実は、\Steam\steamapps\common\Half-Life 2\bin\ に必要なツール類が全て揃っている。カスタムモデルのコンパイルに必要なstudiomdl.exeもここにある。Hammerエディタもここ。私のようなポリゴンモデル職人(?)ならば、HLMV.batを実行すればモデルビューワーが起動する。
従来の\sourcesdk_content から、コンバージョン後のフォルダに対してコンパイルするには、旧来のパス指定(studiomdl.exeのある場所)のみ変更してやればそのまま通る。環境変数を利用している方は、環境変数のパス指定を変えてやるだけで、コンパイル用のバッチが動くはず。
SDKとツール類が分離されたので、Source改変を行わない限りはツールだけで足りる。ただし、ユーザーカスタムフォルダの仕様が変更されている。従来は、例えば\ep2の直下に\modelsや\materialsを置いておくことで、優先して読み込まれていた。現在は\ep2\custom下にMOD毎のディレクトリを作成し、そこに\modelsや\materialsをおくようになっている。
詳しくはgameinfo.txtに述べられている。それによると、ユーザー作成MODはVPKファイルでの公開(つまり、VPKにパックすること)が手っ取り早いそうだ。VPKでファイルアクセスを行う方がOSを介した場合より速度的にも優位だという。そして肝心のパッカーvpk.exeも\bin にあった。
ということで、カスタムモデルの場合には、専用フォルダ(例えば\darkelf)をひとつ作り、そこへ\modelsと\materials以下の階層を再現すればよい。そしてこれを親ディレクトリ(\darkelf)ごと、VPKにパックすればよいわけである。
使い方はコマンドラインで、vpk -? 。vpk.exeにフォルダをドラッグするとその構造を保ったままvpkにパックしてくれる。任意で暗号化も行えるので、無断転用されたくない人はキーファイルを指定してパックできる(このようにした場合、同一のキーファイルを指定しない限りアンパックできない)。
拙作ダークエルフの場合なら、vpk.exeのあるフォルダ(\Steam\steamapps\common\Half-Life 2\bin)に、暫定的に\darkelfフォルダを作り、ダークエルフのファイルを含む\modelsと\materialsを移動してやる。それから、\darkelfフォルダをドラッグしてvpkにドロップしてやれば、カスタムモデル『ダークエルフ』のVPKファイルが出来上がる。このdarkelf.vpkファイルを\ep2\custom内に移動してやれば、HL2 Episode Two起動時に自動的にMODとして認識される。
余談:
E3注目作Titanfallは、なんとValveのSource Engine(
を大幅に強化したもの:4Gamer談)が使われているとのことで、我らがSource Engineちゃんは、まだまだ現役らしい。
少し前なら、セルフシャドウすら搭載されていなかったSource Engineちゃんは、枯れたエンジンとみなされていた。でもTitanfallの開発元Respawnは、PS3でPortal 2を華麗に動かした実績(※)を買って抜擢してくれたようだ。しかし皮肉なことに、その後PS3は対応プラットフォームから外されて、現在ではXbox One(一応Xbox 360も対応する)とPCでのみ、Titanfallは動作することになっている。
※
引用元の文章では、2大コンソールにおける60fpsの要求に応えることができたのがSource Engineだけであったことと、Respawnの開発者達が同エンジンに馴染んでいたことが理由に挙げられている。
いずれにせよ、Source Engine及びSource SDK 2013は幅広くプラットフォームに対応できる。MacとLinuxでも動くというのだからスゴイのだっ!
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