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洋ゲーRPGや非電源ゲームを扱っていましたが、最近はblenderでモデリングです!

宇宙探査艦オーヴィル

セカンドシーズン第一話~七話まで視聴(ファーストシーズンは未視聴)。一言で表すと、非常に完成度が高い――第五話を除いて。各話ともテーマが絞ってあり、TNGのフォーマットに準ずるようでいて、もっと深くまで描く。

※以下、ネタバレ含む

俺に言わせると、第五話だけはTNG初期のエピソードを始めから終わりまで踏襲したかのようなつくりで、アイデアは興味深いものの、他に比べて問題提起が緩い(TNGそのもの)。身近な社会問題からはかなり隔たりを感じる。占星術を核に据える社会をなんの暗喩と見るかで変わるが、まさにTNGの駄エピソード並みの退屈さが出てしまった。また、アクションに振った展開からはオーヴィルらしさが出てこなかった。

さて。振り返ると、性や恋愛と社会を扱ったテーマが多い。

第二話の「ポルノ中毒」は、バークレイ大尉がホロデッキ中毒になった話(*)を連想させるが、もっと趣向が凝らしてあり、意外な展開を見せる。モクランはクリンゴンの亜流みたいなもので、独特の儀式が、同性愛や卵生といった文化的且つ生物学的相違に置き換えられている。セクシュアル・マイノリティの社会問題をフィクションの力を借りて大きく取り上げているわけだ。
* TNG第69話「倒錯のホログラム・デッキ」

ただ、後半の30名しか乗せられない局面に必死さの欠如(演出不足)を感じる。操縦士2名のシャトル一隻で30名なら、シャトルを二隻出して操縦士1名ずつ計60名を救えたのではないか。さもなければ、ジョーディーかデータだったなら、きっと名案を思いついたことだろう。

保安チーフのアララが船を離れる話もTNGと好対照だ。ターシャ・ヤーはボトルショーによって理不尽に生命を剥奪された(*)が、オーヴィルでは、父親の受容(再認識)が娘(アララ)の家族愛を呼び戻して離船に至る。アララの父親を、かつてVOYでEMHドクター役だったロバート・ピカードが演じている点も見逃せない(彼の「こんな父親で済まない」が素晴らしい)。しかも、敵役はDr.フロックスだw
* TNG第23話「悲しみの星に消えたターシャ」

第四話は、はじめてロミュランと遭遇したジョーディーが助け合って遭難ビーコンを発信するエピソード(*)を思い出す。さらにオーヴィル風の味付けで、女性問題が絡む。第一話からの伏線も効いていて、視聴者はやられたっと感じるだろう。
* TNG第55話「宿敵!ロミュラン帝国」

第六話は、データが女性に振られたエピソード(*)を連想させる。しかも、アイザックはまるでデータの仇を取ったかのように女性を振る――そして、オーヴィルではここで終わらないところが凄い。感情が無いマシーンでもクルーの一員である以上、社会性は無視できない……ということは、有機生命体と暮らす内に自然と高じた適応能力によって、人工生命体らしさは著しく失われていく――人間に近づく、のではなかろうか。とにかく、心温まる展開に脱帽。第一話に伏線があり、連続ドラマとして登場人物内の相関が進行していることを覗わせ、構成も秀逸だ。
* TNG第99話「恋のセオリー」

第七話は重い。異性愛のカミングアウトが種族的観点から死刑に値するとしたら……というifストーリー。職務に忠実な保安チーフの吐露と、法廷に立たされるモクランのカットが、後味の悪い、効果的な結びになっている(対比しての、部屋に帰ったクライデンの笑顔とボータスの思慮深い顔)。なお、TNG第117話「両性具有ジェナイ星人」とほぼ同じ結末と言える。それを考えると、TNGは時代を先取りした問題意識を持っていたことになる(映画「時計じかけのオレンジ」といった背景も無縁ではなかろう)。

第一話には恋愛を巡る様々なペーソスが織り込まれている。おそらく、オーヴィルらしさというのはこの辺にある。一方で、子育ての問題=ずる賢い他人の子供への処遇が描かれる。TNGでも家族が同乗している設定上、子供の描写がよく出てきたものだったが、教育問題ではクラッシャー少尉のアカデミー卒業式の事件を除いて、上辺しか描かれていなかった(要するに、TNGでは悪ガキが出てこない)。キャプテン・ピカードも子供には及び腰だった(反意的に描いても結局そうだった)。オーヴィルでは一歩踏み込んだ上で問題提起し、人間ドラマの主要な展開に繋げている点が素晴らしい。むしろ、矮小なエピソードで見る者を納得させる手腕に爽快感がある。
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[ 2019/09/17 23:39 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)
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