生徒会に入らないかとミシャとシっちゃんに勧誘される辺りでだんだん飽きてきてしまいました。まったりとした日常描写が非常に丁寧で、その分なかなか進展しません。ミシャたちによると、地元のお祭りが開催間近でどうやら伏線であるようです。男性寮では隣室のケンジという弱視の少年と知り合います。
キャラクターとしては、お約束の類型が、Katawa Shoujoの流儀で料理されて出てきます。手話の眼鏡っコに、“サイのような優雅さ”のぽっちゃりピンク髪と、実にその手のゲームらしく描きわけられています。
ヒっちゃんこと主人公は読書クラブが定員一杯で入れず、彼女たちの計略により生徒会役員候補に。生徒会まで登場させちゃうのはちょっと型にはまりすぎかもしれません。彼らは生徒会室でボードゲームのRiskをプレイします。日本で女の子でRiskってのは、ちょっと無いんでは。それとも何かのオマージュ?
そういえば、いつの間にか両親まで主人公のことを「ヒっちゃん」と主人公宛のメモの中で呼んでいました。これは常にそう言われていたのかな? それとも余計なお世話の例の二人が教えちゃったのでしょうか?
主人公の病気は、生まれつき心筋が足りない心臓を持っていることによる慢性の不整脈でした。手術といっても、胸を大きく開けるほど大げさなものではなくて済んだのでしょう。好きだったサッカーは当分控えるようにと“男性の”ナースから告げられます。
生徒会室からの帰りがけ、図書室へ行こうとして、空き室でウェイビーヘアーのハーフ・ジャパニーズの綺麗な女の子がお茶を飲んでいるところに遭遇します。ここも丹念で、男子が美人の前で抱く夢現な感じが良く表現されていました。このコも光彩が半分白濁しており(画には光沢の無い瞳だけですが、テキストでは)、half blindなのだろうと主人公は考えます。名前はリリィ・サトウ。おや、なにかフツーの名前ですね。外国人の名前こそ作者らの領分なわけで、もっと個性的でアピールするファーストネームをと期待していましたが…。
彼女が常に華奢な長い手で位置を確認しながらお茶を注ぐ姿に、主人公はなんだか自分が申し訳ないような気がしてきます。作者はきちんと意識した上でこうした場面を紡いでいるのでしょう。上手いですね。
こうして読み進めると、英語であることが新鮮で、内容に更に付加価値を付けているかのようです。時にダレてくると飛ばし読みしてしまいますが。このジャンルへの再認識に繋がりそうですが、まだ先は長そうです。
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