Mage Knight: Board Game が、2011年のベストゲームとまで絶賛されているので欲しくなりました。Fleet Captainsと同じWizKidsのゲームです。
Mage Knightは皆さんご存じ(私は知りませんでしたが)の通り、富士見書房が販売代理店となって2004年まで輸入されていました。例えば、知り合いのフィギュアコレクターはWizKidsの名前を挙げると、すぐにMage Knightのことに言及してくれました。今回のBoard Gameは、懐かしのメイジナイトを今の時流に見合う形態にブラッシュアップさせたもののようです。
PDFのルールブックが公開されているので、やはり下調べをしてみます。個人輸入だと足代5,000円のおまけ付きですからね。自分の好みでないゲームを注文してしまった時のダメージは計り知れません。ちなみにWizKidsを扱っている卸が日本に存在するのか、未だに見つけられません(ご存じの方がいましたら教えて下さい)。
ルールブックは20頁が2冊。1頁三段組でそこそこの分量があります。B4変形版のため、A4で出力すると文字が小さくなって読みにくいことに。内容は非常に冗長で事細かく書かれています。Fleet Captainsが、いかにルールブックの編集にカネをケチったかが分かろうというものです。それくらいFleet Captainsのルールの規定は曖昧な部分が多く、お粗末です。
Mage Knight: Board Gameはこの種の中では複雑なゲームと紹介されています。もっとも普段からD&DやPathfinderをプレイしているような者には屁でもありますまい。自慢ではなくて、それくらいD&Dのボードゲーム戦闘は煩わしいものだと言いたいのです。複雑で難しいというよりも。やっていることは単純なんですけれどね。どう煩わしいのかというと、実に多様なルールが時にぶつかり合うので、全体に通じている者が少ないということです。ルールブックを一度も紐解かないで終わるセッションを私は見たことがありません。
話が脱線しましたが、ざっとルールを読みこなしてみた感じでは、私の専門分野(?)のコンピューターゲームで例えるならば、Heroes of Might and Magicに似ていますね。コアのギミック、すなわちゲームシステム自体は、ありふれた手垢の付いたシステムを少々複雑に組み合わせただけのもので、決して目新しくはありません。しかしながら、そうした骨のあるルールでファンタジーセッティングをプレイしてみたいという需要は確実にあるでしょう。1日掛かる多人数RPGを、数時間の1~4人用ゲームに置き換えるような需要ならば。
デッキビルディングが、このゲームでも最近の傾向として登場します。デッキビルディング『だけ』で同じことを体現したゲームはサンダーストーンのように既にありますが、あれでは物足りない方もいることでしょう。やはりボード(マップ)がなければ。それもプレイする度に変化しないと。ということで、モジュラーボードの採用です。Fleet Captainsもそうですね。
買い物ゲームの体裁も取り入れられているようで、村でのインタラクトにそれが見られます。マナもやはり登場します。廃れたタイトル再生のためなら、真似と揶揄されようとも、後発の立場を最大限利用して、いいとこ取りなんですね。
ルールブックWalkthroughは20頁もありますが、最初の方はカードや小道具の紹介なので流し読みで充分。6頁目のマナと7~13頁までのたった8頁を読み下せれば、どんなゲームであるかの理解は出来そうです。
ルールブックから読み取れるMage Knight: Board Gameの特徴を述べてみます。
1.昼夜の概念とマナ・ソース
2.代用アクションカード
3.兵士のリクルート
4.RPG的な成長要素
1.昼夜の概念とマナ・ソース マナは基本の4色に加えてゴールドとブラックが存在します。ゴールドが日中に使えるワイルドカードのマナ、ブラックが夜中に使えるワイルドカードのマナとなっています。昼のブラック・マナはマナ・ソースの枯渇の意味となって、使えるリソースが減るのです。夜のゴールド・マナも同様。この発想は面白い!
昼夜の概念は移動にも取り入れられて、夜の森は移動の手間がかかるようになったり、逆に夜の砂漠は移動しやすくなっていたりしています。
マナには、任意のアクションへ付与できるボーナスを、プレイヤーに提供する役目があります。1ラウンド1個、アクションカードにマナを付けることで強い効果を発揮させられるのです。
さらに、このマナというのは、実は6面体のダイスになっていて、毎回出る色が変わります。その上、プレイヤーが使うとリロールされるので、手番の遅いプレイヤーが使う頃にはマナの色がラウンド初めとは全く異なっているかもしれないし、あるいは前述の『枯渇』に変わってしまうことすらあるわけです。ダイナミックですね。
2.代用アクションカード アクションは4通り(移動、影響力、攻撃、防御)です。プレイヤーシークエンスは古めかしく堅苦しい方式で、『移動+それ以外のアクション』です。何かしてから移動といった、順番の入れ替えに関する自由度はありません。
その代わり、行いたいアクションに該当しないカードしか手札に無い場合には、横向きにしてプレイすることでどんなカードでも1枚1ポイント相当の代用にできます。例えば、移動のカードがなければ、他のカードを横向きで使うと移動1ポイントとなります。
マナと似た要領で、プレイヤーに必要な手立てを捻出する手段や裁量を与えていて、なかなかよく練られているなと感じます。
3.兵士のリクルート これはHoMMと似たコンセプトですね。指揮できる数に制約が課されており、レベル成長することでアンロック(増加)されていきます。兵士のリクルートは早い者勝ちなので、マナソースの場合と同様、手番の重要性が増します。
また兵士カードにもマルチプルな機能が与えられており、その内のどれを使うかはプレイヤーに委ねられています。ここでも、プレイヤーの手段に多様性を確保していますね。
4.RPG的な成長要素 Fameの蓄積がレベルアップに繋がり、最高レベルは10です。Reputationという名声度があり、影響力(Influence)へのボーナス/ペナルティとして機能します。オークを倒すと+1Reputation、+4Fameです。村でPlunderingして手札を2枚増やせますが、そうするとReputation-1の犠牲が伴います。
Influenceは村で何かを購入するときの通貨です。兵士のリクルートも同じやり方の購入です。
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これのことが気になったせいか『King's Bounty』をプレイし始めたところです。