機械の星での出来事。高い塔の立ち並ぶ様が映える地平線の都会から、なにやら空飛ぶ箱がこちらに近づいてきた。箱はロボットの部品とおぼしき物体を残して立ち去る。この部品こそ、我らが主人公。体と頭部と足と手を揃えてやると、見事なロボットの形になる。
機械達の意思疎通はフキダシで行われる。言語ではなく映像表現なのだろう。相手がペットでも、問題なく疎通できるらしい。残飯漁りのような『機械ネズミ』にぬいぐるみを渡してやると、足をくれた。
主人公は名前こそ判らないが、地平線の都会へ戻って、やり残してきたことをやらなくてはいけないらしい。プレイヤーはそれをお手伝いするのだ。
機械の社会では官憲はどこか間抜けで、肝心なところに眼が行き届いていない。おかげで主人公も悪漢達からいいように虐められた想い出がある。主人公には(ロボットの)彼女が居るのだが、どうやら離ればなれになってしまったようだ。
余談ながら、この彼女、後ほど、コックさんの帽子をつけて登場する。その時のフキダシで語られる様子が、『コックさんの絵描き歌(♪棒がいっぽんあったとさ)』のキャラクターと似ているような気がした。特に顔の印象が。とにかく、微笑ましい顔をした彼女だ。主人公より大柄であるし。
難問の先へは、論理的な解決策が導いてくれる。例えば、都会へ入る入管ゲートでは、警官の振りをする。その為には、先が壊れたパイロンを水色に塗って、街灯から拝借した電球を突き出して被ればよい。
最初は生粋のポイント&クリックなのだが、途中からそのものズバリの『パズル』が絡んでくる。ポイント&クリック アドベンチャーもロジックパズル(論理クイズ)の一種には違いないのだが、ここでいうのは、本物のパズルの事だ。
なにかのスイッチを入れるには、『図形的なパズル』や『五目並べ』のようなパズルに正答する必要がある。機械の世界では、こうしたパズルがセキュリティーの意味を持つのかもしれない。相応しい資格を有したロボットしか、アクセスを許されないのだろう(いや、人工頭脳なら論理パズルはへでもない気もするが…。おそらく、彼らは人間的な振る舞いに特化されたロボットなのだ)。ケータイでちょっとした時間つぶしに遊ぶようなパズル…それも似た系統のものが、全体では相当数出てくる。
幾何的なパズルが苦手な者には「うげぇっ」となること確実である。小生もきっと投げ出してしまったに違いないが、昔と違って、今はYoutubeという便利なWebメディアがあるからして、詰まったらWalkthroughを検索すれば済む。数カ所ばかりお世話になったものの、ほとんどは自力でクリアできた。
最終面の辺りで、主人公が都会から追放されてしまった経緯がはっきりし、ガールフレンドとも再会できる。オチはなんだか、続篇があるのかな?という印象も持たせるが…。機械の妖精さんがなんとかしてくれたのだろう。きっと。
お次はSamorost2を遊んでみるとしよう。
なお、Flash形式のゲームである本作はWindows 7環境では少々問題があるようだ。設定で「ハードウェアアクセラレーションを有効化」のチェックを外しておかないと、起動時にアニメーションが停止してしまう。
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