Amazonプライムで3話まで見ました。サスペンスタッチですが、いまだに背景説明に終始していて、まるで展開しませんね。ようやく、ピカードを引き立てる新顔――視聴者にとって――が揃って冒険が始まるところ。
神視点による描写で、ピカード達が推理しているであろう敵役については、視聴者は既に見て知っていることになります。しかし、全貌は伏せられたまま。
※以下ネタバレ
老いたピカードは、ベバリーもライカーもウォーフもジョーディーも頼らず、ラフィーという耳慣れない女性士官を当てにします。しかし、ここまでの過程が長い。3話でまだ動かず。
スタートレック:ディスカバリー第2シーズンでAIの反乱が描かれているわけで、その続篇か、少なくとも根底のアイデアは受け継いでいるとみていいでしょう。TNGにはもともとデータ少佐という倫理的で善良なアンドロイドの存在がありますから、近年のAI反乱モノに対するアンチテーゼとなります。
そこに、我らがピカードが常に貫いてきた人道主義の価値観が被さり、現代的な排斥によって理想が失われてしまった宇宙艦隊との対比が映し出されます。911以降のアメリカや世界であるわけですね。
現実で理想を貫くのはなかなか難しいものです。これまでは24世紀の理想社会ゆえの、机上の空論と優秀な登場人物のおかげで全て解決してきたわけですが、今の老いたピカードには限られた人材しかいません。理想社会はほころびが目立ち、タルシアーらしき裏の顔に牛耳られつつあります。どこかの政権のように、腐敗しかけた民主主義を見ているようですね。
D型、E型エンタープライズといった旗艦ももはや登場できません。提督になったピカードは14年前に宇宙艦隊への抗議の意味も込めて退官してしまいました。またもや惑星連邦“ゲリラ部隊”に逆戻りしたわけです。
タルシアーよりも中国人俳優の台頭が目立ちますね。出資絡みでしょうか。もともと、スタートレックの舞台はグローバルありきでしたが、スタートレック:ディスカバリーと同様に白人以外の俳優に目立つ美味しい役どころが与えられているようです。
ロミュランの伝承によって、世界の破壊者とみなされるデータの娘。秘密組織ジャット・ヴァッシュはロミュランのブギーマンといったところでしょうか。
あのブルース・マドックスが、いわば神経幹細胞の伝で、データのニューロネットを有機体ベースに再現したようだ、とワクワクさせる外挿が冒頭で出てきました。
ロミュランは超新星爆発により難民となる一方で、遺棄されたボーグキューブをサルベージしてボーグ個体の再生を図る研究者組織が登場します。
ユートピア・プラニシアのアンドロイド反乱事件によってAIが禁止された経緯になっていますが、これには裏があったことが明らかにされつつあります。
魅力的なタイムラインを徐々に詳(つまび)らかにしてくれますが、まだまだ食い足りないエピソード。今後がとても愉しみです。
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