Dungeons & Dragons Daggerdaleがセールだったので思わず買ってしまったが…ダメだなコレは。
第四版初のコンピュータRPGということで、このDaggerdaleに興味をもった。D&Dとのつきあいは高校生の頃からだからもう三十年近くになる。私の周囲ではなぜだか第四版は見向きもされない。専らプレイされているのは3.5版かPathfinderだ。それじゃあ、第四版はコンピュータで体験してみるとしよう。
好き嫌いはともかく、第四版には高らかに胸を張って自慢できそうな要素が割と目に付く。ところが、Daggerdaleにはそれが…どうやらなくなってしまったようなのだ。
D&Dの特徴の一つである多様性が殺されている点は致命傷だ。4人のプレロールド・キャラクターしか選択肢が無く、お粗末。ハーフリング・ウィザード、エルヴン・ローグ、ヒューマン・ファイター、ドワーヴン・クレリックしかいない。
目で見てすぐにピンとくる第四版の特徴はどうしてだか刈り取られ、旧来のたいそうクラシックで基礎的な“さわり”しか体験できそうにない。売りにできるはずの、ティーフリング・ウォーロックやドラゴンボーン・ウォーロードをどうして取り入れなかったのだろう?
ゲーム性は…ハック・アンド・スラッシュ系と形容することで、もう十分すぎるほど称えている、という事で勘弁して頂くしかあるまい。樽を壊して金貨の袋がジャ~ラジャラ…これが押し並べて全てを語っている。他に興味を引けそうな要素はない。もっとも、NPCドワーフが呆けたように「あぁ?」とか「うぅ?」しか喋らない(会話内容はテキスト・オンリー)とか、香ばしいネタはたくさん転がっているだろう。残念ながら最初の三〇分でもう飽きる。私に限って言えば、近頃は長時間をプレイに充てるなんてことはまずしないので、最初の感触が悪ければもう二度目はない。
物語もイケない。ゴブリンに悩まされ続けているドワーフというのは、よほど平和ボケに違いなかろう。もっと魅力的な舞台とスジでなければ、プレイを続けさせるのは不可能にも思える。
バグが取り切れていないとも漏れ聞こえてくるが、そんな不具合に引っかかる以前に、D&Dの冠を付しただけのつまらないアクションゲームということで、「ハイ、それまで~よ」である。PCゲーム慣れしていないペン・アンド・ペーパーのファンが手にしてみた感想も、きっと今の私と近いのじゃなかろうか。つくづくディベッロッパーの企画意図が疑われる。
“退屈な”シチュエーションで気軽にマルチプレイしてもらうのが主旨なのか? 大方、ゲーム化権を手放したくないパブリッシャーがライセンス料の支払いに充てるべくして短期で作らせた作品なのだろう。だとすれば、ショボくて当然だ。
安く作ってそこそこ評判になるほど世の中甘くない。しかも、これほどピント外れでは。悪評なら、この作りであればまず申し分なさそうだ。
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