Cobweb of にーしか

モデリング、海外ドラマ感想、洋ゲーRPG

ピカード第3シーズン最終話

最終回。さぁ、死亡フラグ回なのでしょうか?

どういうわけか、「前回までは」の最後のEngageがMake it so.に置き換わっていました。今回の劇中でもEngageが出てくるため、かな?

ボーグクイーンは前シリーズでの女優さんが逝ってしまわれたため、違う方のはず。変成メイクのせいで、まるで分かりません。

アグネス・ジュラティのボーグ集合体への影響は既にあった(毒を盛られたという表現がされてました)ことになっているようで、もう切り札ではないことが早々に明かされます。

存在感の薄くなってしまったセブン=ラフィ組。コックがパイロットなのはいいんですけど。年齢は? 25歳より上でないとダメなんでしょ?

格闘技に長けたボーグ個体(アジア系)はおかしいと思います。ボーグユニットの動きはもっさりしていて、変調シールドでフェイザーを止めるくらいが主たる働きだったはず。

フェイザーを持ってきていないライカー。敵地に乗り込むのに、武装してないってどういうことなの?

ビバリーの武器制御で危機を脱する――20年の蓄積でもいいけど。トロイがやるとどうせ壊すしな。

直感で「出来る!」というデータ。これは興味深い。かつてのヴァルカンのスポックと重なる。

スペースドックが最後の砦ってのも妙。惑星防衛システムがあったはずじゃ。

セカイ系になってしまった同窓会TNGことピカード。息子を救うことが宇宙艦隊、ひいては惑星連邦、全宇宙を救う。

ヴァーディクと改造された可変種とは何だったのか……ただの前置き。

スターウォーズのX-Wingトレンチと化したボーグキューブに、データの悪乗り。我々は、一体ぜんたい、なんていうショーを視聴していたというのか? これはディズニー+なのか? そういえば、マンダロリアン最新シーズン最終回を視聴しました。ウィッチャー:ワイルドハント(ゲーム)にも似た締め方。一匹狼は我が家と弟子を所有し、定職も得ましたとさ(いないのは嫁くらい)。めでたしめでたし。

あぁ、ボーグ集合体がオタクにとっての共同体みたいな描かれ方になってるやつだね。これはスタートレック:ディスカバリーの第3シーズンの引きこもり(銀河中からダイリチウム・クリスタルが謎の爆発事故を起こした原因)と同じ。

この手のメタファー、いい加減止めて欲しいわ。旧エヴァ劇場版と同じで、視てる方は怒り(若い場合)か溜息(老成してる場合)しか出ない。時代はもはやフリー・ガイ以降なんだよね。レディ・プレイヤー1は古いのさ! 

「私が主役、○○で何が悪い!(○○にはオタクとかゲイとかモブとかこれまで否定的に使われていたテーマが入る)世の中、楽しんだもの勝ち!」これなのよ。

おまけに言えば、ライアン・ジョンソン監督のSWもそう。

Rose Tico: That’s how we’re gonna win. Not fighting what we hate, saving what we love!

意訳:勝利したいなら、憎い敵ではなく、愛するものを救うことを考えて。

これは今回いみじくもセブンがパクりました。でも、セブンが鼓舞するのは自己犠牲的な特攻精神なわけで、これは頂けませんね。ローズが止めたかったやつですから。要するに「オレがやらねば誰がやる」なんだけど、英雄につきものの精神(生きて帰らない場合がある)で使いどころ注意ですわ。使っていいのはキャシャーンと悟空くらい。エンタメだと特に命が大安売りされるので。ピカードでは温故知新なのか、Redshirt=使い捨ての精神らしいから!

「ボーグ集合体の意識の中で、ジャックと対面するピカード」の場面における別の、もっと一般的な見方:

フツーのリア充や大学生にとっては、新興宗教に絡め取られて洗脳されちゃったパターン、みたいなもんか。あるいはタイムリーなら、シン・仮面ライダーのショッカー?(なお、シン仮面は未見なので、ここでは言及しない)

なんというべきか……テーマの低年齢化を感じる。TNGは世代を超えて通用する普遍的な話題を扱っていたものだが、ピカードのシリーズは若者にお仕着せの色付き眼鏡を配るようなもの。今の若い人は、たぶん、こういった旧態依然の捉え方をしないし、危機管理能力のほうは大人が心配するほど酷くない。だから、メタファーとしては不十分で、その役回りを体現できていない。

新興宗教(カルト)勧誘や脱会の問題なら、個別案件でもっとドキュメンタリーチックなものでないと、まるで参考にならない。それくらいリアルは深刻だろうに。

つまり、属すべき家族こそスターフリートだった、というかつての(ハーフ・ヴァルカンの)スポックみたいな帰属意識や承認欲求(人生の意義)を、ボーグ集合体というエセ家族で満たしてしまう可能性・危険性を、ジャック・ピカードの例で披露している、と解釈できる。これは現代的には、新興宗教に入信してしまう若い人の心理と置き換えて見ることができる。

ジャン=リュック・ピカードは、誤った帰属意識を持ってしまった息子に、父親という立場から、真の家族とは何かを訴えて脱会を促しているわけだ。

これまでになかった視点だし、セブン・オブ・ナインも、ユニマトリックス・ゼロの危険性を「安住しかねない危険な帰属意識」としては示さなかった。なぜなら、そもそもボーグの同化が強力であることは必至だったから。集合体に属すると個ではなくなる、という説明で十分で、不穏当な組織に取り込まれた個人というメタファーでボーグを捉える意義がほぼなかった。ボーグは集合的無意識と意識の心理学的比喩であったり、全体主義と個人、調和を乱す側としての反社会的思想の個人、といったものの原型に思えた。

だから、どうしてもメタファーにしなければならないとするならば、せいぜい、主義の反する共産圏思想か、信教の違い、搾取するブラック企業といった、何らかの差異に基づく置き換えで済んでいた。それが今や、カルトの社会問題が大きく降りかかっている時期であるから、身近で有害な思想の集団という見方ができるようになった……ここに、近視眼的な時代の変遷を感じてしまう。

ところが、このジャン=リュック・ピカードが父親として頑張る役目、TNG「宇宙孤児ジョノ」で既に見事にやられている。

一方で、ジャン=リュックにおけるTNGボーグの意味は、トラウマからの快復や、より大きな権力に蹂躙された個人の再生であろう。ボーグクイーンはジャン=リュックの自我を縛り、一切の自由意志を奪って、かつての兄弟団・同胞への仇なす行為を強制させた。当時なら、勧誘されたカルトへの入信よりも、不本意な戦争に加担させられた一兵士としてのメタファーの方に分がある。いうなれば、「ランボー」1作目の背景だ。

つまり、もうまるでメタファーの質が違うのだ。スタートレック:ピカードはどちらかというと初歩的な、単純な関係性の中での話題からしか描けていない。だから家族の問題から銀河の一大事に波及してしまうセカイ系なのだ。かつてのTNGはラノベに落ちてしまった。

子供(息子ジャック)の存在が、父(子供が苦手なジャン=リュック)の有り様を変えた、という面には心を打つものがあるが、老いた父には遅すぎた。むしろ、あの年齢であれば、認知されていない息子という意味で描かれるべきドラマだ。そうであるなら、ジャックの反抗心は当然で、帰属意識の描きようもあんなに表面的で単純なものにはならない。息子には息子の生き様と存在理由があるはずで、ボーグに染まるようなことは起きないか、もっと複雑な事情でのみ生じる難問になるだろう。遺伝から生じた脳のボーグコード送信機能で済むような、単純で安っぽい物語じゃない。

   -- * --

愛の力があれば、転送座標は要らない。イムザディーの底力ではあるが……残念ながら安っぽくて三流だ。いつから、スタートレックはハーレクインロマンスになってしまったのか。

エンタープライズDが頭上に到着。これ、まんまスターウォーズだよね。ディアナじゃなくて、エピVのレイアだろ。誰がSWにしろって言ったんだ?

何もせずに炎に焼かれるクイーン。クイーンが死ねば、ボーグドローンは人間に戻る。えっ? 遺伝子にボーグコードが入ったんでしょ? クイーン関係なくない? 引くわ。冷めた。画面の中の登場人物がハッピーに見えれば見えるほど、シラケた。なんや、それ。

最終話60分あるうち、なんと40分で、もう事件が解決されちゃう。残り20分、何に使う気なの?

いやまぁ、その後は…… ジャックの待遇に関しては、ある意味、ウェスリー・クラッシャーのそれよりタチが悪い。ご都合主義なんて生易しいものじゃないね。一体どれだけの忖度が――カーク、スポック、マッコイのトリオが懐かしいゼ。セブン・オブ・ナインが何を言ったかなんてのは、ローワーデッキですらやりそうもないネタ。悪ノリも甚だしい。

どうせなら、ジョーディの奥さん見せてくれよ。リア・ブラームスなのかどうか。ウォーフだって結婚していたっておかしくない。個人主催の飲み会なら、トロイ夫妻に限らず、配偶者同伴でも不思議はないんだから。

……いやもう、実にくだらない。酷いストーリー。なにこの勧善懲悪、めでたしめでたし。今のファンが見たいのってこんなものなの? かつて新スタートレックと言われていた元ネタがベースになっていたなんて、全く信じられない。制作者全員切腹モン。 

こんな続編なら、なくて良かった。潮に乗る必要はなかった。パトリックも頑として断ればよかったんだよ。こんなになるくらいなら。大いなる失望。もうダメだ。

スターのようにファンも味方してくれるのか? 私はできない。家族向けの会だから、厳しいことは言われず、受け入れられる、みたいな空気だな。どれだけの人が正当な評価をしたいと思うか。懐かしさで済む人が羨ましい。

最後、ポーカーテーブルを俯瞰するショットは、いっそのことロングまで長回しで引いて、周囲がスタジオセットだと分かればいいのに、と思った。それくらい“作り物”めいている。

まだやるのか。ハイハイ、若者に媚々――老人がお節介にも若者を主軸に据えたテーマでぶちたがっている、ハイカラに見せたくて仕方の無い、どうしようもない活劇でしたが、諸事情により云々――のお話でしたね。今の若者は見向きもしなさそうだけど。素直に、TNGで育ってきたオッサン(オバサン)向けに、そして、そのオッサン(オバサン)が持ったであろう所帯で一緒に視聴できる内容でやればよかったんだよ。変にアクションドラマを気取らずに。
関連記事
スポンサーサイト



[ 2023/04/23 23:46 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
カレンダー
02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
月別アーカイブ
全記事表示リンク