ルール和訳公開の是非(4)ゼロサムを読んで思ったこと。
海外輸入してでもボードゲームを欲しい人(私のような)は、新品か新古を安く早く買いたいと考える。しかし、大概は割高で購入することになる。送料がどうしてもネックだからだ。単品購入なら米アマが最安だがすぐに在庫が切れ、残ったマーケットプレイス扱いの送料は高い。
国内輸入店もやはり割高で、少なくとも私が欲しかったマイナーなゲームに関しては、自分で個人輸入した金額と同じくらいか、あるいは国内送料を足せば高くなるくらいであった。利点は早いことと和訳付きであることだけ。その添付和訳に関して言うなら、個人が家庭用インクジェットプリンターで出力したものと同じであった。その上、ページ数を減らそうとA4を二つ折りでフォントサイズ小である。よくても、シールなど水溶性インクでは困る場合の、モノクロレーザープリンター出力がせいぜいである。独自にオフセット刷りであったり、カラーレーザープリンターで出力したなどという代物は(私がこの趣味に傾倒して日が浅いこともあり)見たことがない。
金額の話に戻ると、国内輸入店から直接買うよりも(扱われていれば)国内アマゾンで買う方が安い。ヤフオクでセミプロな業者が売る場合の落札金額は(タイトルによりけりだろうから一概には言いにくいが)高い方で国内輸入店と同程度の価格帯か、さもなければより安い。よほどの激レア商品でもなければ法外な値付けにはならないのではないか。むしろ国内輸入店のそれが、落札価格より高めの値段設定だったことに気が付かされる。
私が個人として和訳を公開する時、BGGで既訳があるかどうかは一応見る。有名な方が既訳されていたら個人公開などしない。既訳公開をされていないゲームで、有名な方が「訳は作った」的なツイートをグーグルで見た場合、日本市場でそのうちルートが出来ると考慮されているかもしれないと考えて動向を見守る。それでも既訳公開されないようなら個人公開を考える。
ヤフオクを利用した転売者が無償提供の公開和訳を使うことは、(私を含め)個人公開されている方にとっては複雑な心境だと思う。公開和訳の使われ方にもいろいろあるが、出品の説明で「印刷物を同梱します」と謳われたなら、怒り心頭かもしれない。リンクを明示せず、「ネットで公開されています」と書かれる程度なら、まぁ仕方ないか程度に思う。マナーは配慮されているわけだから。
私が推すタイトルが捨て値で放出されたり、再三転売の憂き目にあう(つまり買った人の趣味には合わなかったので転売される)ことの方が、よほど問題だゾ。
個人和訳を利用するユーザーはそれなりにリスクは覚悟していることだろう。金銭の損得勘定ではなくて、その訳が果たして正しいだろうかというリスクを。個人の和訳なんてものは免許制でも無いし、品質保証されているわけでもない。自分で翻訳した方がマシだったなんてことすら起きるかもしれない。
お店翻訳は個人和訳よりも位が高いものと捉えられるけれども、固有名詞やゲーム用語の和名が気に入らないということはザラにある。お店翻訳で対訳表が付くことは少ないので、なんでもかでも和名になれば良いというわけでもない。とりわけお店翻訳ではPDFのようなデジタルデータは提供されないので、使い勝手が悪いということはよくある。
まぁいろいろむずかしい。興味が湧いたゲームを安く早く買いたい、その希望が大多数にとって良く叶えられるのなら、大概のことには目をつぶってもいいんじゃないか。
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