VRM形式が主流となりうるのならば、そのサービスは「ライブ配信者になれる!」よりも、参加できるチャットの類いを用意してやることになるのではないか。
バーチャルキャストで生配信をする行為は、素人にとってハードルが高い。素人配信者が自分の配信をどこまでお気楽に捉えているかによる。
翻って視聴者の立場では、中の人が素人でポリゴンキャラクターなら、よほどのポテンシャルを感じないかぎりは、その配信を好んで見ることはしない。声優の卵といったセミプロな配信者が強い理由である。基礎的な素養は見られる(聞ける)であろうから。プロダクション所属ともなれば、定期的な露出が期待できるため、ファンとして応援しやすい。
正反対に、等身大の“素人の”配信者を見たい――例えば、実社会で苦い体験をしている者の共有として――という場合は、ポリゴンキャラクターの殻は却って邪魔になるだろう。配信者のリアルな“人となり”は見る者の共有体験に必要だからである。
さて、サービスとして今後アリそうなものは、任天堂のMiiでやられたような、一人にひとつ(あるいは無数)のアバターではないだろうか。
自分のアバターを纏って、バーチャルライブに観客として参加する、なんてのはとっても気軽な体験だと思う。自分の付近20人くらいのアバター達と一緒に、同じ仮想空間を共有するというエクスペリエンスこそが貴重だろうと思うのだ。
VRChatというサービスはそうした体験の前哨戦だと考えることができる。■揃いつつあるエントリー機材折しもOculus Rift Sが5月21日発売予定となり、国内でもAmazonで予約受付中となった。米国399ドルのRift Sは、国内では49,800円の値付けである。国内代理店のついたHTC Viveと比較すると内外価格差はかなり抑えられている。また、Windows MR発売時の内外価格差からすれば、Rift Sは“日本円”で購入検討に値するアイテムだと言える。
肝心の性能はRift並み。眼鏡が入るスペースがゴーグル内に確保され、鼻部分からの光漏れが対策され、装着もPSVR並みになったという。Windows MRと同様にインサイドアウト方式の採用で外部カメラの設置は不要となった。つまり、手軽さではかなり進んだ。
VRヘッドセットへの描画はたいへん重い処理だから、グラフィックボードも強力なものが求められる。少し前までVR ReadyといえばGTX 1060が最低ラインだった――内実はGTX 1070が望ましい。最近は、このGTX 1060~1070クラスの置き換えとして、コストパフォーマンスの高いGeForce GTX 1660が出ている。若干割高のGTX 1660 Tiも選択肢としてはよい。今はまだレイトレーシングが主流になっていないため、高価なRTX 2060の意義はさほどない。
Oculus Rift SとGeForce GTX 1660、それにWindows 10が遜色なく動作するPCで、VRを体験できるようになる。
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