プレイしてみると短く、ガッカリ。ME1の発端となったエデン・プライムに戻るシーンは感慨深いけれども。正直、有ろうが無かろうがどうでもいい出来。わざわざDLCにするほどの濃い内容ではない。なにがDay one DLCじゃ。
背景説明としては、プロシアンが滅んだ経緯やリーパーズの「不変の脅威」を補強してくれる。物語り演出としてはタイトルの通りに暗示的で、シェパードのエンディングを匂わす。
新しい仲間となるプロシアンに対して、おまえは一体何者なんだ? とリアラやシェパードらが尋ねる。すると、彼は兵士であり…
“The embodiment of vengeance. I am the anger of a dead people, demanding blood be spilled for the blood we lost.”
「報復の化身、俺は死者の怒りだ。死んだ同胞が流したと同じだけの流血を要求する」
リーパーズとの戦争にそんな感情が入る余地は無い(俺たちの戦闘はもっとドライなんだ)、とシェパードが言うと…
“Because you still have hope that this war will end with your honor intact.”
「気高いままで終われるほど、この戦争は甘くない」
“Stand in the ashes of a trillion dead souls, and ask the ghosts if honor matters.”
「百万兆人の遺灰の中に立って亡者に訊いてみろ。気高さに意味はあるか、と」※
“The silence is your answer.”
「沈黙が答えだ」
カッコえぇ。こういうセリフを上手く訳せると嬉しいでしょうなぁ。
※ProtheanはPrussia(プロイセン、プロシア)の捩りなのかと思われたので、米国の一兆ではなく、インペリアルの百万兆がいいんでないかと。お遊び。
クルーシブルやカタリストとの関連があるプロシアンを登場させながらも、真実ははぐらかす方向。なぜなら、このジャヴィクは科学技術畑ではなく一介の兵士であるから。
本編後半にはプロシアンのVIが登場するわけなので、知識としては被っているとも受け取れ、もともと不在でもかまわない感じ。
ただ、プロシアンの能力だけはSFチックで面白い。彼らは、記憶を閉じ込めておける技術―どちらかというと理屈よりももっと感覚的な、体験だとか心理的な感触といったものの保存と再生を可能とするテクノロジー―を有しており、ME1に登場したビーコンの技術的裏付けが明かされる。
この説明以前から、ステイシス・フィールド―私の認識だとSF作家ラリー・ニーヴンの発明である。ニーヴン氏はコンセプトの著作権を主張出来るくらい近年ではよくゲームにガジェットが利用されている。―というのが出てくるわけで、この技術が肉体だけではなく、精神の状態も保存できるようになっている、ということらしい。Star Trek: Voyagerにも似たエピソードがある(慰霊の碑が大虐殺の記憶を保存していて、近づいた人々に有無を言わさず不快な追体験をさせる、という内容)。
その上、個体のDNAに刻み込まれた生物学的な印を、彼は読めるという。個体の経験はバイオロジカル・マーカーなんだそうだ。なお、劇中で明かされる順序は逆。
プロシアンの顔の元はなんだろう、フグかな? ソラリアン(サラリアン)はカエル。ドレルは魚類? 魚類、両生類からの進化が多いのか。
余談ながら、Star Trekシリーズは面白かったのに、911以降、EnterpriseやBattlestar Galacticaで別な方向性へ舵が切られて以来、気高さをモットーとしたドラマが無くなってしまった。Star Gateシリーズも古典的Star Trekを思わせつつ様々な内包物があったというのに終了。面白いSFドラマは無くなったよね。V? う~ん。あぁ、Stargate Universeがあるのか、でも日本放送はいつ?
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