戦闘時に喋るVoice音量は高すぎます。こちらを五月蝿くない程度に下げると、今度は紙芝居シーンでのVoice音量が小さすぎになりました。
Re;Birth2とRe;Birth3は、戦闘シーン明けの紙芝居読み込み時に稀にフリーズします。イベントビューアーによると、The NVIDIA OpenGL driver has encountered an out of memory error. This application might behave inconsistently and fail.となっており、メモリ管理のお行儀が良くないのかもしれません。
追記: 頻繁にクラッシュする為、
Walkthrough Fix for Crashes, Errors and Low FPS Issues にしたがって、実行ファイルにパッチをあて、RAM2GBのキャップを引き上げてみました。今のところ、改善されているように思えます。
英語へのローカライズ 日本語音声で元のニュアンスを聞きつつ、テキストの英語文章を読むと、ずいぶん簡便に翻訳されているところが目に付きます。ニュアンスがまるで採用されずに邦訳されたハリウッド映画の字幕のごとく…… こうした箇所では、日本語音声の内容に比べ、英語字幕の文字量が桁違いに少ないです。また、特にネプテューヌが喋るネタ系の発言は、果たして欧米人に元ネタまで理解させうる形になっているのか、(技巧的に無理で)そうではない部分が大半のように見えます。気が付いた限りでは、ネタとは全く無関係な別のことに言い換えているものがあり、忠実な再現は端から捨てられていました。
言い換えが多く、日本語版と英語版では固有名詞さえ異なるほどで、軽くカオスです。例えば、本名プルルートとネプテューヌが呼ぶ時の愛称「ぷるるん」 → 英語では、本名Plutia(プルーティア)、愛称Plutie(プルーティー)。~ィーは○○ちゃん程度のニュアンスで他キャラにおける愛称の語尾変化と同じで、わざわざtia→tieを狙っていたとしても、ぷるるんの独特さには到底敵わない雰囲気です。
似た例で、コンパはネプテューヌのことを「ねぷねぷ」と呼んでいますが、一方でネプギアのことは「ギアちゃん」と呼べるにもかかわらず、英語版では「ねぷねぷ」と同じ伝が採用されてGe-Geと呼んでおり、こちらはやり過ぎの印象です。
英語版Re;Birth3で、ネプテューヌがネプギアのことをJuniorと呼ぶのもどことなく可笑しいです。おまえの息子なのか、と。ネプテューヌは、出来の良い妹に対して、別段お姉さんぶった態度や呼び方はしていないように思えるのですが…… Junior呼びだとネプテューヌの脳筋ぶりが一回りくらい増してしまいそうです。
ノワールやユニでお馴染み、ツンデレの定型句「なによっ、~~なわけじゃないんだからねっ(汗」も、英語版では定型におさまりきらないのか、その都度表現が異なることに気が付きます。海外のアニオタの皆さんはこうして日本語に習熟せざるを得ない状況に至るわけですね。我々洋ゲーマーが英語を習得していったように。
締め 次作『超女神信仰 ノワール 激神ブラックハート』もsteamでのリリース(もちろんおま国なので、御用達の鍵屋販売)がすぐそこまで迫っているようで、それなりに楽しみです。Re;Birth3までで物足りなく感じたバトルが、今度はシミュレーションになるとのことですから、私にとってはずっと遊び甲斐がありそうな気がします。
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冗長な紙芝居、眠くなりますな。
声優売りなのか、キャラ売りなのかしらんが、
そういうの刺さらないユーザーにあの長時間の楽屋ノリの会話は白けるし苦痛ですね。