Cobweb of にーしか

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はじめてのDark Souls(4)

戦闘におけるバランス

ボスの居るロケーションの問題(主に狭さ)と強さのバランス、ハメに陥りやすい多対単戦闘には、20時間遊んだ今でも若干の味付け調整を希望するところだ。私の主張はLegend of GrimrockやDead Space 2の場合でもそうであるように、いつも同じである。なぜなら、囲まれた状況を打破できる方策が用意されていることを期待するからだ。

ヒーローにはどんな状況であっても、プレイヤースキルがそれを使いこなせるのであれば、利用できる術というものがあってしかるべきである。一対一でのRiposteがシステム上OKであるのならば、囲まれた状況でのRiposte的なワンチャンスがあっても別段おかしいとは思わない。それが、特定レベルで取得する吹っ飛ばし攻撃であるのか、魔術の一種なのか、誰でも使えるが成功確率が非常に低い技であるのか、それとも、そもそも囲まれる状態をやや加減しておくのかは、設計して組み込む開発者の側に委ねたい。なお、能力値が充分に高ければResistやDefendされる効能が既にあることは私も理解している。魔術分野における対抗策の有無について、1クラスを20超時間プレイしただけでは知りようがないことはお許し願いたい。

一例を挙げておこう。Gothic 3の『動物ハメ』はその筋のプレイヤーの間では有名である。イノシシにドつかれたり、狼に襲われた主人公は、剣を手にしていながらよろめく以外に術がない。森に住むこうした動物には狩猟の技術、すなわちボウで対抗することがGothicワールドでは一般常識であったにもかかわらず。この動物ハメを、当然のように理不尽と受け取る向きもあった。コミュニティ・パッチではバランスの改変がなされている。

マルチプレイ

繰り返すことを基本に据えた攻略となることから、一般的なプレイヤーは大変飽きやすくなると予想できる。しかしながら、マルチプレイCo-opとPvPが適度な余興を提供することに成功していて、且つゲーム自体の難度を下げる方向にも貢献している。

ソロプレイで苦労するボス戦も仲間が1人(もしくは2人)いるだけで大分違う。敵からの攻撃を被る役が1人増えるだけで、勝率が劇的に上がるのだ。Dark Soulsのバランスとデザインは複数プレイヤーによる攻略を念頭にしているのかもしれない。好き勝手にCo-opできない点(※)や、ピアツーピア接続は、セールスポイントとしては首をかしげたくなるところだが。
※生者の時はホスト側、亡者の時はクライアント側。該当エリアのボスを攻略することがCo-opの最終目標で、該当ボス攻略済のユーザーによるホスト立ては行えない。Invadeは生者同士のプレイヤー対プレイヤー戦闘(PvP)。

金の卵の扱い

以下は全くの想像から書いている。ご了承願いたい。

当の開発スタジオの懐事情は知る由もないが、米や加の金持ちパブリッシャ傘下で製作される大作ゲームのように扱われなかったであろうことは想像できる。TESシリーズがXboxタイトルで稀なRPGとして一躍名を馳せるようになった金字塔、BethesdaのMorrowindのように。予算も人員もまだ潤沢とまでいかず、小規模メーカーが得意分野を地道にバージョンアップしてきた功績がようやっと認められた瞬間である。フロムソフトウェアにはキングスフィールドという下地がある。

Dark Soulsはゲーマーから見れば、金の卵に相違ない。DayZはさておき、RPG分野における革新的なサバイバル感のゲームだ。新規IPでMMOに参入したがっている海外大手は未だにいくつもある。Dark Soulsが内包するマルチプレイビリティは垂涎の的になりそうなものだが…。

移植の不出来具合に触れるまでもなく、チュートリアルやインターフェースに代表される基礎的な箇所に手が回っていない様子を窺えば、海外メーカーと比肩できる体勢を与えられていないのではないかと裏読みできる。これで話題作の二本目なのだから可哀相でもある。

リソースの制約で“なるようにしかならない”ところを、独自の世界観で上手くまとめあげた(言い訳をでっちあげた)ミラクルな二本目なのだ。

ところで、steamの販売ページで閲覧できる英語マニュアルをお読みになられただろうか。一筋縄ではないゲームシステムだというのに、絶句するほど簡素である(手抜きに見えるほどだ。Firebombの装備の仕方が掲載されているか、是非お調べあれ)。

以前の記事で、私が重箱の隅をつつくように細部の粗を気にしたのは、かようにゲーム内チュートリアルの重要性が増しているからでもある。ああした面は、初めてプレイする者が真っ先に気が付く部分でもある。逆に言えば、慣れた者では感じとることが難しい。妥当かどうかは、NHKスペシャル「世界ゲーム革命」で取り上げられたようなゲームテスティング専門の会社に依頼してみればわかるだろう。私が挙げた何点かは、改善案が提示される箇所に違いない。

触って覚えていく作りでゲーム内の説明が所々端折られていれば、感心できようはずもない。こうした粗はMorrowindとSkyrimの初心者対応の度合いでも見ることが出来る。開発の規模として、あるいは余剰人員の差から出ているのかもしれないし、初心者にもアピールするべく配慮している(配慮していない)結果ということかもしれない。
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[ 2012/08/29 00:00 ] アクション | TB(-) | CM(0)
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