Wizardry 8
2001年11月15日発売 開発/販売元
SIRTECH
ウィザードリィ8日本語版 2001年12月20日発売 日本語化
ローカス 販売元
エレクトロニック・アーツ・スクウェア
総評:
昔のゲームによく見られた、「説明の無い謎」を紐解いていく感覚が、今では逆に新鮮。
時間のかかる戦闘に堪えるには、膨大な余暇と忍耐強いアイアンウィルが必要。
取捨選択できる分岐、必須ではないエリア、隠しダンジョン、など、遊び要素は多い。
パーティ編成やポイントの割り振りをあれこれ悩むのが楽しい。
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モンスターとの戦闘が主体となる、古式ゆかしいタイプのRPG。大局よりも些末なルーティンワークを大事に積み上げていく。ゲームの大部分は、キャラクターを成長させる事に割かれている。従って、その大部を除いて考えると、大枠はArx Fatalisと同様の特徴が露わになる。物事はやるべき事が決まっており、順序の入れ替えは可能であるものの、消化しないと次の段階に進まない。エリア探索は概ね自由だが、立ち入り制限として「敵を倒せないと入れない」というストッパーがある。物語の進展だけに注目すると、さほど興味を引かれるとは感じない。同じエリアを何度も行き来する事も多い為、飽きも来る。ところが、「戦闘」というフレーバーが加わると、単調であるはずの物語が、苦労の末に為し得た偉業のように思えてくるから不思議である。
冒頭のダンジョンでは一歩また一歩と障害を乗り越えていく雰囲気にワクワクする。しかし、序盤を過ぎると、雑魚の強さが常に挑戦的であるという作為をはっきりと感じる。それ自体は良い事だと思うが、困るのはわらわらと湧いて出ること。難易度設定をノーマルにしていた私も、途中から「初心者」に切り替えなければプレイできないと感じた。敵は弱くなるのだが、初心者モードですら湧いてくる敵に歯止めは利かないようで、実に苦労する。
ウィザードリィ8での戦闘は、手間と時間を大量に必要とし、人によっては好き嫌いがはっきり別れる。進行上必須のモンスターよりも、野外で出会うようなワンダリング・モンスタ-の類が圧倒的に重荷になる。それは頻度、量、強さが半端で無く、いつも「強め」に感じる手強さになっているからである。手抜き(リアルタイム戦闘)も助けとはならず、反復作業が次第に嫌悪感を招いてしまう。敵のバリエーションは非常に多彩で、最近のRPGの三倍か四倍の分量があるように感じられる。初めて出会うモンスターに驚嘆するも、その楽しみを優に上回る「エンカウンター回数」に泣かされるのが残念と言えばざんねん。モンスターはキャラクターの経験値の源であるからして、最大の泣き所であると同時に「売り」でもある。経験値稼ぎに躍起になる必要はないわけで、モンスターを始末して回るのが好きな人にはお勧め。
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