二周目を開始して、はたと気がつく。あの面白さは初見だからこそだな、と。
収集要素が面倒くさい無理にやる必要はないのだが、なにか有益なもの(エッセンス、通貨)が入手できるかもしれないし……という思いで、ついついマップでアイコンの有無(メインストーリーの途中でマップ上に表示できるようになる)を確かめてしまう。実は、進行をかなり妨げるので、実績解除を狙わないのであれば、無視した方がよさげ。
手強い小競り合いが多くなると面倒くさいアクションゲームだから、雑魚を倒すことが得意で楽しくなっていなければいけない。しかし、カジュアル勢にはちと不向きなゲーム性だ。格上の雑魚はコンボの最終段で無敵ハメを狙ってくるわけなので、適当に捌いているだけでは数で押されて敢え無く床ペロする。戦略と段取り、パターンの見極めでもって、対処していくのがスマートなんだろう。ところが、それを自習していく工程がもう面倒くさい――ゆえにカジュアル勢なワケなんだが。2周目は「ちょっとばかり歯応えのあるようにしておいたから」というオプションをくれるので、余計面倒くさい。さりとて、これをオフにしてしまうとあっけない。自分に丁度いい塩梅がないところが悩ましい。
謎解きパズルが少ないこのゲームにおけるパズルの屁理屈が分かってくると、後半はヒントなしで分かるようになった。あの程度なら、もっとパズルのバリエーションと数があってもよい。むかーしのトゥームレイダーくらいに。
結局、ムービーシーンのゲームだった物語は鬱展開であることを除けば魅力的なのだが、イベントムービーで主人公の大技が決まったりする。ヒューマンドラマとしては深く、映画並でもあるが、ゲームというメディアの特徴である「体験をする」という要素は、ほぼムービーに持って行かれてしまう。結末やその過程にプレイヤーが介入できる余地もない。ストーリーは決まり切ったただひとつを視聴するだけだ。
RPG要素はあるが、そこに意味は無いそもそも、イベントムービーとソウルライクのアクションゲーム――変化しない物語と無為な成長なのである。そこにあるのは、プレイヤースキル偏重での愉しませ方でしかなく、アクションゲームが苦手な人、TESシリーズのような大作RPGが好みな人、純粋にアドベンチャーゲームを望む人、などには荷が勝ちすぎるはず。ゲーム序盤~中盤での一方的な幻想は最終的にひっくり返されてしまう。
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