を紹介するぞ! 君は、"Uplink"のエージェントだ。有名企業から依頼を受けて、ライバル会社のコンピュータに侵入し、妨害工作やデータの窃盗を働く。見つからずに成し遂げれば、報酬を得て、機材をアップグレードし、地位を高めていけるだろう。だが、もし失敗すれば、犯罪の記録が残り、いずれは身が危険にさらされるかもしれない……。
近未来のサイバー犯罪をテーマにしたゲームだ。エージェントの素行は、ニューロマンサー・レートで表される(善人寄りか、悪人寄りかの指標だ)。さすがに義体化まではしていないだろうけど。※「ニューロマンサー」とは1984年に出版されたウィリアム・ギブスンのSF小説。「義体化」とは、攻殻機動隊の草薙素子のように体をサイボーグ化してしまうこと。
画面は驚くほど簡素で、ハッカーのパソコン画面そのものになっている。今はグラフィカルUI全盛の時代だから、ハッカーとはいえ、近未来がUNIXベースのテキスト画面ばかりなのは、ちょっと古めかしいかもしれない。むしろ、80年代の緑画面、IBM PCに似たイメージだ。
ハッカーの仕事はとても簡単。在宅で高額報酬!! 主婦の貴女にオススメ。基本は、逃げるまでの時間稼ぎに経路を複雑にすること。そして、必要なソフトウェアをちゃんとアップグレードさせておくこと。では、実際にやってみよう。
まずはUplinkに登録する。Uplinkはフリーランスのエージェントを世界中に抱える、”その道”のサイバー企業だ。匿名の依頼者からの仕事を斡旋してくれる。必要なクレジットやゲートウェイコンピュータまで貸与してくれる頼もしい存在。
「エージェント・プロファイルの作成:Uplinkコーポレーションでは、これ以上の個人情報を必要としません。貴方が従事する非合法な活動において、当社は一切の関与を否定するものとします。貴方は実在のアドレスが記録されない限りにおいて、逮捕される事はありません。」
ローカルのゲートウェイを申請する。開発元がイギリスだけあって、地図の中央にあるのはロンドン。北米が西に追いやられている。日本は極東のままだ。
「Uplinkコーポレーションは全世界に支部があります。一番近いロケーションをゲートウェイとして選んで下さい。そのロケーションにダイアルすれば、Uplinkが利用できます」
つまり、ホームコンピュータから、モデムでダイアルアップ接続するのだ。なんとなく懐かしい感じ。きっと、未来では、全世界規模で光ファイバー化100%なんだろう。
「貴方の行為が当ゲートウェイまで追跡された場合、Uplinkコーポレーションは貴方との関与を全否定し、当該アカウントを破棄いたします。したがって、貴方のゲートウェイ・コンピュータは使えなくなります。なお、ゲートウェイ・コンピュータの貸与は、ひと月300クレジットです」
「UPLINKオペレーション・システムのダウンロード中。マルチタスキング・パッケージをダウンロード中」
「UPLINKオペレーション・システムはゲートウェイで使用可能になりました」
「当ゲートウェイ・コンピュータは、貴方のユーザーネームとパスワードでのみ利用可能です。ホームコンピュータでUplinkを開始すると、次回からは自動的に当ゲートウェイに接続されます」
ここでチュートリアルをやって基礎を学ぶわけだが、今回はパスして実際のハッキングをお見せしよう。まず、Uplink Internal Services Systemにアクセス。
Known Access Codesをクリックすれば、自動で入力される。”Proceed”を押す
Mission listを選択。下にスクロールして、手頃なミッションを見つける。まだ駆け出しなので、difficultyが2のものがいい。”Contact”を押す。
先方とチャットができるので、いろいろ聞いてみる(質問内容のボタンを押す)。
「標的は誰だ?」
「今は教えられない」
「もっとカネが欲しい」
「では、あなたの名声に免じて、2310クレジットで」
「もっとカネが欲しい」
「あの額で納得済みのはず」
「標的のセキュリティーは?」
「低い」
そろそろ、承諾という事で、”OK, agreed.”を押す。
先方からメールが来る。侵入先のIPアドレス、目標のファイル名、ファイルをどうしたいのか、が書かれている。
ターゲットのコンピュータ:クリスタル・システムズ・インターナル・サービス・マシン
ファイルネーム:Cry-data-63386
ファイルサイズ:2ギガクアッド
単位がクアッドという事にお気づきだろうか? ペタバイトでもないわけで、量子コンピュータとはいかないまでも、近未来では何か根源的な変化がもたらされているようだ。
Crystal Systems Internal Services Machineまで、経路を設定する。
接続できるIPを全部経由して、最後にCrystal Systems Internal Services Machineに到達すればいい。最後に”Connect”を押す。
Crystal Systemsのログイン画面が出た。Trace_Tracker v3.0を起動。
Password_Breaker v1.0を起動。
管理者レベルのパスワードを解析中。右下のTrace_Trackerの表示に注意。経路を逆に辿られて、こちらのIPがまるわかりになるまで、あと74秒しかない!
パスワードがわかったので、すぐにログイン。File Serverにアクセス。あと51秒。
依頼者のメールによれば、ファイル名は”Cry-data-63386”だ。これをコピーして、メールに添付して返信すればいい。その為には、File_Copier v1.0を起動して、ファイルをダウンロードさせる。あと37秒。
ハリウッドの映画みたい。「カモーン、カモーン」はやく、はやく!!
ダウンロードが終わったら、それをローカルのMemory Banksにコピーする。すぐに右上の”Disconnect”を押さないと! こっちのIPが丸見えになっちゃうよ! (画像は押した後)
依頼者に返信。”Reply”を押す。”File: None attached”を押して、左に表示される”Cry-data-63386”を選ぶ。”Send”を押す。
すぐに通知が来て、依頼主から入金があった。
「このメールは自動返信です。Replyしないでください」
こうした任務を繰り返していき、エージェントのランクを成長させていくのだ。クレジットが増えたら、ゲートウェイのハードウェアをアップグレードできる。ソフトウェアには、まだいろいろなものがあるので、高度化していく任務に応じて使うことになる。
反社会的なハッカーになるかどうかは、どんな任務を請け負うかで決まってくるようだ。任務には、銀行のクラック、ライバルをハックして牢獄送りにする、株式市場を崩壊させる、などがあるという。時には、危険なコンピュータウィルスが拡がるのを食い止めたりするそうだ。プレイヤーが任務を取捨選択することで、用意されたプロットが進むわけなので、『自由度の高いゲーム』と言えるだろう。
Introversion SoftwareがUplinkをディベロップしていたのは今を遡ること9年前。2001年6月にはベータテスターを募集している。同年9月末にはめでたく発売された。かなり古いゲームだ。それでも、きちんとWindows 7上で動作するし、1920*1080の解像度も適用できる……文字が小さくなりすぎて、プレイには不向きだが。
プレイヤーがゲーム画面で、初めてエージェントとしてレジストする日付について、面白い逸話がある。「2010年3月24日」が、その日付だが、もはや過去になってしまっている。3月24日は、リードデザイナーのChris Delay氏の誕生日で、当時は10年後の未来として設定した。今や、時代の方がゲームを追い抜いてしまったのだから、感慨深い。Chris氏は今年31歳になった。Introversion SoftwareとUplinkは満10歳というわけである。
架空のUplinkゲートウェイシステムは、さしずめAmazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)を先取りしたような感じだ。先見の明?
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未だに安かったのでGreen ManでUplink購入しました。
英語は大変ですけど、Hacker Evolutionよりは読み解きやすいのでこれは遊べそうです。時間の制約がスリリングですよね。
字の小ささにめげずにクリア目指したいと思います!