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洋ゲーRPGや非電源ゲームを扱っていましたが、最近はblenderでモデリングです!
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Morrowind

The Elder Scrolls III: Morrowind
2002年5月1日発売 開発/販売元Bethesda Softworks 英語版

総評:

綺麗だが、中身は薄っぺら。
発想(俗に言う自由度)が目立つ分、諸々のマイナス面が大変惜しい。
ゲームの中で目的意識をどう保つか、プレイヤー次第。
異世界の観光旅行を成立させるには、NPCの挙動に細やかさや個性が足りない。
物体にはまり込む主人公や、居なくなるNPC(おそらく壁の中に居る)、崖下に落ちているNPCは、非常に不都合且つ不愉快な欠点。
高性能のパソコンを要求する割に、屋外でのフレームレートの上限が低いという問題点アリ。
Construction Setが親しみにくい。

短所は大きくわけて二つ、「遊び勝手の悪さ」と「乏しいゲーム性」である。前者の代表格は、ロード(=読込み)回数の多さとその長さと言えよう(ジャーナルの見難さなど、他にも多数挙げられるが)。このゲームでは、プレイヤーキャラクターが舞台である陸地を旅して回る。輸送機関を利用することもあるが、概ね、地面の上や空を歩いて目的地へ向かう。てくてくと進んでいくと、目に見えない境界を越える度にロードが発生し、ゲームが停止する。これはどんなオプションを試しても改善できない。なぜなら、升目に分割した地域毎に内容を読み込む為である。全てを一度に読み込む事は叶わないし、かと言って、迷作「ダンジョン・シージ」のようにバックグラウンドで随時読み込むという方法も講じられていないので、仕方がない。

大抵のゲームでは、ロードすべきタイミングをプレイヤーに解りやすい局面で利用する。扉をくぐった時や、城門を出た時などだ。このタイミングなら、プレイヤーもロードを納得できる。もちろんロードが無いに越したことは無いが、避けられないのなら、受け入れやすい区切りというものを利用してくれた方が親切である。Morrowindでも、屋外と屋内の行き来でロードを行っている。ところが、屋外では、ロードするタイミングを見計らったりしてはくれない。突然に起きて、「止まった」と感じさせ、プレイヤーをいらいらさせる。キャラクターが、ずんずん歩いていくと、ロードの回数は一回では済まない。仮想の升目を何ブロックも横断すれば当然で、歩行速度が増していれば、短い間隔で何度もロードにぶち当たる。プレイを重ねる内に、このゲームはプレイヤーキャラクターが成長するにつれて、ロードの割合が増えていくのだと実感できるようになる。途切れ勝ちなプレイは、楽しいものではない。

《お断り・・・遊んだパソコンは、HDDアクセスが速い部類ではないのだろうとも思う。もっと上位のパソコンならば、さほど苦痛では無いのかもしれない(たぶん、問題にするほどじゃないのだろう)。いずれにしろ、私的なプレイ体験に基づいて書いているので、なんというか、仕方がない。当然、悪意もない。わざわざ注釈するのはどうかとも考えるが、いずれにしろ、そうした観点の違いを含められて読まれる事を(当然の事として)お勧めしたい。》

二番目の「乏しいゲーム性」は、もっとタチが悪い。プレイを積み重ねていくと、プレイヤーはゲームが内包している可能性というものを自然と認識してしまう。すでに行ったプレイ内容から、今後行うであろう物事にも大した変化はあるまい、と想像できてしまうのだ。この悪感情を払拭するべく、大抵のゲームでは、バリエーションの豊富さと線形の物語を利用する。限られた材料でも、多少の違いを演出する事で、印象を変えてアピールするわけだ。バリエーションとは、敵の種類だったり、ダンジョンの内装だったり、NPCの個性(顔立ちに加えて性格、つまりセリフ)だったりする。線形の物語とは、一直線の筋の事で、出来事は作者の意図した順序で起き、プレイヤーが先回りしてしまうような事が無い。

さて、Morrowindは非線形な物語展開が目玉である。この非線形ぶりは、無頓着と言っていい。まだ行くべきでないはずの場所にも行けてしまうし、後になってから既に終えたクエストを依頼されてしまう。この弊害の最たる物は、「クエストが遂行不能になったので、一番最近のセーブをロードしてやり直せ」と諭されてしまう珍妙な事態だ。大抵のゲームなら、「フラグ」が立つまで「行けない場所」「起きない事件」として特別扱いされるのだが・・・。また、クエストで利用する大事なアイテムも特別扱いされず、換金できてしまう。現実的アプローチと言えるかもしれないが、不親切な作りだとも言える。

あえて「ゲーム性」と表現して批判したのは、全般に於いて未熟さや詰めの甘さが目立つ為である。遊び続けるプレイヤーは、未踏の土地を訪れる度に、会ったことの無い人々や、そこで起きるであろう無尽蔵のバリエーションを期待する。ところが、Morrowindのゲーム世界は呆れるほど有限で、期待を裏切る出来事しか起きない。あの個性的で壮麗な建築物の住人がロボットのような対応ばかり繰り返すのでは誰でも幻滅するだろう。解放したはずの奴隷はいつまでも牢屋の中に立ちつくし、道すがらのNPCはイベントを終えてしまうと所在なさげに居続ける(お願いだから、立ち去ってくれ)。洞窟に踏み入った者は挨拶はおろか、釈明の暇すら与えられずに攻撃される・・・(何か他の歓待を用意してくれたなら、全部「同じ」とは感じないのに)。要は、スクリプトに個々の対応を記述してやるだけで良いはずなのだが、数が膨大な為か、使い回しが出来ない理由でもあるのか、それとも単なる「手抜き」なのか、いずれにしろ大味でお粗末である。長く遊んでいても、機械的で型にはまった処理しか感じない(脳内補完が必要な理由)。クエストの数は多くとも、型のバリエーションが少ない故かもしれないし、そもそもシステム上の制約で大した型が作れないのかもしれない。なにしろ「底が見える」と思わせてしまう。

RPGでは抜きにしては語れないと言われる、お決まりの要素がある。戦闘、アイテム集め、クエスト、等々。各自の好みによって、感想は異なるだろうが、最大公約数的に言えば、Morrowindでは、これらに魅力がない。特に強調したいのは、綺麗なグラフィックスと、こうした未熟さとの激しい落差である。ファースト・パーソン・ビュー(一人称視点)を取り入れたグラフィックスでは、冒険をしている感覚が殊の外よく表現される。従って、初めてプレイする人は、見せかけの綺麗さのおかげで、細かく組み立てられた世界であるかのような錯覚をする。手に取れる調度品や衣服もその幻想に役立つ。書物の内容も、深い背景世界を感じさせる。ところが、NPCとの会話を通してクエストをこなす内に、それは見立て違いだという事にイヤでも気が付く。このゲームは中身がうわべほど充実しておらず、熟成期間が足りない印象を受ける。長期間遊び続ける事が可能な仕組みを持ってはいるのだが、その持続力をもたらすほどの源は無いに等しい。まことに残念である。
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