私が試行錯誤した限りだと、
シェーダは輪郭か透明の択一です。
輪郭 Toony_Lighted_Hair_Outline
透明 Toony_Lighted_Trans_NoZ
したがって、
髪の房を丸ごと透明化していると、輪郭が描かれません!せっかくのトゥーンシェーダなのに、なんとも中途半端な表現になってしまいます。眉毛透過と、髪の輪郭……両立はできないようです。
ところで、透明化の最小単位は、三つの頂点で構成されたポリゴンサーフェスです。Blender上で頂点をタグ付けし、構成されたサーフェスに透明化シェーダを
割り当てる(図のボタン)と作れます。

透明化したポリゴンサーフェスに(輪郭となり得る)
鋭角なエッジがある場合、そのエッジは透明化されてしまうため、輪郭としては描画されなくなります。
ならば、鋭角なエッジを構成しない頂点だけに透明化を指示してやればいいのです。この頂点が形作る平面は(透明化された)窓になります。窓からだけ眉毛が透けて見える案配ですね。輪郭と透明化を両立した折衷案です。
ただし、この手法が最も威力を発揮するのは、前髪があくまで平面だけで構成されているような場合でしょう。カスタムメイド3D2に付属する出来合の前髪は、凸凹した複雑な面構成をしていて、窓が作れそうな理想の形状とは言いがたいです。
“窓”の開いた前髪

前髪の房の縦の稜線は
描画させたいエッジ。透明化できないから、さしずめ窓枠と言ったところ。
裏側にも“窓”を開けておく

窓を鋭角なエッジが縦断する場合には、輪郭となるべきエッジを除外して透明化したわけですから、いわゆる窓枠のようになってしまって、透けて見えるはずの眉毛が分断されます。
眉毛が途切れ途切れにしか透過されないわけです。
アニメ表現とは異なってしまいますが、これはこれで、案外、リアルっぽいかもしれません。

※上に述べた透明窓の平面が、丁度輪郭に来てしまうような角度の場合
さて、透明化されたエッジが絶対に輪郭に来ないように保証するにはどうしたらいいでしょう?
エッジ以外のポリゴンを凹ませてしまえばいいのです! 稜線と稜線の間を、平面の代わりに、浅い谷間にしてしまいます。
これならば、谷間がエッジになる確率はゼロです。理屈上。

トゥーンシェーディングでは、輪郭線以外の面が出っ張っていようが引っ込んでいようが違いはわかりません。フォトリアルな立体物として見えないのですから。