剣戟戦闘システム行き着くところ、ボタン連打のアクション性である。Xbox360コントローラでのプレイが簡単だと思う。LBで標的を固定し、X,X,X,Yといったコンボ風な連打をする。時々Aボタンの前転と左スティックで間合いを調整しながら、Bによるサインも活用して、ひたすら連打を繰り返す。
RTでパリーができる。パリーしてカウンターという手もあるが、相手が一人というのでない限り、あまり使わない方がよいだろう。
難易度EASYであれば、このBatman: Arkham Asylum譲りのアクションもそれなりに面白い。
問題点として、カメラの挙動が好ましくない。一応、平時よりも視野が若干拡がるようなのだが、立木や柱などが視線を遮ってしまう。本来ならば、カメラ方向からはこうした障害物は透明化されなくてはなるまい。更に、Xbox360コントローラ操作時のBatmanのような「広い俯瞰視点」に変化してくれる事がない。ゆえに、プレイヤーが視界外の敵を認識できず、背中から一撃を喰らってしまうという事もよく起きる。
拳闘酒場の拳闘試合や、イベントシーンで使われる。前作と異なり、QTE(クイック・タイム・イベント)になってしまった。剣戟と同じシステムだと、そのままBatmanになってしまうからだろうか。とにかく、画面の表示通りに、タイミング良く、A,B,X,Yボタンを押せばよい。難しすぎる場合には、Option画面を開いて、Difficult QTEからチェックを外す。これで非常に楽になる。ただし、楽にしてしまうと、「QTEとは、そもそも面白いシステムなのだろうか」と疑問が湧かずにおれない。
ダイスゲームダイスの出目で行うポーカーである。前作にもあった。インターフェースの不備だろう、YES/NO表示が一部表示されない。おそらく、最初は誰もが訳も分からず“You Lose”となるのではないか。相手がRaiseしてきたら、必ずAボタンで応じること。そうすれば、即負けは免れる。RerollしたいダイスはXボタンで選択。右スティックで物理エンジンの利いたダイスを放り投げられる(この操作はマウスの方がやりやすい)。盤の外に転がると駄目であるようだ。
Meditation戦闘時以外は、どこでも行えるようになった。Meditation(瞑想)画面には、Character、Meditation、Alchemy、Drink Potionの4メニューがある。
Character(スキルポイント割り振り)は、Dragons Age 2によく似た外見のスキルツリーにポイントを費やして、ゲラルトの能力を永続的にブーストさせる行為。振り直しは出来ない模様。
Meditation(時間送り)は、ゲラルトが睡眠を取った事にして、夜を朝にするといった、時間を進める行為。前作は焚き火のある場所でしか行えなかったので、「時間を進める」べく、マップの特定の場所へ移動せねばならず、面倒だった。したがって、改善されたと言っていい。
Alchemy(アルケミー)は、薬草や鉱物といったIngredientsを調合して、ウィッチャーの秘薬を作成する行為。爆弾や罠、オイルなども作成できるが、いずれもFormulaが必要。こうした秘薬はヘルスの再生を促進したり、アーマーを割り増ししたりと、戦闘を有利に出来る。
マウス+キーボードとXbox360コントローラの両方に対応させている弊害か、インターフェースの出来が宜しくない。どうしてもAボタンを押す回数が増える。インターフェースの問題はInventoryにおいて顕著で、誰にでも判りやすい、いわゆる“ユニバーサル・デザイン”とはほど遠い。Xbox360コントローラで実際に試した人なら、ほぼ間違いなく、その使いにくさを感じるのではないか。
Drink Potion(ポーションを飲む)は、前述の秘薬を服用する行為。副作用により、一度に3つまでしか利用できない。設定上、ウィッチャー以外には毒性が強いものとして役に立たない事になっている。今作は戦闘中の服用を許していない。秘薬の効能は一時的なものであり、服用後、画面上部中央に残り時間が表示される。
地形前作と比較して、こぢんまりしたレベルデザインになったようだ。その代わり、上下方向の拡がりが採用されていて、階段状の地形を乗り降りする箇所がいくつもある。ただし、今作の三人称視点は視野角が狭い。前作のような三段階の視点は採用されていない。うろうろしても、あまり土地勘を養う作りではないように思う。つまり、道がわからず、どの方向へ進めば思った場所へ出る事ができるだろうか、と迷う。
目的地は右上のミニマップで明示されるが、表示範囲が狭く、全体を認識するには別途マップ画面を開かないとならない。このローカルマップもよい出来とは言えず、閉じた際のズーム率や表示範囲を記憶してくれることがない。前作のように明快な「通り道」がハッキリと伝わってこない。
崖から落下しないように、見えない障壁がある。弊害として、小さい段差の上から飛び降りる事ができない。背丈ほどの段差にはアイコンが表示され、Xボタンを押すとゲラルトが登り(もしく降り)のモーションをする。梯子も同様だ。平地ばかりでない事は大きな特色だが、高低のある移動経路をいちいちボタンで往来する行為は、アクション性から言うとマイナスに写る。ボタンを押す事なく、平地の移動から動作が自然に引き継がれて上り下り出来るのが望ましい。
扉屋外と屋内はレベルデザインで分割されているようだ。扉を境にごく短いロードが発生し、一瞬画面が暗転する。興味深いことに、NPCは扉を一人ずつしかくぐれない。順番待ちをしている様子は微笑ましい。屋外へ出る際、扉を閉めた直後、閉まる扉にカメラが(おそらく)衝突判定を受けて、視点がグルッと半回りする。このカメラの挙動は見苦しい。
モブNPCはAIを有しており、前作と似たような反応を示す。例えば、ソードを抜き身でいれば、警戒したり怖がったり。子供から大人まで、老若男女が再現されており、前作同様の濃厚な中世風田舎生活を見ることが出来る。
「どうして剣を二本持ってるの? すぐ失くしちゃうから?」などと訊いてくる糞ガキ、もとい、お子達は和ませてくれる。ただ、NPCが発するセリフのバリエーションは大して多くなく、頻繁に同じ事を何度も言っている。
セリフとモーションが一致しない例も多い。「うわぁ、ミュータントが俺を襲おうとしてる!」と叫ぶ村人は逃げるそぶりすらなく、壁にもたれたままだ。ベッドで熟睡中の相手に会話を促すと、頭をピクリとも動かさず、平時の挨拶が返ってきたりもする。
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