①冗長だから忌避されたGP-02のアイドルルートは二部構成で、クライマックスは第二部にある。第一部はとにかく長い。その上、物語の焦点も定まっていない。退屈な第一部の、どこが後のポイントになるのか、賢い読者でも我慢が続かないかもしれない。
アイドルルートにもかかわらず、これまでの「イベント」系列に含めず、エンパイアライフモードの日常系のノリを混ぜて、グダグダとやったことがダレる原因だ。メリハリになるどころか、何を見て欲しいのかが、まるでぼやけてしまった。
例えば、メイド毎のエピソード(真面目とノープランで外出、凜デレがスカウトされる、など)は、イベントに置く方が適していた。どうしてアイドルルートの一部にしてしまったのだろう?
ちなみに「回想モード」では、第一部の無関係な部分(各メイドのエピソード含む)がオミットされ、非常に短くなっている。この通りなら、すぐにもクライマックスが出てくるので冗長とは感じなかったろう。
②アイドルルートが毛嫌いされているカスタムオーダーメイド3D2が発売されて、「アイドルルート要らない」という感想は、俺も漏らした。理由はいくつかあるが、純真でアイドルになりたがるコ、というのは既に食傷気味であった。世はアイドルアニメ花盛りで、アイマス、ラブライブ、WUG、アイカツ、バンドリと、好きな人は嬉しい悲鳴を上げていたかもしれないが、そうでもない人は「またかよ」と冷めた目で見ていたものだ。
さらに、純真アイドル路線を「実際は娼婦に過ぎないメイド」たちが堂々と演じることは矛盾を感じさせる。映画監督が夫人を主演にするようなもので、「アイドルは処女」という大前提にも反する。CM3D2時代のただの余興設定では足りず、熱いサクセス・ストーリーが付属したことは極めて邪魔なものに見えてしまった。
加えて、シナリオの文体が受け付けなかった――地の文に感情を乗せ、話し手の心情を挿入して盛り上げる手法が採られている。これがとても空々しい。プレイヤーの意向などお構いなく、シナリオは勝手放題に“ご主人様”を動かして安っぽい純真ごっこを始めてしまうからだ! しかも、娼館を舞台に! そして構成は予定調和。すなわち、努力・友情・勝利である。これでは嫌われても仕方がない。
③他のリソースが犠牲にされたように見えるアイドルルート不要論の人は、そのリソースを「結婚イベント」や「プライベートメイドモード」にこそ、割り当てるべきだったと考えてしまう。それくらい、結婚やプライベートメイドモードがスカスカに感じられたからだ。
自らの関心の薄い分野は切り捨ててくれ、というのはワガママな意見かもしれない。しかし、もし投票でもして、過半数を上回るようなことになれば、それは一転して重視すべき意見となる。開発側は判断を誤っていないと言い切れるだろうか。
- 関連記事
-
スポンサーサイト