GoG.comで、Strategy Firstのゲームが半額セール中。この中に
Pro Pinball シリーズ;Big Race USA、Fantastic Journey、Timeshockの3つが含まれる。1本で1つの台のみがシミュレーションされており、タイトル名=ピンボール台の名称。
その他にGoG.comで扱っているピンボールといえば、Pure Pinball 2 REDUXがあり、こちらは1本で3つの台が収録されている(ただしセール中ではない)。
以前挙げた
Dream Pinball 3D を少しばかりやり込んだので、ここで改めてご紹介。Dream Pinball 3Dは、台がポリゴンで作られており、球の位置に従って画面がスクロールするという演出が特徴。
収録されている6つの台も、このスクロールを活かすような作り。というのは、サブ・フリッパーがフィールド上半分に配置されていて、カメラがそれとキノコバンパーをまじまじと捉えるため。よって、まるでガラスに鼻をくっつけているかのような間近で球を弾くプレイになる。
Dream Pinball 3DのDino Wars。上下に移動するカメラ視点が捉えたフィールド上半分。この辺りをボールが移動している時にこのような画面になる。ガラスの写り込みまで再現されていてなかなか綺麗。
その代償と言おうか、台によっては球の急な挙動にカメラ移動がついていけずに、叩くタイミングを損なっているような時もある。こんな場合、Cキーを押せば、7種類あるカメラ視点をゲーム中に切り替えることができる。7番目の定点カメラなら、台全体を正対して写しているので安心。
同Dino Wars。カメラ視点7番だと台全体が収まり、画面はスクロールしない。
弾み方(重さ)の異なるボールにチェンジするフィーチャーもDream Pinball 3Dならでは。Are you ready for Ballchange? スピーチ音声も、台のテーマによって趣向が変わっていて楽しい。例えば
Dino Wars だとヒロイン風の声で、「追っかけてくるわ!」「行き止まりよ!」とか。
難易度ノーマルのDream Pinball 3Dの台は、ほぼ半数が簡単な台で比較的フィーチャーを出しやすく、ビギナーズラックで200,000,000点を上回ることも容易。そもそもデジタル・ピンボールの台に難易度調整があるなんて、新しい発見だった。
Knight Tournament, Aquatic, Amber Moonはフィーチャーが出やすい台。普通に高得点を楽しめる。台の傾向はやや偏っていて、レーンやキノコなどの使い方が似ている。Amber Moonはパブリッシャ絡みのTwo Worldsをモチーフとした台。
Monsters, Dino Warsが少し系統が異なる作りで、普通にプレイしているだけではフィーチャーを達成しにくい。Spinning Rotorsも(音が趣味でないのであまり遊んでいないが)比較的出にくいのでは?、と思えた。
いずれもボールを弾くフリッパーの挙動は意外にも素直で、タイミングを測ればだいたい同じレーンへボールを入れることができる。よくよく見ていると、少し物理的な正確さが怪しいと思える挙動もあるような、ないような。
さて、対する
Pro Pinball は実機を模していることが売り(*)。感触はどうだろうか?
Fantastic Journey をとりあえずインストールしてみた。解像度はVESAのUXGA+までしかない(Dream Pinball 3Dと同じ)。
* 模しているといってもあくまで架空の台で、実機並みに調整できるオプションが充実しているという意味で“シミュレーション”という文言で謳われている。
Pro Pinball - Fantastic Journey。全景。
要はポリゴンによるボール・シミュレーションで手法は一緒だと思われ。プレイ時のカメラ視点は、固定3種類のいずれか(画面スクロールなし)。
台はサブ・フリッパーが無く、ドロップ・ターゲットとレーンがメインのオーソドックスで手堅い作り。マニュアルにはスキルショットの順番まで載っているほど。『不思議な旅』というテーマらしく、フィールドが開口して気球が出てくるといった派手な演出がある。
フリッパーの弾き方やボールとの反応は、Dream Pinball 3Dよりも細かい。同じ挙動を再現するのはなかなか骨が折れそうだ。
ボールの落下が速く感じる(Screen Flipping: Enable時)。実機の感覚により近い気もするが、ボールの弾み方にはやはり独特の嘘なり癖なりがあるように思える。
台の難易度はデフォルトのノーマルでは高めだと思う。Dream Pinball 3Dの一番難しい台以上にやり込まないと高得点は狙えないかもしれない。もし難しいと感じるなら、難易度設定の他に、好み仕様にチューンできるOperator設定がある。例えば、フィーチャーの持続時間などを指定できる。
“MagnoGrab”という名称の、磁石でボールがホールドされるフィーチャーが独特。Tabキーでレーン通行中のボールを吸引する“MagnoSave”がコントロールできる。
Pro Pinballシリーズ残り2つをインストールして遊び比べてみたところ、
Big Race USA がなかなか面白いと感じた。その名の通り、車でアメリカの各都市を巡るほど得点が入る。フィーチャー達成で都市を1つ移動。バックグラスの電光掲示板で簡単なアニメが動き、フリッパーボタンで右か左を選ぶ趣向も有り。
Pro Pinball - Big Race USA。
問題はと言えば。このシリーズ、共通して音の載せ方が下手。スピーチの声が安っぽいし、BGMの趣味が悪くて五月蝿い。もちろん、多分に好みによるところだけれども。Dream Pinball 3Dの方が、全般的に音の演出をゲームゲームさせていて順当(チープなSEが若干耳障りな時もあるが)。とはいえ、Pro Pinball - Big Race USAに関しては、ボイス・アクターの素人臭さを逆手に取ったところは好きだ。「タクシー!」 BGMも後の2つよりはずっとマシでゲームに没頭しやすい。
Pro Pinball - Timeshock!だけは、最も古いプログラムということなのだろう、解像度選択、Screen Flippingで一部がグレーアウトして選べない。台のテーマもTimeshockという名の通り、今ひとつピンと来ない代物(クイズタイムショックなら馴染みがあるんだけども)。
マニュアルによるバックストーリーは…
『未来でのタイム・クリスタルを用いた実験が失敗し、タイムショックが発生してしまう。タイムショックが時の始まり(宇宙開闢)に到達すれば、宇宙は崩壊してしまうのだ。これを正すには欠片を4つの時代で集めた上でタイム・クリスタルを修理して時の始まりに赴き、クリスタルを使ってアンチ・タイムショックを発生させなければならない』
…という、まるで新スタートレックみたいなお話し。台でプレイしただけでは、まるで意味不明で駄目な例なんじゃないか。
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