三谷幸喜がコラムを書いていそうな映画。麗しのイングリッド・バーグマンが怪演。年若いゴールディ・ホーンが安達祐実のように映る(ウォルター・マッソーがモテるという説得力が今ひとつ欲しいところではある)。
自分が生まれた頃の日常を大人として体験してみたい、と常日頃思うのだが、この映画に出てくる世相はコメディを補強する部分しか出てこない。それでもファッションやら、サブカルやらが、郷愁(?)じみたものを発散してくる。アメリカはニューヨークの出来事ではあるけれど。
…なんて書くと、まるで自分が帰国子弟だと言っているかのように読めてしまうことに気が付いたが、そう言う意味ではない。この映画が日本で封切られた時、それなりに影響を受けた層はいただろう。そうした影響の基点は、特にファッションにおいては、ある程度のスパンで繰り返すから、40年以上前でも妙な親近感すら湧く。偶然、「1969年のオヤジと僕」というドラマのタイトルが検索で出た。生憎と未視聴だが、題名とあらすじから想像する内容は、ちょうど私の願望に符合する。そんな機会が実際にあったなら、とても興味深いだろうに。
ヒッピー全盛、ベトナム反戦運動、アポロが月着陸……、自由と平和といった楽観的スローガンで、アメリカはなんとか世界の辛さから目を背けようとしていたような時代。日本は高度経済成長期のお終いに差し掛かり、ある意味、のほほんとした豊かな時代を謳歌できた頃。
何を言ってるのかますます不明になってしまった。ともかく、テーマ曲の"A Time for Love is Anytime"の歌詞がいい。
♪遅咲きの花の命は一番長い。
いつか誰かがやってきて、一瞬で花開く。
時に縛られない恋の不思議で。季節も年も無関係。
備えておくのは難しい、あなたの心次第だから。
あるときふいに現れる。
咲かないで終わるサボテンも…
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