Cobweb of にーしか

モデリング、海外ドラマ感想、洋ゲーRPG

Hypeというマーケットコントロールと売り逃げ

アーマードコア6の序盤チュートリアルに、あのような面倒くさいボスが登場するのは、ある種の炎上商法を狙ってだと思われます。

善意の開発者(がいたとするなら)としては、あのヘリを突破するとトレーニングモードがありますし、一通りの基礎事項を教わることができますから、買ってくれた人たちのわくわくを盛り上げるための、あくまで軽いジャブとして用意したものだったはず。

それなのに、処理が面倒くさい難敵になったのは、ひとつは調整不足――追いすがるとエリア外になってプレイヤーの攻撃が届かない――もあるのでしょうが、おそらく狙って必要以上に硬くしたり、タフにしたり、常時撃ってくる状態にしたのでしょう。

特にsteamでマニュアルすら与えられていない初心者は、ブレードの二回斬りも知らないし、マガジンの再装填も知らないし、スタッガーがなんであるかすら、ゲーム内の序盤“チュートリアル”では説明がないのです。これはちょっと問題でしょう。不親切極まりないのですから。

しかし、このおかげで、SNSで話題になり、トレンドのキーワードになったのですから、マーケッターとしてはウハウハです。まさに読み通り。もはや、こうした商法で売り切るしかない、そういう世知辛い世の中なんでしょうね。高額のガチャで一人一人から搾り取る商法となんら変わりないです。

いいゲームを作れば、その内容に応じた良い評判で売れる、こういう考えの営業はもう死滅したのでしょう。今は、いかにして評判を生むか、そして、時流に乗って売りまくるか。それしかないのです。浅ましいですね。そもそも開発にさしたるカネや時間を割くことを許してくれない業界では、瞬間的な勢いで売り逃げることを前提としたコンテンツしか用意できません。

ステージの多様性や数、カスタマイズの豊富さは、要する開発期間や費用から逆算すれば損でしかありません。その無理な要求を満たす仕様はといえば、あのような計算されたボスに対応するためのパズルピースという解法になるわけですね。難敵のボスと戦闘前チェックポイントのおかげで何度でも手合わせできる、戦闘マニアには堪らない仕様です。

面白さや楽しさが備わったプレイフィールであれば幸いですが、往々にして、この手の横着したコンテンツには相応の犠牲が伴います。ダークソウルのような死にゲーの分野は、省力化された開発面でも成功できる数少ないレアコンテンツだったことから濫用されました。世間がこれをよしとすれば、大成功。そうでなければ、単に売り逃げるだけです。そもそも大して投資していないので、傷は浅くて済みますし、マーケターとしては作戦通りです。風評が悪く出るようなら、将来的な客は寄りつかなくなるかもしれませんが、どうせ次は無いのですから、関係ありません。また違うIPを食い潰せばいいだけです。

そうしたマーケットコントロールができるように、インフルエンサーに事前にゲームをプレイして貰ったり、プリビューをしてもらったり、宣伝に関与した行為の比重(予算)が高くなっていくわけです。本末転倒と言いますか、嘆かわしいところでありましょう。あるゲームの熱狂的なファンでいられるか、それとも“信者”でいるのか、そして利用されてしまうのかどうか、これらをリテラシーとして考えると、相当に複雑怪奇な社会工学と関連していることに気が付かずにはおれません。

「たかがゲーム」では、済まされない市場原理に支配されているのです。それは、もはや株式や金融商品と同じです。
関連記事
スポンサーサイト



[ 2023/08/26 06:51 ] 考察 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
カレンダー
02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
月別アーカイブ
全記事表示リンク