この時期になるとヌルいものが遊びたくなります。今年はドリクラ――PS3で出た、コンプリートエディ“ピ”ョン――を選んでみました。


私がドリームクラブを遊んで抱いた印象を箇条書きにまとめてしまうと以下のようなものとなります。
・ポリゴンを使ったリッチな演出は歌唱ステージのみ
・ときメモ式の攻略ゲームで、ラブプラスのような雰囲気を味わう類ではない
・旧態依然の紙芝居演出がPOOR
・質より量のゲーム性
・キャバクラのコンセプトにしてはインタラクティブな要素が薄い
・結局繰り返しプレイ前提なので、ゲーム体験としては陳腐化して飽きやすい
・この種のゲームとしての新しい流行や閃きを感じさせるものがなかった
とにかく時間のかかるゲームデザインで、周回プレイが基本となっています。慣れて要領よくプレイすれば、ゲーム時間の半年ほどでホストガール(注:ゲーム中ではホステスでもキャバ嬢でもなく、ホストガールと呼ばれます)1名を何らかのエンド状態(「ハッピーエンド」などのいわゆるクリア)にできます。この場合の実時間は4時間ほどでしょうか。ところが初プレイで音声セリフを全部聴いていたりすると、実時間8時間でようやくゲーム時間の年末に到達するものの、フラグ立てが不十分でクリアまで到達できなかったり、散々な結末になってしまうのです。
21世紀のソレ系のゲームデザインとして考えると、私はドリクラのようなタイトルには不満を多く抱いてしまいます。かつての
ときメモを踏襲した作りで、グラフィックや演出には一点(※)を除いて工夫がまるでありません。ときメモは、そもそもマシンスペックや手法の限られた時代のデザインなのですから。※この一点については後述しますが、いわゆるアイマスに代表される音ゲーの要素です。


ドリクラの表面的なコンセプトは「キャバクラでの接待」です。しかしながら、作りはあくまでときメモ式の“
フラグ立てゲーム”なのでした。私が期待するような“エンターテイメント仕立て”ではありませんでした。私がこの観点にこだわって評する理由は、
ラブプラスの登場でゲーム性のない、純粋に雰囲気を楽しむというエンターテイメント性が現在なら通用すると思うからです。
接待というコンセプトを裏付ける質(すなわち、ホストガールとの会話に代表される雰囲気のクオリティアップ)ではなく、量(周回プレイの攻略ゲーム)になってしまっている作りは残念に映ります。冒険心がなく、旧来の枠を敢えて踏み外そうとしていないのですから。その舞台以外は。
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