上手い人はもっと短い時間でクリアできる。ストーリーモードは短め。ガチで戦闘が楽しめるフィールドの数をもっと豊富に揃えて欲しかった。足りない分はハードの2周目とマルチプレイモードで、…ということなんだろうけど。
Ayumiちゃんは一体何をしたかったのか? 以下ネタバレ有り(クリティカルな単語は白文字にしてある)。
整理すると…、『望郷』へ派遣されるには選ばれるのを待たなければいけなかったんだけど、生来の短気でAyumiちゃんと相棒のゼロは、ギルドの寺院に乗り込んで龍玉を無理矢理使って『望郷』へ転送される。
龍の財宝が何かを知らない(んな阿呆な!)Ayumiちゃんは、相棒のゼロともはぐれてしまう。ガーディアンから龍の道こそが財宝と聞かされると、龍の精霊の言う通りに、そして、むしろ、帰り道になる龍玉が目的地にあるという推測で、先に進んでいくことになる。
ごく最初の場面で、モンスターを倒して集めたソウルと引き替えに謎の石像が援助を申し出るが、結局これもどうやら
皇帝の計略のひとつだったようだ。
途中でゼロとミシェルと合流するが、またもや一旦別れ別れになってしまう。このゼロ&ミシェル・サイドを扱った顛末がDLCで、スカイガードを仲間にした集団戦を楽しめるものの、基地を脱出するまでしか扱われておらず、分量としては小粒。
龍の道を進む内に、龍の寺院を巡る種族間の協定が破られてしまう。Ayumiちゃんが龍の寺院に入ると
カオスの皇帝が復活してしまうのだ。そこでスカイガードはそれを阻止せんとAyumiちゃんの前に立ちはだかる。
結局、全ては
皇帝(=ギルドマスター)の陰謀だった。チャンチャン。ギルドマスターが望郷とこちら側とをどうやって往来していたのか、ギルドマスターは
洗脳されて支配されていたのか、はたまた、かりそめの姿を投影していただけなのか、ご都合主義でよくわかない。
ところで、『望郷』って英語だと『ドラゴンランド』なんだよねぇ。邦訳は最初こそ『龍の望郷』と誤魔化してるけれど、以降はただの『望郷』。これじゃ、まるで意味が分かんねぇーよ。古の龍族が強大な文明を誇っていた云々の背景説明なんだから、名前を変えちゃ駄目だろう。『龍郷』だったのを誰かが勝手に変えちゃったのか?
さて、2周目となるハードモードでのアクションはなかなか面白くなった。全てのアビリティが使用可能であるし、都度装備を変更することで、特定の戦い方に特化する戦術も取れる。タイムリワインドは、格ゲーの練習モードにあるような「レコード/プレイバック」よろしく、自分の複製が直前の行動を遡って繰り返してくれるだけではあるが、活用していくとそれなりの妙味を感じてくる。
戦闘でのタイムリワインドは、その場限りの分身を増産して敵の注意をそむける手段としたり、別方向からの火力を加えて盾を排除したり、あるいはスカイガード・コマンダーをダブル・フェイタルする為に用いたりと、使い途も用意されている。何より、プレイ感覚が風変わりで楽しい。ただし、「ヘルスが低下するとシャドウが出てきて加勢してくれる」アビリティも、これとよく似ている。あまりにも被る要素を、他の手段で提供してしまってはこのゲームの目玉を削いでしまいかねない。惜しむらくは、タイムリワインドで更に突っ込んだ使い途のバリエーションがあればなお良かった。
パッドでのエイムがそこそこ難しい銃器に関しては、あまり面白いフレーバーとは思わない。剣戟で全て退治できるくらいの方がいっそ望ましい。どうしても届かない相手は銃で処理することになっているが、敵の銃撃によるダメージは比較的大きく設定されている。つまり、ヤるかヤられるか、な味付けだ。プレイヤーの銃器類はソードに比べて取捨選択の巾が狭いのも問題ではないか。速射でダメージ量の大きいガトリングガンが最も有効な武器として挙げられ、他はほぼ使わないだろう。
戦闘バランスを考えてみると、敵側は即死ダメージを与えてくるような攻めであり、こちら側はヘルス回復(時間経過により使用可能で、タイミングは任意)で補填する。敵味方ともダメージを供給過剰にするよりも、プレイヤーが過程を楽しむ余裕を睨んだ抑えめのダメージ/回復バランスにした方が良かったかもしれない。今のままだと、下手な人でも回復に時間を費やせばなんとかなる難易度ではあるものの、大味だ。案の定、後半になると、スカイガードの雑魚が、この待ちプレイを妨げるようなマジックを使ってくる。
何度か捕まるとゲームオーバーになる敵『スラッシャー』は不要だったかもしれない。確かにタイムリワインドの使い途にもう一つの意義を持たせてはあるが、狭苦しさを感じてしまう。
オーダー・スフィアによるパズルはやや陳腐。もうひと工夫欲しい。時間を巻き戻す能力に関連させて、朽ちた物体を新品に復活させるSingularity(Raven Software)のパズルをヒントにしても良かったのでは。
正価はともかく、9.99ドルなら悪くない買い物だった(GamersGateは後で値付けを変更したようだ)。Gaijin Entertainmentは続篇をパワーアップして作れば、あるいはフランチャイズとして成功できるかもしれない。
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