第7話を先に見てしまったせいで、たいしたことの無いエピソードでした。劇的に動く回ではあるのですが、第1シーズン10話の内であることを考えると、展開としては遅すぎて微妙です。第7話も加味すると、大枠としてはほとんど進んでいません。
手掛かりに次ぐ手掛かりを追いつつも、何も判明しないという空回りばかりです。
ソージはますますレプリカント然としてしまって、TNGの人間になりたがるアンドロイドではなく、P.K.ディック的な「自分は模造品かもしれない」という猜疑心の塊になってしまいました。
ジャルマクという儀式が出てくるのですが、まるで回復記憶療法(催眠セラピー)ですね。偽の記憶を作ってしまうということはないようですが。
人間ドラマとしては、リオス船長が珍しく活躍しました。アグネス・ジュラティといい雰囲気になったり、ラフィーを気に掛けたりしています。
ラフィーは特に気の毒な境遇で、前回で息子から捨てられ、旧友からは、今回、ピカードの為に信任を取り付けたが為に、絶交を言い渡されます。麻薬中毒者の描写がそれとなく利いてました。
――ボーグに同化された人々は犠牲者であり、もうモンスターでは無い。ピカードやセブン・オブ・ナインと同様に、人間性を外見からも取り戻そうと施術を受けている。
ここは特筆すべき視点ではありますね。ただし、トロくさい展開と薄っぺらい人物造形、それに既に視聴者に情報をバラしてしまっている神視点演出と相まって、まるでパンチがありません。もう知ってる、と。この辺の情報を開示していくタイミングのコントロールがもっと緻密であれば、回が進む毎に驚きを持って歓迎されたでしょうに。
とりもなおさず、構成がダメダメです。
ミステリっぽい謎としては:
――ブルース・マドックスは双子だけを造ったはず。にもかかわらず、ジャット・ヴァッシュはアンドロイドの仲間がいると確信している(そいつらが世界に破滅をもたらすと信じているらしい)。だから、ソージの故郷を知りたがった。
――第7話でウィル&ディアナ夫妻の娘が、なんとかいう船長に連絡をつけて、問題の故郷が数字だけの惑星(ロシアの街みたい)と判明。
残り3話でそれなりのオチがつくとは、ちょっと思えませんねぇ。壮大なクリフハンガーで第2シーズンへ続くのでしょうかね?
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