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なぜパスカルおじさんは女声なのか?(NieR:Automata)

まず、機械生命体のパスカルが男性であるという証明。それは、機械生命体の子供達が「おじちゃん、遊ぼう」と言っているから。

そして、本題。なぜパスカルおじさんは女声なのか?

正しい答えは、パスカル役・悠木碧さんインタビューの中で語られている。

これを読むまでもなく、私はゲームからこう受け取った。
「クソ親父はオネェを見習え」
これはオネェを卑下しているわけでは、絶対にない。ゲイバーに居らっしゃるオネェは、よく気の付く優れた素質を持つ聞き手、というステレオタイプのことを指しているからだ。

親父の総オネェ化現象である。

しかし、昭和の頑固親父に、この手のことを推奨して、どんな無理が生じるかは想像に難くない。

親父自身のアイデンティティー喪失に繋がるし、そうしないと周囲が受け入れないと考えるのは非常に今日的なコンプライアンスだろう。むしろ、そうしたクソ親父を周囲が受け入れるという受容にこそ、人間臭い意味があるようにも思う。

自己否定に繋がりかねない偽りが、果たして真の融和をもたらすのだろうか? パスカルは進歩的で平和推進論の勇敢な指導者だ。しかし一方で、その周囲への気遣いは、セルフスティグマの一種に見えるような気もする。

ところで、皆さんにも経験は無いだろうか? 話しかけてきた強面のオッサンが、意外と親切な紳士だったりしたことが。

中学生の頃、無理に見えるくらい、気を遣って優しい口調で話しかけてくれたオッサンのことを、私は今でも思い出せる。そして、逆に、ただモジモジしているだけの小学生の私に向かって、特に非があったわけでもないのに、恫喝して命令に従わせた、痩せ型のクソなオッサンのことを、今でも覚えている(そのオッサンは後年ガンになって死んだ。オッサンに成長した私に、役職上の頼み事をしにきたことがある。彼が昔のことを覚えていたかは、今ではもう分からない)。

有為転変は世の習い。移り変わるは浮き世の習い。今風の言い方だと、ブーメランは自分に返ってくる。

自分への戒めを考える年齢と、地球が狭くなってハラスメントや不寛容が見過ごされなくなった世の中に暮らしていることを――世間の常識が時と共に移り変わることを――よ~く理解しておかないといけない。

例えば、シン・ウルトラマンで、今のお客さんは長澤まさみに対するセクハラ描写を問題視する。作り手に、価値観のアップデートが足りていないから、という批判もある。一方で、原作由来の擁護をしてくれる理解者もいる。

世知辛い世の中なのか、それとも、本来こうあるべきなのか? オープンに議論されるということが、着実に進歩している証拠だと信じたい。
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[ 2023/03/25 01:43 ] 考察 | TB(-) | CM(0)
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