カードの効能がマルチプルデッキ構築ゲームとしてみた場合、一枚のコマンドカードに複数の効能が収まっているところが秀逸。役割は、戦闘、オプス、乗員と3種類が存在する。手札の枚数を低く抑えつつも、多彩な可能性を作り出すことに成功している。(デッキは40枚。一度に手札が4枚。乗員カードの含有率は40枚中8~12枚)
戦闘とオプスは相反する関係(オプスカードは戦闘中には使えない)。乗員カードはそれらの複合。
乗員を乗船させていれば、船ユニットには恒常的なボーナスが付く。乗員は通常の戦闘カードやオプスカードとしても使える(ただし、直後にディスカードされ、恒常的なボーナスは帳消し)。更に、何らかの判定(テストと呼ぶ)を行った時の、文字通りの切り札としても使える(やはりディスカードされる)。これは「コマンドカードはテストあたり1枚」の原則における例外で、プレイヤー同士の駆け引きを熱くする。なぜなら、結果が不足するとき、「最後に足せるカード」だからである。
ターン中の行動順が規定されないウォーゲームとしてみた場合、「必ず移動後に戦闘」といった定まった順序が一切無い。このことは多彩な策略を立てる上で非常によく機能する。また、カードがランダムな物事を頻繁に生じさせても、プレイヤーは行動の順序が縛られていないおかげで、その変化に柔軟に対応できる。
その副作用として、どのタイミングで何を行っていいのか/いけないのかが、やや明瞭でない。ルールブックの説明も曖昧であり、FAQは必読。一旦慣れてしまえば、このルールが素晴らしく効率的で生産的だとわかって頂けるはず。
スポンサーサイト