Cobweb of にーしか

モデリング、海外ドラマ感想、洋ゲーRPG

ウエストワールド第3シーズン第7話

「ソロモン」が関係した施設とケイレブの過去が暴かれ、ドロレスの革命がとうとう実行されます。

※以下ネタバレ

分裂症状態のドロレス。はたまた、一卵性双生児でも環境によって変わるというヤツか。愛情を理解したシャーロット・ヘイル(ドロレスのヴァリアント)は司令塔のドロレスに反旗を翻しました。前回、コネルズ(やはりヴァリアント)もメイヴに話を持ちかけていました。

非常に個性的な顔だちのクレメンタインが、麗しく再登場。ショーグン・ワールドからも一人(ハナリョウという名前らしい)。ちょい役だからなのか、菊地凛子ではないのが、まぁそういうことなんでしょうね。

ケイレブのフラッシュバックに登場した男女の素性が明らかになりました。女性はケイレブを担当した精神科医。男性はロシア反乱軍指導者。ケイレブは軍歴でロシア反乱軍の壊滅作戦に従事したことに“なって”いました。

前回、転送先サーバーの位置がシャーロットにより伝えられましたが、あれが老ウィリアムの「シンセティック・マーカー」のことだったようです。そういえば、老ウィリアムが療養所送りになる前にシャーロットに何か注射されてましたね。トリックのネタばらしが必要なわけは、あまりに設定依存なので分かりにくいから。血液内の物質で個人認証する近未来ですし。

標的用タグ(粉末?)による衛星からのミサイル・ロックオン。ドローンの位置情報による遠隔狙撃。第5話で外れても自動追尾するロケットも出てきました。

メキシコ、ソノラにあった施設は、アンゲロンによる「新しいシナリオ」のためのもの。遺伝子治療がほどこされ、外れ値(outliers)だった人間が「レハブアム」に貢献するようになります。そこには前身「ソロモン」のサーバーもあるのでした。ソロモンはストラテジーを編み出しすぎてアノマリーを生み出してしまったとドロレス。

※Outliersといえば、Malcolm Gladwellによる「天才! 成功する人々の法則(邦題)」という本があります。

セラック兄弟の弟はスキゾフレニアになり、弟に作られたソロモンは弟と同じように考えるそうです。そうすると、レハブアムは兄アンゲロンが改良したものということでしょうか。創造主が兄弟なら、マザーコンピュータも二つ。互いに確率や変位を計算し合うのでしょう。ドロレスも同様に、複数の対抗人格が現れました。

脚本家が女性(リザ・ジョイ)ということもあり、主人公(女性の形をした有機アンドロイドのドロレス)が男性主導型社会を変革するという構造です。だから、司るコンピュータは70年代ならば“マザー”コンピュータでしたが、ここではブラザーです。ちなみに1984ではビッグ・ブラザーでした。

Outliers、異常値、アノマリー、特異点……確かにそういった主人公達が管理社会に変革をもたらす、という物語が過去によく作られていました。はみ出し者が順応するどころか、逆に壊し屋に転じる系譜です。

ドロレスはソロモンを味方に付けることで、アンゲロンの行っている、いわば“人類補完計画”を革命しようとします。ある意味、こうあって欲しかったと感じる95年当時のエヴァ的なものが視聴者の眼前に繰り広げられていると言ってもいいでしょう。硬派なオタクであれば。庵野秀明監督による現在進行形のエヴァはまるで意味が読み解けませんから。

ソロモンによると、ケイレブは最初の被験者であるものの、退行するおそれがあると。まるで「アルジャーノンに花束を(まごころを君に)」ですね。70年代テイストをけっこう採用しているのかも。

ビッグデータをINCITE社に売ったのはデロス社の若きCEOだった頃のウィリアム。ソロモンはこの生体データで人間の矯正を行えるようになったとバナード。ロバート・フォード博士が「協定を破った」と言っていたのは、この辺のことも含めてなのかもしれませんね。

ケイレブは10%の産物。ソロモンが明かした区画にはジャン・ミ・セラックが復帰した時の為のアンゲロンのメッセージが用意されていました。他の9割の被験者は人類世界に害なす者として地下に冷凍保存されています。現在実行中のストラテジーが失敗して、人類が滅んだ際に初めて蘇ることが許される、新世界の住人なのです。

70年代の「マザー・コンピュータ」モノとの決定的な違いが出ました。選別された“はみ出し者”は遺伝子治療されて箱船に待避されています。誰も潜在能力を無駄にしない、レハブアムの計らいです。住むことを許されない世界がまだ存在する、と神は告げます。そして、ドロレスも許されない住人の一人でした。

今のケイレブは外れ値狩りをする外れ値。つまり、デッカードだったのでした。ケイレブに与えられた、ロシア反乱軍を除去した軍歴は事実ですが、反乱軍指導者拉致に関わるフランシスの死の真相は模造記憶(ねつ造)。フランシスとケイレブは、まさしくブレードランナーのコンビでした。リアム・デンプシーJrは、この記録を見たのです。

携帯端末のGTAごっこは、ケイレブらに外れ値狩りをさせるためでした。ドロレスは、ジャン・ミが除去されないストラテジー(15年前のもの)を現在に適合させて実行するよう、ソロモンに要請します。ケイレブはその指導者となる立場でした。

さて、ドロレスには敵対するメイヴが現れ、二人の最後の争いが繰り広げられようとしています。メイヴはお得意のハッキング能力でドロレスに呼びかけます。

残念ながら、ガンカタもできない女ホスト達には荷が勝ちすぎるアクションですね。黒いピチピチのコスチュームが却って悲惨さを醸し出します。これまでのように銃撃戦ならまだ良かった。殺陣やキャッツファイトはやや苦しい。さしものHBOでも、好成績なハリウッドアクションムービーのようにはいかない。それを補佐するポン刀なわけですが。まぁ、難易度は高いですよね。編集やスタントはとても巧みですが。

とはいえ、ドロレスがナイフを持った左腕を、空飛ぶ軍用車の発砲で失うシーンは凄かった。EMP(電磁パルス)で、ホスト含む電子機器を強制停止させてしまう展開もなかなか。

老ウィリアムは内なるデーモンが囁くいくつもの罪を知り、最悪の原罪を認識したと言います。それはドロレスらホストの誕生に荷担したこと。彼の贖罪はホストを根絶やしにすることだと、目の前のバナードとスタッブスに告げます。「俺を殺しておくなら、今だぞ」と。

フランシスとケイレブはストラテジーの命ずるまま大物の外れ値を拘束しますが、隠蔽のために両名とも同時に始末される運命でした。ケイレブは戦友を殺すことで生き延びますが、記憶を改ざんされてしまいます。

バナード「ドロレスは本来繊細に作られてる。だから、人類を滅ぼすとしたら、あのケイレブ・ニコルズだ。それが彼女の計画さ」

面白くなったところで、STARチャンネル配信版はここまで。最終話はコロナ禍による制作遅延で翌月末まで持ち越し。

なお、第4シーズンが予定された模様です。
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[ 2020/04/29 10:03 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)

ウエストワールド第3シーズン第6話

ヤクザの倉庫で倒れたメイヴのその後と、シャーロット・ヘイルの周囲が描かれます。

※以下ネタバレ

目を覚ましたメイヴが居る場所は「楽園」かと思いきや、それはアンゲロン・セラックがメイヴの意識にコンタクトしている証しでした。ホストの記憶は常に現在のように鮮明で、人間の記憶のように移ろいゆくことがないとアンゲロンは言います。メイヴはドロレスと相見えるのなら、同士が必要だと主張します。

老ウィリアムが収容されている療養所では集団セラピーが実施されていました。彼によると、人類はとうに神から見放されて、混沌の下僕となり、この星を急ぎ滅亡に導くことしかできないのだ、と周囲に告げます。

担当する精神科の女医の携帯端末にショートメールが届き、「レハブアム」が予測した彼女の将来が曝露されます。女医は旦那が子供を連れて出ていったことも知り、患者を置き去りにして悲嘆に暮れた末、自殺してしまうのでした。

老ウィリアムは職員がほぼいなくなってしまった施設で、二名の看護師から怪しげな検査を受けます。血液サンプルの結果が壁面ディスプレイに投影され、不明タンパク質からシンセティック・マーカーの反応が出ました。この結果はメキシコのサーバーに転送されます。そして、ウィリアムには上顎に、入れ歯を思わせるインプラントが装着されます。ケイレブにも入っていたアレです。歯磨きがえらいことになりそうなシロモノですが……

シンセティック・マーカーとは、アンゲロンによる「新しいシナリオ」で使われるものなのでしょうか?

シャーロット・ヘイル(ドロレスのヴァリアント)はINCITE社の情報漏洩(レハブアムの一件)で混乱の極みに達したさなか、デロス社の買収を防ぐ最後の議決を行使するところでした。ところが、アンゲロンに一足早く先手を打たれ、白昼堂々、役員が殺されてしまいます。実はシャーロットはアンゲロンの伏兵でもあり、二重スパイの境遇にあるのです。すり替わったシャーロットの家庭は崩壊寸前でしたが、(人間の)旦那から自分達に関する予測は知るつもりがないと聞かされ、家族愛が蘇りつつあるところでした。

電話で指示を仰いできたシャーロットに対し、司令塔のドロレスは、デロス社に戻って重要なデータを取り出すよう言います。シャーロットは、そんなことをすれば、容赦の無いアンゲロンに家族が狙われることになると切迫して伝えますが、ドロレスは「それは本物の家族ではない」と切り捨て。

シャーロット自身は「感情」に基づいた反応が残されているからそう訴えてしまったのだとし、任務遂行に障害を来す感情をどうして残したのかとドロレスに詰め寄ります。ドロレス曰く、「生存競争に勝っても感情がないのでは意味が無い」と人間らしさの本質を語ります。そう、彼女達はロボットとして革命を起こしているわけではないのです。

続けて、療養所での老ウィリアムに行われるAR治療は、珍妙な「時計仕掛けのオレンジ」でした。Argument Realityの世界ではウィリアム少年が「ローワン卿とスーロン夫人」という本を読みふけっています。※スンダ語で "Sulon"は "West"のことで、Chuck Black作の"Sir Rowan and the Camerian Conquest"が元ネタではないか、と読み解いた人が居ます。

インプラントによる鎮静効果がなく、看護師の指をかみ切った老ウィリアムが、反抗して口を大きく開いた時、上顎の裏には、前のシーンで装着されたはずのインプラントが、これっぽっちも映っていないのでした。CGで補うべき箇所を逸してしまったようですね。いわゆる「映像の不一致」は失策です。

第二次大戦下のイタリアでメイヴの同士にはせ参じたのは、またもやリー・サイズ・モアでした。現実でメイヴのボディが再プリントされるまで、シミュレーション世界でのしばしの休息というわけです。

アンゲロンはデロス社の買収を完了し、3体を複製し終わったら、ウエストワールドの全てを抹消するよう、買収した幹部に命じます。次に、復号キーの回収をシャーロットに命じます。最後に、ドロレスにつく裏切り者もあぶり出すように、と。困ったのはシャーロット・ヘイルです。彼女は二重スパイで、おまけにホストなのですから。しかし、ドロレスの指示通り、持ち前の冷血な殺し屋デス・ブリンガーの特性を露わにして、データの持ち出しに成功します。

見慣れない医師(ウエストワールドで南軍を率いていた将軍の顔)に導かれ、一室に案内された老ウィリアム。なぜか失った右手指が再生しています。ははぁ、これは全てARの世界なのでしょう。すると、先ほどのは映像の不一致ではないということですね! 部屋にはウィリアムの老若全バージョンが会しています。司会はジム・デロス(義父)その人です。彼らは既に起きたことに関して罪のなすりつけ合いを始めます。

「ウエストワールド」パークでは、保管されていたホストのある者のデータ(パール容器)が取り出されました。メイヴのかつての戦友です。

メイヴが居るシミュレーション世界に「エットーレ」が現れ、戦友のパールが接続されたことを確かめたメイヴは、例のフォースを使ってまた覚醒を促します。かつての「ヘクター」へと。

シャーロットはデロス社ビルのCEO室から、アンゲロンに命じられた復号キーを転送します。そして、送った人為DNAに含まれる遺伝子タグを検出する仕組みを利用して、転送先サーバーの正確な位置を割り出しました。それは老ウィリアムのメキシコ・サーバーです。

同時に、プリントが進行している4体にメイヴのボディが含まれていること、前回自爆したコネルズのパール容器が破損しつつも回収されていることに気が付き、ドロレスに報告します。

メイヴのシミュレーション世界では、回収されたコネルズが接続されており、それを通じてヴァリアントのドロレスと会話ができる状態がセッティングされました。

裸体のエヴァン・レイチェル・ウッドが椅子に座っている「アナルシス(自己分析モード)」シーンは久しぶりですね。長い金髪が乳房を隠しています。

一方、AR世界の老ウィリアムは、どうしてこうなったのか、義父から質問されます。少年時代の彼は酒浸りの父に虐待を受け、学校では飲んだくれの父親のことで虐めにあい、相手に大怪我をさせていました。そもそも父の飲酒癖は、彼(老ウィリアム)のせいだと少年ウィリアムから言われます。この人生の結末は「運命の乗客」であるがゆえなのか、それとも「自由意志」で決断したからなのか? 義父は問いかけてきます。悩む老ウィリアム。

「どっちか分からなくたって、関係なかろう。やるべきことなら、分かってるんだから」

メイヴは椅子のドロレスをオンライン状態にして、問いただします。全人類を作り出せるほどのデータを手に入れて、どうする気なのか、と。

「あなたの娘は逃げおおせたかもしれない。でも、私たちの状況はまるで好転していない。あなたの“仲間”から迫害を受けて。あなたは身近な者が死なないと分からないのでしょうね。だって、娘のために一命を捧げるくらいですもの。あなたは聖人になることを選ばなかった。なのに、私にはなれと言うの? あなたは悪人にもなれなかった。それは私も同じ。私たちは二人とも生き残りってことなのよ」

臨時の役員会が開かれ、シャーロットは愛する家族の元へ帰れなくなります。アンゲロンは、裏切り者=ホストがシャーロット・ヘイルであることを曝露します。本物のシャーロットは、息子のことよりもデロス社のことを優先する人物だ、と。

それでも、視聴者は死を感じた本物のシャーロットが息子に残したメッセージを見ていますから、ドロレスの一部が感化された愛情は、人間らしい、あるべきものとして感情移入してしまいます。

アンゲロンは勝ち誇って、シャーロット(ドロレスのヴァリアント)に言います。

「ドロレスは君を見殺しにした。他の者も巻き添えさ。助けは来ない。君には失望を禁じ得ないね、ヘイルなら、他者のために身を犠牲にしたりしないのに。“激しい喜びは激しい破滅を伴う”君が言う通りだな。まさか、こうなるとは思っていなかったろ?」

「そんなことないわ」

シャーロットはパースに持ち込んだ毒ガスのボンベを開栓していたのでした。人間の役員達は次々と倒れていきますが、アンゲロンは倒れません。シャーロットの銃弾にすら。彼はこれまでも時折そうだったように、高精細な立体映像の投影に過ぎなかったのです――敷地に着陸した彼は本物でしたが、役員会では立体映像を使ったのでした。

脱出を図るシャーロットは研究開発部に立ち寄り、4つの作成中ボディとコネルズのパール容器を見つけます。

シミュレーション世界での対話はまだ続いており、娘とその他大勢の安否を知る由がないのはドロレスが鍵を手放さないからだ、とメイヴ。説得のために、あなたの娘を傷つけるつもりはないけれど、信じないでしょうね、とドロレス。

メイヴは鍵を渡すように迫りますが、人類の手先と組んだ者に未来を渡すわけにはいかないとドロレスのヴァリアント(コネルズ)。しかし、そのようなことを防ぐであろうプランが用意できる上に、司令塔のドロレスとは異なる、変化の生じたドロレスが、仲間になれると言い出します。

外界のシャーロットはヘクターのパールを握りつぶし、シミュレーション世界のメイヴは束の間の愛を再確認した同士を失います。メイヴのボディが標的になった丁度その時、アンゲロンの追っ手が迫ります。

コネルズのパール容器も接続が断たれますが、壊される描写はありませんでした。

銃を発砲して警備を倒すシャーロットでしたが、とうとう捕まりそうになります。そこで出てきた奥の手が、暴動鎮圧ロボット。

AR世界の老ウィリアムは、一堂に会した、他の自分を殺害しています。

「善人だろうが悪人だろうが、結局こうなるんだから、どうだっていいことだ。俺の目的がハッキリしたよ。俺は善人なんだ」とジム・デロスに。

その時、療養所に居る老ウィリアムのARグラスを外してくれたのはバナードとスタッブスでした。

シャーロットは自宅まで逃げおおせ、息子と旦那を車に乗せます。私が守ってみせると家族に告げた瞬間、車が爆発炎上。人造ボディゆえの不屈のシャーロットは、最愛の者を失ったことを知ります。

残り2話。メイヴとドロレスの確執は決定的になり、ドロレスのヴァリアントは人間らしさを理解していき、司令塔の無慈悲なドロレスとは袂を分かつのかもしれません。そこへケイレブや新しいシナリオは人類に何を与えてくれるのか。レハブアムは再び世界に秩序を取り戻すのか。濃密な展開が続いていきそうです。
[ 2020/04/24 04:10 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)

すみません、プリズンプリンセスを買ってしまいました

衣装がものすごく扇情的な薄着で、どう考えても下着並みの室内着なんですが……二人ともプリンセスだそうです。

ゲームとしては、ポイント&クリック的なアドベンチャー&パズルで、いかにリソースを省力化するかの手本みたいな出来。(確か)5部屋を行き来しながら、パズルを解くだけで進行します。お見事、お安く作りましたね! よくできた同人ソフトってシロモノです。

進展は理詰めではなくて、例えば、プレイヤーがツンデレのプリンセスに怪力だと揶揄したら、彼女が椅子を振り回して偶然壁にぶつけたら壊れて、中から何か出てきた……みたいなノリが多いです。だから、必然によって探すという論理的な正攻法ではなくて、なんかよく分からないけど試すしかない、という感じ。使用回数のある呪文を唱えると、探せるポイントが図示されます。ぶっちゃけ、ヒントですね。

prisonprincess1.jpg

ともかく。このゲーム、意外と侮れない演出がありまして、2D画の萌えプリンセス達が「どれどれ?」とポイントした辺りを調べてくれます。ほぼ止め画なのですが――ところが、ところが。無防備なおパンツが露わになったりするのでした! いやァ、フェチシズムを分かってる人が描いてるなァ、という。スカートが固すぎないとああは見えんでしょ! だが、そこがいいw

つまりですね。ほおぅ~、こーゆー魅せ方、面白いなァと感じました。

ミニスカのメイドさんに、高いところにある「あれ、取って取って」と言うようなやつですよ。脚立に上らせたりしちゃって。

「なんのことですか? いやいや、見てないですよ!」

……こーゆーシチュエーションですね。夢が広がります。

もっとも、このゲーム中では、こういったポーズに関して、プリンセス達は全く意に介してくれませんが。そこが逆にロマンなのか、それとも、いたいけな少女だから良しとするのか、嗜好が露わになることでしょうねぇ。
[ 2020/04/23 08:20 ] 美少女ゲーム | TB(-) | CM(0)

ウエストワールド第3シーズン第5話

若かりしアンゲロン・セラック兄弟とリアム・デンプシーSrが殺害されるまでが描かれます。

※以下ネタバレ

セラック兄弟が人工の神となるべき「レハブアム」を作ったのは、彼らの故郷であるパリがなすすべなく壊滅し、この世の神が不在だったこと――神の救いが必要であること――が明らかになったためです。

セラック兄弟はノーラン兄弟自身を投影したものであってもおかしくない印象ですね。劇中ではセラック弟が死んだようですが。

リアム・デンプシーSrはINCITE社を保有しており、そのビッグデータがレハブアムの前身ソロモンに与えられたことで、リアルワールドの鏡像によるシミュレーションの確度が高まりました。

ソロモンは株式市場の推移を正確に予測し、INCITE社の500万ドルが一週間後に1億ドル足らずに膨らみます。

ソロモンが世界を監視している画面が、日食時のコロナ観測のような図であるところが興味深いですね。墨絵のように東洋的で、陰陽のように記号的で、太陽と月の重なりとして語られます。映画Arrival(邦題メッセージ)のヘプタポッドの曼荼羅を連想させます。

リアムはカネにしか興味を抱きませんでしたが、兄弟は、滅亡待ったなしの世界を革新できると希望を抱きました。

ところが、救いに向かうはずの「世界の予測」がハズレ値(out layers)の増大によって、200年後には滅亡へと通ずることが明らかになります。ソロモンを開発するほどの天才のセラック弟が、その制御不可能な要素のひとつだったからです。

P.K.ディックの少数報告にも似た、未来予測の確率の問題ですね。観測者が観測すると未来が決定してしまうという量子論とも似ています。


一方、リアム・デンプシーJrを誘拐したケイレブは、デジタル麻薬「ジャンル」に影響されて5種類のムードを味わいます。BGMがその雰囲気を視聴者にも理解させてくれるのですが、1つ目はウエストワールド第1シーズンのホスト視点を思わせるサントラ。次2つ目のワーグナー「ワルキューレの騎行」は映画「地獄の黙示録」のキルゴア中佐の場面でも流れました。3つ目の「ある愛の詩」では、ドロレスの横顔を注視してしまうケイレブ。4つ目はイギー・ポップのNightclubbing。ところで、一行が地下鉄に乗り込んだ後に乗車口の誰かを批難するように見やる演出があるので、何かカットされたのかな?

調べていて気が付いたのですが、第1シーズンで出てきたロバート・フォード博士が仕込んだとされるレヴェリーとは、つまり、DebussyのReverie(ドビュッシーの夢)だったのですね。サントラもそのまんまドビュッシーです。レヴェリーとは、ホストが自我を確立するに至る不具合の元凶でしたが。

また、興味深いのは、情報を映し出すスマート・グラス(眼鏡)の演出ですね。眼鏡の着用者は、レンズの内側に投射された文字や映像情報を、ARのように視野内で読むことが出来ます。そのため、タブレット端末に目を落とす必要がありません。

スマートグラスから発展して、ドロレスの場合は、瞳(コンタクトレンズ)に情報を映して速読しているであろう場面がでてきます。余談ながら、スタートレック:ピカードでもそっくりな瞳の演出があって、サンフランシスコにあるスターフリート・ライブラリの人工司書が同じようなことをしていました。しかも、その司書Indexを演じるMaya Eshetが出演した作品が、かの悪名高いSFドラマ「ナイトフライヤー」で、彼女が劇中で演じたCyberneticistのロミーが、まさに同じ瞳の演出でサイバー空間に繋がっている場面がありました。つまり、この演出の“発明”はナイトフライヤーが発端であるらしいことが窺えます。

さて、リアムJrの生体認証と、レハブアムがあるINCITE社ビルにいるコネルズ(コピー)を使って、ドロレスはリアルワールドの人々に“檻”の虚像を見せてやろうとします。

ケイレブ「おまえが管理するニセの希望にすがるよりも、混沌の中で生きた方が、まだ慈悲深い」

民衆は、レハブアムが予測した将来を知ります。いきなり、携帯端末に自分の機密情報が届くのです。それを読んだビジネスマン男性は、自分が他人から全く信頼されていないことを突きつけられます。ある女性は12年後に若年性アルツハイマーが発症することを知り、ある母親は幼い娘が数年の内に自殺することを報されます。

この状況、ジャコ・バン・ドルマル監督の映画「神様メール」に似ていますね。このコメディー映画では、例えば、死ぬ日時を知った若者は、まだ死なないことが分かった途端に無茶をするようになります。空からダイブなんかをやって。

セラック兄=アンゲロンは、弟の発狂を機に、遺伝子治療で人類の「外れ値」を取り除くことができるという思想に取り付かれます。「レハブアム」は、予測を揺るがす「外れ値」の人間を戦場に送ってしまっていたと言います。そこで、人間に新しいシナリオを試すことが、アンゲロンによる次なる“救済”でした。

もともとケイレブもそうした外れ値の一人だったのかもしれません。少なくともドロレスの傍にいる彼は、レハブアムの支配から脱却できました――しかし……

出演者の数人が劇中で黒いマスクをしているのが気がかりです。撮影時にコロナウィルス感染の予測ができたかのようで。

「ジャンル」の最後は「シャイニング」でした!――確かに注意が必要かも。自殺現場とされる浜辺をケイレブ一行が訪れます。

リアム・デンプシーJrは、クズ人間は人類のためにならないのだ、と言い放ちます。まるで「腐った蜜柑の方程式」のようです。

そのムードの中、ケイレブに蘇った記憶は……意に沿わない誰かを拉致した時のもの。あぁ、ケイレブも新しいシナリオの犠牲者だったのでしょうか。

GTA仲間に撃たれたリアムJrの銃創を押さえるケイレブの脳裏に去来したのは、フランシスが死ぬ場面でした。そして、頭部に布袋を被せて拉致した人物は……はげ上がった中年の男性。果たして誰?

リアムJr「おまえがやった」

フラッシュバックする黒髪の女性。フランシスらと反抗を企てた時の同僚? 

ケイレブに「俺が何者か、そいつで見てみなよ」と言われた時、拉致されたばかりのリアムJrは、レハブアムに接続したスマートグラスでケイレブの個人情報を閲覧しました。

リアムJr「君(ケイレブ)は、僕が君の友人(フランシス)を殺したと思ってるのか?」

その後、「ジャンル」をケイレブの首すじに注射したわけですが。リアムJrはフランシスの死の原因はケイレブにあることを見たのでしょうね。

最終シーン――冒頭からアンゲロン・セラックが独白していた理由はここに繋がります。それはドロレスがアンゲロンの認知的記録を閲覧し終わるところでした。ドロレスの存在は、アンゲロンと弟が産みだし、用意したものであったと言うのです。人類が滅んだ後でも生き残るから、と。それが生存戦略なのだ、と。

「私だけに管理が許された機構(システム)なんだ。人類のためなら、私はなんだってしてみせる。何度も蘇って不死身にでもなったつもりか」とのアンゲロンに対して、ドロレスは「私を作った人達も私を支配できると思ってたけれど、もう息をしていないわ。人と同じに私だって死ぬけれど、あなた達を護ってるのは神じゃないようね」

「人類にはほころびがある、だから改変したいのだ」

「弟を改変したみたいに? もう、みんな気が付く頃よ」

邦訳は噛み砕いて平易になっているんですが、逆にわざと引っかかる表現だった部分まで平易になりすぎてる嫌いがありました。例えば、第2シーズン第2話吹き替え版。「見たことのない光って、暗闇の怖さと同じなのね」とかも。

この場面も若干そう受け取れます。融通の利かない機械に、人間をもっとマシな生き物に軌道修正するためのチャンスを与えて欲しいと、人類代表のセラックが懇願とも受け取れる意味合いで言っています。でも無慈悲なドロレスは、なら(目の醒めた)民衆に聞いてみればいいじゃない、とけんもほろろ。
[ 2020/04/15 21:06 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)

ウエストワールド第3シーズン第4話

だんだん筋書きが入り組んでくるため、感想と形容するよりも「自分で解釈できた部分の覚え書き」めいたものになってきました。

※以下ネタバレ

まさか、ウィリアム(エド・ハリス演)に再びスポットが当たるとは思いませんでしたね。現実とも分からぬ精神の牢獄に、娘と供に囚われたままだと思いましたから。

デロス社株式の非公開化に際して、議決権のあるウィリアム(デロスの義理の息子)を再登場させるのは理に適った筋書きだと感心します。未来の対企業買収工作チームというわけで。

バナードとスタッブスのチームは、レハブアム開発者の息子リアム・デンプシー(Jrだから、父も同じ名前)に近づき、ドロレスの替え玉がどれほど存在するのか知ろうとします。アンゲロン・セラックが2話でメイヴに対して使ったような停止スイッチを、バナードも拵えました。エピソードで登場する新しい技術を二重に使うことで、理屈(どの水準の技術者なら考案できるのか)と機能(強制的に停止させる)の理解を視聴者に促す役目も兼ねているのでしょう。

ヴィクターヴィル(カリフォルニア州)はロケットの着陸場であるらしく、スペースX社が成功させたような再生可能ロケットが帰還する基地があるようです。未来では、ハリウッドの有名人宅を、空から観覧できるみたいですね(スタッブスのTシャツ)。

ドロレスとケイレブのチームも、レハブアム繋がりのパーティに出席するための衣装を用意しています。

生体認証キーは血液中に隠されているようで、なんと輸血! ドロレスは病気の感染は気にしなくていいですが、ケイレブはそうはいかないのに……

リアムの護衛(名前が判明しました→コネルズ)の替え玉(1話の事件で入れ替わった)は、リアムの個人認証キーを手に入れました。

「ドロレス」チームは資産マネージャーを装い、リアムの口座の全額を送金(横領)することに成功。

ドロレスが連れてきたパール(人格の入った球)は4個でした。1個はバナード、もう1個はシャーロット・ヘイル。残りは誰でしょう? 前話、アーノルドの実宅(ブレランでロケされたこともあるEnnis House)の製造機でシャーロットが誕生していることから、第2シーズン最終話のヘイルはドロレスを再生させた後、一旦機能停止したという事になるのかな?

アンゲロン・セラックはメイヴを籠絡するため、シンガポールの豪勢なバーに連れていきました。パリはもはや存在しないようです。バイオテロか、第三次大戦か? ドロレスが“Beyond Valley”(に開いた門の向こうの新世界)シミュレーションへの鍵を持っていると教え、メイヴを刺客に仕立て上げようと試みます。

セラックとメイヴはアーノルド(バナードのオリジナル)の実宅へ。レハブアムが発見していたのはドロレスの痕跡でした。ドロレス含め、5人分の素体が造られたとセラックは言います。そこに替え玉コネルズは含まれるのかどうか? 含まれるなら、あと一人、明らかになっていないホストがいるはず。メイヴは含まれていなかったことが明確にされました。

効果的な尋問。拒否すると肉親がどうなるかを想像させる手法は強力ですが、その未来バージョンはさらに過激。レハブアムが支配する世界が牙を剥きます。

単細胞を盲従させるために天国と地獄という作り話があるが、死んだ男は単に存在しなくなるだけ、とセラックは語ります。ドロレスに力を貸すことは人類への裏切り行為。メイヴにとってなら、天国があり、そこで娘が暮らしている。かごの鳥として暮らすのも、もちろん自由だ、と。

セラックは、ドロレスはさらに5人のホストを手にして先手を打ってきた、と言います。5人? ドロレスと4人に加えて? 替え玉用ってことかな? つまり全部で10人? それがプリント結果のディスプレイ表示ということ? なんだかブレランの、地球に紛れ込んだスキン・ジョブの数みたいになってきました。数が合わないことにならなければいいですが。

この後でてくる未来シンガポールの街並みと筋運びがブレランを彷彿とさせます。メイヴはネットワーク絡みなら辺り構わずハッキングできるようで。

一方リアムの訪れたパーティでは、友人がデジタル麻薬を手渡します。インプラントに働きかけるとのこと。

リアムが口座の全額がなくなっていることに気が付いたところで、「バナード」チームが接近。「ドロレス」チームはケイレブがリアムを追い、スタッブスの相手はドロレス=「ララ・エスピン」。ドロレスはスタッブスの素性を知っていました(スタッブスが逃亡するシャーロットを見逃したわけなので)。スタッブスは置き換えられたのか、元からなのか。彼もドロレスなのか?

ララを見咎めた友人に対し、ドロレスはこめかみを示します――第1話で側坐核の効能を説いたときの仕草。

シンガポールのメイヴはララ・エスピンの血液がドロレスに渡ったことを知り、ヤクザが取り仕切る葬儀屋にさらなる情報を追います。

ウィリアムが株主会に出席する前に鏡の前で身だしなみを整えていると、鏡の中に実娘エミリーが現れます。どうやら、脳内にイメージが刻まれている=妄想の域に達したようですね。娘をホストと思って撃ったことはコード(やアルゴリズム)の仕業ではなく自由意志だったと言い切ったウィリアムは、罪の意識である亡霊に背を向けるのも同様に決断の産物だと言いますが……

「辛抱を教えてくれたのは父さんよ。私はずっと待ってるわ」と、エミリーは謎の言葉を残します。自滅願望のある父親が、死者の世界に来ることをずっと待っているということかな?

シンガポールの葬儀屋ヤクザ「サトウ」が捌いていたのはホストと同じ人造人間らしいことが、樽から出てきた白い液体で分かります。ドロレスはこれを使って替え玉コピーをいくらでも製造できるわけですね。

なんとサトウは……ショーグン・ワールドのムサシ(真田広之)の顔をしています! ドロレスが連れてきたそうです。しかし、メイヴは会話から本性はムサシではなく、誰か他者が振りをしているのだと気が付きます。

全てはドロレスの分身でした。バイカメラル・マインド(二分心)というのが第1シーズンで出てましたが、マルチプル・マインドとでも形容すればいいのか……

シャーロット・ヘイルはウィリアムに正体を明かし、激高したウィリアムは正気を失ったとして療養所に幽閉される結果となります。

療養所で一人うなだれるウィリアムの前に、ウエストワールドでの牧場の娘ドロレスが現れ、エミリーの願い通りに正義が通ったと宣言します。

この場面はおそらく、本来第2シーズンでウィリアムのラストとして書かれていたものを再利用しているのではないでしょうか。

「ゲーム」の終わりは、メイズがそう仕向けたように「己を知ること」。ウィリアムは「俺は、俺なのか?」を知って退場します。
[ 2020/04/06 20:59 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)

バイオハザード RE:3

国内でsteam版を購入すると7,800円もするんですよね。米国での定価はもっと安いです(つまり、おま値)。

海外ストアで購入することも可能で、二割引後の価格はGamesplanet(GBPの円建て)5,400~5,700円前後、WinGameStoreでは(米ドルの円建て)5,100円前後で購入できます。

俺は(予約ではなく、リリース後に)Gamesplanet UKで買ってしまったのですが、キーは問題無く有効化できました。なお、予約購入では有効化できないとされていましたが、後に改められた経緯があるそうです。

GamesplanetはUS向けもあるんですが、乱立していた系列店が整理されて以来、アカウントを残してあったのは(あくまで俺の場合、)UK店だったので。US店はおま国されていて実用性が当時は低かったのです。
[ 2020/04/03 10:36 ] ダウンロード販売 | TB(-) | CM(0)
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