入門者とはいえ、コード進行による伴奏を自力で付けてみようと思っていたのですが……セールだったので、Scaler2を試してみることにしました。なお、セール情報は「続きを読む」に付記してあります。
■使い方(Studio One 5のプラグインとして)詳しい解説を見つけられなかったので、こうじゃないか?という説明。一番使いたかったDetectからの応用です。ちなみに、2にはスピーカーアイコンもSTARTボタンもなくなりました。
インストゥルメント・ソース(midiファイル)からのDetectオーディオ・ソース(wavファイル)からのDetectも同じ ※判定がイマイチ?①あらかじめトラックにドラッグするなどして、Scaler2のポップアップ画面を表示
②OSのExplorerなどから、midiファイルをScaler2ポップアップ画面へとドロップ
③即座に解析――右側にA□とある列――され、その下に候補(Scales)が列挙される――右側にA□とある列と、B□とある列までの間
④候補から一列を選ぶと、さらに下段――右側にB□とある列――にそのScaleに属するキーが表示される
⑤属するキーから使いたいものを、さらに下段――右側にC□とある列――の空欄にひとつずつドラッグ
[EDIT]の左側にある短冊アイコンのボタンを押すと欄が拡張し、一度に56キー(8キー×7列)まで登録できます。ただし、拡張すると候補が見えなくなってしまうんですが。
一番上の識別済キーの列(A□)を鳴らしながら、一番下の空欄(C□)を埋めて(登録して)いきます。敢えて言うなら、対応状態は一対一。長さは、右上の歯車→SETTINGS→PLAYBACK→CHORD DURATIONによります。例えば、デフォルトなら2拍ごと。だから、そのままトラックへドラッグするだけで出来上がるように長さを組み立てながら作ります。
ちょっと不便なのはソースの拍数もSETTINGSのCHORD DURATIONと連動してしまうこと。ソースのmidiは4拍一小節だから、一小節ごとに一キー割り当てたくても、そういう対応にはなりません。キー自体の長さ(倍率)をいちいち指定していくか、さもなければ、基本は一小節分の長さにしておいて、短いコードだけ長さ(倍率)を指定する、ということになるのでしょうね。もっと上手いやり方があるのかもしれませんが。例えば、割り当てた分は左にスクロールされていく……とか、あってもよさそうなんですが?
左の[EDIT]ボタンを押すと、登録済みキーのオクターブ・度数や長さ(倍率)、繰返し回数を変更できます。
また、登録済みキーの上で右クリックし、出たプルダウンメニューの一番上にEdit Chordがあり、ここでもオクターブ・度数の調整ができます。
⑥登録したコードの集まり(一番下段の空欄を埋めたもの、つまりC□)の右側[DRAG]をつかんで、任意のトラックへとドラッグして完成――実際には、チマチマ作ってはドラッグを繰り返して完成。
DAWの任意のトラックと同期させて、登録済キーを演奏させることもできます。そうするには、SETTINGSでPLAYBACKタブからDAWSYNCをONにします。試聴しながら決めていけるので、これは便利ですね。ただし、キー8個分までですが。拡張した分に登録したキーは演奏されませんでした。
拡張したとき、右側のC□だった部分が1□、2□という具合に7□まで並びますので、■にしてから縮小すると、■にしておいた列が表示されます。例えば2□を2■にすると、縮小したときに表示されるのは1□ではなく2■です。PATTERN 1~PATTERN 7まであり、一度に演奏できるのは■にした一PATTERNだけです。[DRAG]できるのも同様に■にした一PATTERNだけです。
いまひとつ使い勝手が悪く、まだまだ発展途上って感じかな。
結論……けっこう面倒くさい。一からコードを調べて打ちこむよりはマシですが。
追記:
2.1.0にアップデートしたら、やたら落ちるようになりました。少なくともウチの環境ではダメ。2.0.9に戻さざるを得ません。
疑問点と解決策:Q1)ミックスに出来たScaler2のチャンネルを削除するには?
Scaler2を割り当てたトラックを削除してもチャンネルは残り続けます。ミックスにScaler2のみをインサートすることはできず、既存トラックに割り当てても、新規トラックが増え、同時にチャンネルが増えます。
もともとオーディオトラックで付加されたチャンネルにはプルダウンメニューの中に[削除]がなく、インストゥルメント(割り当て音源自体)のチャンネルにも[削除]がありません。
Scaler2が自動で作ったトラックから右クリックし[トラックとインストゥルメントを削除]を行えば、関連する両方を除去できます。
A1)ミックス画面で、左側の[インスト…]を表示させ、[インストゥルメント▼]の一覧からScaler2右側の[▼]をクリック。出たプルダウンから[削除]を選びます。
こうしたチャンネル(つまりカスタマイズした主体)は共有する使い方であるため、このように“うっかり削除”を誘発しないように出来ているのでしょうね。
Q2)Scaler2上の字が小さい、ダイアログ自体が小さい
A2)Scaler2画面で右上の歯車からSETTINGSを選びます。PREFERENCESタブの中にFONT SIZEとVIEW SIZEがあります。FONT SIZEは、一段階大きくできるLARGEまで。VIEW SIZEの方は、かなり上まで大きなサイズが用意されています。うちのモニター(1920*1080)では1400x980が見切れないで済む限界でした。また、ダイアログ自体は右下をつまんでも拡縮できます。
Q3)リアルタイムで打ちこむには
A3)Scaler2上で、任意のScaleなりキーなりを表示させておき、右下にある[MIDI CAPTURE]ボタンを押して録音を開始します。Scaler2画面上の任意のChordキーをクリックするか、外部MIDIキーボードで演奏すると、演奏結果がScaler2内で一時的に保持されます。[MIDI CAPTURE]ボタンの下に出現した[STOP]ボタンで録音停止。[DRAG]で任意のトラックに貼り付け。貼り付けて不要になったら[CLEAR]ボタンで内容を消します。
外部MIDIキーボードで左から8鍵がScaler2で上段に表示されているScaleに相当します。Bind MIDIはSETTINGSのPLAYBACKタブの中にあるので、それで割り当てる鍵盤をあらかじめ設定しておけます。Bindを機能させるボタンは右側のA□~C□です。
ところで、Scaler2にはPERFORMというFeatureがあって、これを使えば手軽に作曲できるという触れ込みなのですが……こんなものを使ってしまうと、自分で作った部分とのスキルの差異が歴然としてしまうので使えるわけがありません。だって、これ使ったらもう作曲と呼べなくなっちゃうでしょ。プリセットの組み合わせで作ったパズルの奴隷になってしまう。コード進行の提案に留めておくくらいなら、まだ自分で取捨選択する自由がありますが、フレーズをまるごと借りてしまってはそれすらも消えてしまうじゃありませんか。紹介VTRではPERFORMで自動的に打ち込まれた和音から、DAWで底辺だけを残したり、逆に和音の上3つだけを使ったりして、組み合わせることで独創的にする方法を示していました。まぁ、それで自己満足できるならいいけど、俺はイヤだなァ。完成度が高くなくったって、自分で編み出したメロディーにしたいわけで。