DOA5では、これまで3回に渡ってコスチュームが追加されてきました。10月30日に追加されたものは、(設定年齢はともかく)女子高校生らしい制服と(やや時代錯誤的な)体操服のセットです。Dead or Aliveと言えば、昔からこの手のコスチュームが売りでしたから、ファンは「ようやっとか」という心境のはず。
しかしながら、キャラクターモデルのポリゴンが変更され、
従来のアニメキャラ的な見せ方が難しくなっている ことは確かです。とりわけ、制服や体操服での可愛らしさが
これまでと明らかに違うベクトル になっています。
見た目の最も大きい変更点は、顔の大きさに対する体の比率です。バストショットの印象が大きく異なります。アニメ顔のポリゴンモデルの時は、とにかく
頭部が大きめ でした。それを補うように、ウエストから下の腰部と四肢が長めとなり、全体としてはスーパーモデルのような等身でありながら、バストショットで見ると顔が巨大という、いかにもアニメ的な不思議なプロポーションでした。巨大な顔の恩恵は計り知れず、記号的な萌えには充分応えていたと言えるでしょう。
DOA5のポリゴンモデルは以前ほど極端なプロポーションではないものの、
頭部が小さめ に抑えられていることに気が付きます。白人の頭部・体の比率に近いと言えるでしょう。その一方で、やや大きめの瞳、細い鼻筋、おちょぼ口と、作りは少しもフォトリアルではない机上の顔立ちです。“以前に比べれば”、アニメ風の土壌を必要とせずに、そつない印象で受け取れるようになったわけですね。それでもアニメ的な表現を残したまま活かしている、かすみやあやねの前髪は、ボリュームがウィッグのようで、実のところは不自然です。
頭部が小さいキャラクターに、制服や体操服を着せると、驚くほど似合いません。アジア系の幼い顔立ちと小柄な体格が日本人(ないしはアニヲタ)の脳裏には本能的にインプットされています。DOA5の体操服を着た女性達は、ワールドカップバレーの出場選手のように映ります。大柄で、記号的にはとても萌えられる存在ではなくなってしまいました。
これが一枚画であれば、描き手がちょっと肩幅を調整したり、顔の比重を大きく描くだけで萌えの何たるかを醸し出すことが可能ですが、動いているポリゴンではそうもいきません。冷徹なポリゴンは、小さめの頭部と膨張色でより大きく見える白い体操服とを必要以上に萌えから遠ざけてしまうのでした。
美人のプロポーションよりも
可愛らしさを優先させるのであるならば、頭部はやや大きめである方が好ましい のです。記号的に。
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