DLCとして増補されたEndingが初お目見え。これを書いている時点では、PC版のOriginクライアントからはまだリリースされていない(※記事によれば、PC版、Xbox360版とも本日提供予定とのこと。PS3版は約1週間遅れ)。
※追記:午前2時前にはクライアントからダウンロードできるようになっていた。
世間では、既にネタバレとして4つのエンディングの動画が公開されている。ゆえに、プレイするのが面倒なら、動画で4つ全てを鑑賞することもできる。興味深いのはこれまでの青、赤、緑の3つの結末に加えて4つ目が追加されていることだ。4つ目にはリアラの伏線が使われている。
以下大雑把なネタバレを含む
動画を鑑賞された方はどう感じたろう? Mass Effectの世界観(設定)が2から3に移行する時点で揺らぎ(矛盾)を生じてしまったとする指摘がある。リーパーズが直接侵攻できる理由であるとか、マスエフェクト・リレイの破壊で生じるはずの宇宙崩壊の真偽や、崩壊しなかったにしろ後の銀河交通網はどうなるのか、など。新しい結末はこれを是正ないしは改変するものではなかった。[追記:リレイに関しては、破壊の演出が控えめなことから、跡も残さず木っ端微塵ではないと読めるようにしてあるのかもしれない]
急ぎ足で大雑把だった場面転換(旧結末)のうち、新たに、仲間のその後に関する部分がクローズアップされた。未開の惑星に軟着陸したノルマンディー号がどうなったのかと、シェパードがどうなったのかを、新規にかなり丁寧に説明している。それ以外の主旨に大きな変化は見られない。
過剰な説明と見る向きはいるだろうか? 本来こうあるべきというカットが追加されていることから、好意的に評価されるとは思う。ただし、地球の地上戦についてきたはずの仲間(直接共闘しなかったにしろ)がノルマンディー号に戻っていることや、イルーシヴマンがシタデルに突然現れたことに関する疑問への暗示は、この動画には含まれていない。
そうした答えがはぐらかされたままだとすると、ちぐはぐな箇所はまたもや批判に曝される恐れはある。従来のエンディング(父と子がお伽噺としてシェパードの伝説を語る場面)も捨てられておらず、今回の丁寧な説明があることに対して、超然としているがゆえに、邪魔くさいオチにも感じられる。超然としたオチの効果は、細かい描写がバッサリ省略された場合の方がよく発揮されていたわけだ。
今回追加された些細なカットを目を皿のようにして見ていると、既シナリオで採った選択によって一枚画が変化する程度の巾はあるように思われる(例えば、ジェノフェージを治療していれば、赤子を抱くクロガンの画が挿入される)。Fallout 3並みのエンディングは示されるようになったのだと喜んでいいだろう。リアルタイムレンダ部分も、生存者の居る居ないは変化しているようだ。
結局のところ、広げられた大風呂敷が特定方向だけで収束することしかゲーム内では許されず、カタリスト(少年)の3つの選択肢はプレイヤーの理想に遠く及ばなかった。4つ目の選択肢は、ドラマが締まりの悪いままで完結することを永遠に認めないプレイヤーやその自由意志(理想ないしは夢想)を尊重したかのようにも受け取れる。いずれにせよ、ごくろうさま、Mass Effectチーム&Bioware。最後に、商売っ気の多いEAの戦略にはくれぐれも気をつけよう(コンシューマーだけでなくディベロッパも)。
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