そうそうたる顔ぶれが揃って開発されたアクションRPG。steamでデモをインストールしてみました(USのweb頁からダウンロードできます)。1プレイ45分の時間制限付デモです(何度でもプレイ可能のようですが)。
コンソールゲームの傾向が強いですね。キャラクター造形がまずそうです。序盤のチュートリアルをプレイしている時は「良くできたダンジョンシージ3」という雰囲気。
インターフェースのデザインは当然Xbox360コントローラー向けです。リストの縦移動と決定が煩わしく、改善の余地はまだまだありそうですね。キーボードも併用可能で、インベントリー画面などを一発で呼び出せます。
解錠、錬金術の材料集め、武具修理等は、Ken Rolston氏がいる免罪符か、ままOblivionというかSkyrim似です。「Skyrimを真似ろ、追い越せ」という意向が偉い人の中にあったことがうかがわれます。
キャラクターのアーキタイプは男女4種類で、外見はプリセットをスライドバーで選ぶ方式です。フォトリアルではなく、強調がなされたデザインで少々バタ臭いかと。主人公はともかく、キャラクターデザイン担当がTodd McFarlane氏だと聞けば、Spawnのイメージとはかなり違うため、驚かされます。
カートゥーン調のキャラクターデザインにもかかわらず、Reckoning Modeのフィニッシュムーブは「グサッ」だったりと、どぎつさの演出が画調のデザインとやや不一致? 余談ながら、Reckoning ModeはVeneticaのTwilight Skillを連想させてくれますが、機能面での関連性はありませんでした。Reckoningのは経験値を吸い取る能力、かな?
アクションRPGにしては難易度は温めですかね(デモゆえに難易度が低い可能性があります)。製品版の難易度は3つあるようですから、厳しめには簡単に設定できるでしょう。ポーションがぶ飲み制ですから、ポーションがある限り、いくらでも。同じ条件でも、Skyrimの序盤の方がきついと思いました。
アクションの動きは軽快で良い感じです。基本、ボタン連打ですが。近接武器、呪文、射程武器をボタンで押し分けて使い、敵からの打撃はシールドで耐えるか前転で避けます。メインの武器を持っている際、長押しで特殊なムーブが発動します。
コテコテのPCゲーマーにとって、Skyrim以上のオモチャにはならないでしょう。画調から受ける“のどかさ”もそうですが、ちょっとしたことがPCゲームには成り得ないという実感を呼び起こします。インタラクトできるアイテムは全て後光に包まれているとか、頭上に大きなハテナやビックリマークが浮いているとか。どこの1C Companyだよ、と。もちろん、MODの有無が大きいわけですが。
普段からコンソールの流儀に慣らされている向きには、非常に遊び甲斐のありそうな上質のRPGとして受け入れられることでしょう。Fableシリーズよりも、ずっと本格派です。
ストーリーはR. A. Salvatore氏のおかげで非常に振るっており、何かの成果で蘇った主人公が戦乱の世の中で運命に揉まれつつ自己再発見していく…というもののように読めます。「フランケンシュタイン博士の怪物が如何にして自分の存在意義を見いだすか」がテーマだろうと私は踏んでます。
演出はハリウッドの大作映画っぽいです。ある意味、節操もなく押してくるので、逆にチープでステレオタイプと受け取れてしまう可能性も。
Ken Rolston氏が以前語っていた「主人公はプレイヤーの裁量に委ねる」という鉄則が、ストーリーの過程でどこまで堅持されるか見物です。
同じ事は「オープンワールド」を採用しているゲーム性にも言えて、カツカツなストーリーとのせめぎ合いの中で、果たしてSkyrimやOblivionを超えることができるかどうか。こちらもお手並み拝見といったところ。
…いずれもデモだけで見切るのは無理ですが。
オープンワールドに関しては、ワールドマップを見た限りの印象ですが、小部屋が連結されている方式であり、Skyrimのような真の砂場には太刀打ちできないでしょう。
ダイアログは既存の折衷(Mass Effect+Oblivion)にもかかわらず、上手く機能していると思います。というのは、ダイアログに興味が無いプレイヤーはMass Effect風の四択(常に4つとは限りません)を終えれば、残りの選択肢はGoodbyeで飛ばすことができるからです。
ダイアログで用意されている説明から世界観を知りたい向きには、主人公による質問を表す選択肢を選び、NPCからの説明を聞くことで、より深く背景世界の事情を知れるようになっています。
四択と質問用とを別立てしているところが賢いですね(選択肢の入れ子が必要以上に深くならないように配慮されてるわけです)。よく研究されてます。Dragon Age 2やWitcher 2ではまるで出来なかったことがあっさりとまとめられており、それだけで秀才級と評価できるでしょう。
大作が陥りがちな責任者不在の穴(分業で作るので後から直せない)が、おそらくシニアデザイナーらの貢献によって見事に阻止されており、ユーザーフレンドリーの理想からしても良い位置をキープしているように見受けられます。あくまでコンソールとして、ですが。これがPC専用だったら格段の進歩を遂げていたかも、とは思わずにいられませんね。
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