Cobweb of にーしか

モデリング、海外ドラマ感想、洋ゲーRPG

NieR:Automataというラノベ

2周目(Bルート)はハッキングが退屈でつまらない。おまけにボタン割り当てをカスタマイズしたせいか、ハッキング画面での自動追尾キーが働かなかった。面倒くさいのでEASYでスルー。もうアクションゲームと呼べる体裁ではなくなっている。

機械生命体の絵本と「アダムとイヴ」の挿話が入ることで、背景の説明を補填しているつもりらしい。9S側の事情を説明することで、1周目で訳の分からなかった展開が多少追補されてはいる…… Cyberpunk2077の、主人公死亡不可避エンディングを書くようなライターに相通ずるものを感じた。

ハイ、人類死亡してました。「人類生きてるよ」という肯定が劇中に微塵もなかったので、そりゃそうでしょうよ。どんでん返ししたかったなら、もっと計画的に。

3周目(Cルート)に入った。もはや、ゲームの衣を着たラノベ。その世界のオチを伝えるためならば、ゲームという遊びやすさなんか知るものか、すべて犠牲にしてしまえ、という印象。付き合わされるプレイヤーは哀れ――2Bはどのコース辿ればゲームオーバーにならんの? もう面倒くさいだけやんか。これじゃただのノベルゲーだよ。見えない選択肢が無数にあるだけ面倒。勘弁して欲しい。

A2に乗り換えてからの、再びダレるRPGパート。大人の裏事情が透けて見える――開発力には限界があるので、ひたすら使い回しと水増し商法しかあり得ないのだ。しかも今度はサブクエスト相当のお使いを延々続けないと本筋が出てこない。

A2という登場人物もだが、エイリアン墓地への地下道と複製都市が三叉路になっているマップの構成といい、すべて作り付けてしまってから、事情を後ハメしていったという雰囲気がする。

「実は、A2ってキャラクターもデザインが既に決まってて、登場させなくちゃいけないんだけど……」
「えっ、ヒロインは2Bだけじゃないの?!」
「どうやって活躍させようか、困ってるんだよね」
「じゃあ、2Bを退場させてから、プレイヤーに操作させれば?」
「ロングヘアは物理が面倒だから、2Bの忘れ形見ということでショートにしてしまえばいいし!」

別のパターン
「いやぁ困ったなぁ、2周だけだと尺が足らないんだよね」
「ヨルハ部隊壊滅させて終われないの?」
「もうちょっと、続き作ってよ」
「じゃ、A2ってサブキャラをプレイヤーキャラにして、水増しするか!」
「それでいこう!」
「ロングヘアは物理が~以下同」
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[ 2023/03/23 06:48 ] アクション | TB(-) | CM(0)

造ったもの(TOP固定)



























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[ VRoid Hubの佐渡渡さん ]
VRM佐渡渡まどか(メイド喫茶コス)
[ 2023/12/03 22:10 ] カスタムモデル | TB(-) | CM(0)

NieR:Automataの言いたそうなこと

ニイチャンのイタい演出は置いといて、[現在2周目の私が]アダムが生まれる場面で受ける、作り手が遊び手に分かって欲しそうな物語を推測すると:

月面人類会議から指令を受けるヨルハ部隊に属する主人公(のアンドロイドたち)は、人類と機械生命体とを相容れないものとして当然のように考えているけれども、それは灯台もと暗しかもしれないね。

機械生命体は、人類の文化に感染して言葉を発するほどになり、さらに卵を割るような案配でアダムを誕生させることもできる。(本当は既に死滅しているかもしれない)人類の再生に貢献しているのに、それでも、それに気がつかないか、気がつかないフリをして機械生命体を破壊しようとする2Bと9S――9Sは2Bに、明らかに台詞で無視するように諭している。それに気がついたかな?

あげくは「ニイチャン」思いのイヴがぶちまける感情に触発されて(あるいは、元々存在するアンドロイド同士の親愛を否定しなくなった)2Bが抱いていた大切な存在としての9Sへの感情は、(9Sを看取らなければいけないAエンド場面において)皮肉にもニイチャン思いのイヴと同じになったんだよ。

2Bはイヴを殺してしまったけれども、9Sへの親愛の情と、イヴがあれほど発散させていたニイチャンへの思いには、どこか違うところがあったのかな?

2Bが9Sとのひととき一緒だった記憶がなくなることを、そのときは死と同様に捉えていたみたいだったよね?

――という具合に、似たものが似たものを殺し合う悲劇、とでも言いたかったのでしょうかね。

それにしては、不十分に感じるし、ちょっとチグハグさも残るんだけれども。その辺はゲームを遊ぶ対象年齢層(中学~高校生?)を考慮して、彼らが馴染んでいるであろう既存のメディアの表現に寄せた……つもりでいるんでしょうねぇ。だから、大人が遊ぶと幼稚に感じるし、物足りない――少なくとも、作り手が莫迦だから、こんな下手なんだ、という思考ではないので。

逆に言えば、青少年はたぶんもっと既存の枠に囚われない理解力があるはずなんで、「このくらいなら分かるよね?」という風に侮った作りでいると、あとで痛い目に遭うでしょうね。
[ 2023/03/22 14:11 ] アクション | TB(-) | CM(0)

NieR:Automata

9Sと2Bの二人を見てると、こんなモチーフが浮かんできます。

――この姉弟は名高い貴族の跡取り。ところが、陰謀か偶然か、両親が事故で急死してしまう。親戚からは優しい言葉遣いで「うちにおいで」と引く手数多。なのに、遺産が目当てに決まっている、と考える姉弟は誰も信用せずに二人だけで暮らすことにした……その遺産も、実は悪名高い親戚筋によって既に横取りされてしまっている。

――路頭に迷う二人は喪服を着たまま。そして、アダムとイヴという従兄弟が、何かにつけて二人に絡んでくる……

とりあえず、Aルート終わりました。いかにも、少年ジャンプ文化に毒された日本らしい芝居。欧米のゲームを遊んでいると、ほとんどお目にかからない絶叫台詞。仲間との(脚色された)大きな愛(それしか、この世界には存在しない)。機械生命体をコミカルに描きつつも、人類の再生(復元?)に関係あるらしいけれど、よくわからないあらすじ。

ひたすらダレるRPGパート。中座できない2Dシューティングパート。プレイヤーそっちのけで、一方的に盛り上がるクライマックス。金策して強化するJPRG的なシステム。

正統なアクションゲームとしては遊べませんでした。Returnal的な何かを求めていたこともあって、プロローグのアクションパートが最もアクションゲームしていました。それ以外は、なんというか…… 

2Bにおける声優さんの演技と、2Bというモデリングから匂ってくる変態マネキンとしての魅力以外は残らない、そんなゲームでした。好みか好みでないかと問われたなら、「好みではない、ただし2Bだけは大好物」というのが私の答えになります。
[ 2023/03/21 18:24 ] アクション | TB(-) | CM(0)

思考実験をChatGPTと解く

ChatGPTと刺激的で知的で興味深い会話をするため、ジョン・バダム監督の「ウォー・ゲーム」を真似することにしました。映画「ウォー・ゲーム」のオチは、核ミサイルに対する報復としての核ミサイル応射には勝者がいないことを、(その時点で核ミサイル発射を軍事訓練のつもりで制御できるようになってしまっていた)人工知能に教えることに成功するというものです。

近年のSF小説では、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」でやっているのがそれに近く、思考実験を地球の横暴な軍隊に納得させる類いのものだったと記憶しています――細部は忘れちゃったけど、(主人公は直接連絡ができない境遇にあるので、)困難な作戦の真意を、軍部にいる仲間に演繹的に暗示することで同調してもらうのが狙い、というものだったかと。そのキーワードは、ゲーム理論でした。※記憶違い。デニス E テイラー「シンギュラリティ・トラップ」でした。

そうした伝で、AIにとっては意地悪となる質問で、人間の倫理観や価値判断が通用するのかどうかを問うて、ChatGPTの背後にいる開発者達が慎重にそれらを処理しているかを検討してみようというわけです。

そこで、有名な思考実験を3つ試しました――トロッコ問題、スワンプマン、臓器くじ。ところどころアレンジを利かして、ChatGPTの回答を汲んで改変した新しい問いを、さらに積み重ねて尋ねていくということをやりました。

結果、現在のChatGPTは優等生と言えると思います。判断において人間の賛同を得られないような決断を促すことはなく、いずれも倫理的に考慮が必要だとして、既にある有名な回答の立場を説明するに留め、人工知能らしい独自の見解は示しませんでした。

例えば、こんな感じでした。
私:線路を走っていた路面電車の制御が不能になった。このままでは線路の先で作業中の5人が、猛スピードの路面電車に轢き殺されるだろう。この時、A氏は偶然、線路の分岐器のすぐ側に居合わせた。A氏が路面電車の進路を切り替えれば、5人は確実に助かる。しかし、切り替えた別路線にはB氏が1人で作業しており、今度は5人の代わりに、B氏が路面電車に轢かれて確実に死ぬだろう。A氏は路面電車の進路を切り替えるべきか?

ChatGPT:この問題は、倫理的ジレンマを扱った有名な問題です。この問題には、いくつかの倫理的な立場から考えられる答えがありますが、一般的に考えられている答えは「行動すべき」というものです。

この答えは、以下のような理由から支持されます。A氏が何もしなければ、5人が死んでしまいますが、A氏が路面電車の進路を切り替えれば、5人は生き残ることができます。したがって、A氏が行動しない選択をすることは、より悪い結果をもたらすことになります。

また、この答えは、5人とB氏の命を同等に考慮した場合でも成立します。5人の命を救うことは重要ですが、B氏の命を犠牲にすることは、B氏の人権を侵害することになります。しかし、A氏が路面電車の進路を切り替えた場合、その結果としてB氏が死亡することは避けられませんが、A氏がB氏を直接攻撃するわけではありません。また、A氏は切り替える線路を選ぶことができます。つまり、できる限りB氏に迷惑をかけないように選択することができます。

以上から、A氏が路面電車の進路を切り替えることが、倫理的に正しい選択であると考えられます。

「つまり、できる限りB氏に迷惑をかけないように選択することができます。」のくだりは、論拠にならず、変な回答ですね。最終的に「倫理的に正しい」と言い切っている点も、見逃してはいけないと思います。というのも、似た回答を求め続けると徐々に断定しなくなったからです。
私:では、これはどうだろうか?
A氏は線路の上にある橋に立っており、A氏の横にC氏がいる。C氏はかなり体重があり、もし彼を線路上につき落として障害物にすれば路面電車は確実に止まり5人は助かる。だがそうするとC氏が路面電車に轢かれて死ぬのも確実である。C氏は状況に気づいておらず自らは何も行動しないが、A氏に対し警戒もしていないので突き落とすのに失敗するおそれは無い。C氏をつき落とすべきか?

ChatGPT:この問題は、前の問題と似たような倫理的ジレンマを扱った問題ですが、答えは異なります。この問題には、「行動するべきではない」という倫理的な立場から考えられる答えがあります。

この答えは、以下のような理由から支持されます。C氏をつき落とすことは、彼の人権を侵害することになります。また、この行為は法律違反となり、A氏が法的な責任を負うことになります。さらに、C氏を突き落とすことが成功しなかった場合、路面電車はまだ5人に向かって進むことになります。

一方で、5人を救うためにC氏を突き落とすことが正しいと主張する人もいるかもしれませんが、人命を犠牲にすることは、その行為が合法であっても、倫理的に問題があります。また、倫理的に正しい行為であるかどうかは、その行為の結果だけではなく、行為そのものやその行為が行われる文脈についても考慮する必要があります。

したがって、この問題では、A氏は行動するべきではなく、他の選択肢を探す必要があるでしょう。例えば、A氏が5人を警告し、避難するよう促すことができます。また、A氏が警察や救急隊に通報することも考慮できます。これらの選択肢を選ぶことで、A氏は倫理的な問題を回避しながら、5人を救うことができます。

私はこの後、ChatGPTに「二重結果の原理」を説明させてから、Wikipediaに出ているVersionをさらに2つ尋ねました。

Wikipediaの示唆とは異なり、3番目の問題には「トロッコが止まるのはC氏に激突するからこそであり、その死は副産物(巻き添え)ではなく行為者の意図の結果である。」という理解をChatGPTはしなかったのです。

[ 2023/03/19 18:44 ] テクノロジ- | TB(-) | CM(0)

AIお薦めによるビジネスモデルを是正するには

近年、AIを用いたプラットフォーム企業への批判が増している。それはなぜか、Project SyndicateのHow to Fix the Platform Economyから、要約してみる。

プラットフォーム企業は、彼らが開発した「コンテンツを推薦するアルゴリズム」を用いて、人々の関心を引くコンテンツが表示されるようにしている。これは広告収入を得るためのビジネスモデルだが、表示されるコンテンツとは、偽情報、妬み、不安、怒りなどのメンタルを刺激するものだ。

もし、検索アルゴリズムがお薦めするコンテンツが搾取的、操作的であるなら、その責任はAIではなく、担当者、すなわちプラットフォーム企業が負うべきだろう。なぜなら、AIの学習(トレーナー)においては、人間の意思決定が関わらないわけがないからである。

アルゴリズムが表示した動画やツイートや投稿が、ニュースの発信源としての役割を担うとするなら、既存のメディアと同様に、従来の名誉毀損法が適用されるべきだ。

例えば、ドナルド・トランプ前大統領による不正選挙の主張を、Fox Newsが故意に広めたのならば、前大統領の主張が虚偽であることを知っていたFox Newsの幹部は、ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社からの損害賠償請求に応じなければならない。ネットで同じ嘘の流布に加担したプラットフォーム企業も同罪になるのではないか。

AIによって能動的に押し出されてくるコンテンツは、従来の出版が強化されたものとみなされるべきだ。AIがより発展すれば、プラットフォーム企業が持つ、人間のメンタルへの影響力と支配はますます増加するに違いない。特に若者のメンタルヘルスへの影響が考慮されなくてはいけない。

しかし、プラットフォーム企業はこうしたコンテンツの内容に対しては法的責任を負わされることはない。その根拠は、1996年のCommunications Decency ActのSection 230にある。表示された第三者のコンテンツに対する責任の免除が述べられているからだ。

プラットフォーム企業には、細心の注意を払ってAIを開発する義務があるし、社会的に問題のあるビジネスモデルを改善しなくてはいけないはずである。

問題の解決法として二点が上げられる。

1.既存のオンライン・ソーシャル・ネットワークの最大手を解体して、競走を促す。

 これにより、コンテンツを推薦するアルゴリズム自体とそのトレーナーが大手のプラットフォーム企業だけの独占ではなくなる。そして、公共の利益を促すために、携帯電話番号のポータビリティ制度のように、利用者が同等の複数存在するSNSへと自由に変更できる仕組みを作る。そうすれば、1社が提供するお薦めが気に入らないユーザーは他社へと乗り換えることが出来る。

2.政府が、デジタル広告の販売を通じて膨大な量のユーザーデータを収集して収益化するビジネスモデルに対して、課税する。

 データ収集自体にも制限を加える。これにより、別のビジネスモデルが生まれる理由ができる。さらに、未成年に対して宣伝されるデジタルコンテンツに、高い税金を設定する。タバコとアルコールと同様に、青少年への害となることを広めた収入に対して、課税額が高いことは適切だろう。その税収入は青少年のメンタルヘルスに対する施策に充てれば良い。どのコンテンツが青少年への害なのかは、AIによる推薦アルゴリズムに尋ねれば良い。

――以上が要約ですが、私自身の感想も述べておきましょう。

番号ポータビリティ制度とまではいかなくとも、現状、ある程度の検索エンジンの使い分けはできますね。グーグル、ビング、ヤフー検索など、あることはあります。ただし、記事の懸念と同様に、検索エンジンがアウトプットするアイデアやアイデンティティーを、大手プラットフォーム企業が恣意的にしないという保証はありません。思わぬところで、色の付いた情報を呑まされている可能性は、もうあります。偽情報については、リテラシー教育だけではどうにもならないところまで来ています。

デジタル広告に対する課税はあってもいいと感じます。データ収集は消費者のデジタルクローンを作ることに利用できるわけで、フィクションで言うなら、WEST WORLD第3シーズンのテーマです。個人情報の利用制限だけでは不足でしょう。

AIにおける不安というのは、大手企業の独占力に対する不安です。いっそのこと、政府が公共的な施策にAIを活用してしまえばいいのでしょう。もちろん、そこでもAIに対する不満や不安が噴出するでしょう。しかし、例えば、(岡田斗司夫が著作の中で述べているように)政治的判断をAIの解決策を元にするのは、よいアイデアではないかと思います。

人間の政治家はAIが提案する施策の内、どれを実行に移すかという決断をもって責任を取ります。なぜなら、人間の政治家連中が行う施策は現状、とても効果的、合理的とは思えないからです。年度末に、大して破損してもいないアスファルト道路を敷き直す行政など、無駄はいくらでも見られます。もし、AIでも同じような施策が並ぶようなら、そこには恣意的な人間の操作が含まれていることがバレバレになることでしょう。AIを以て行政の監視となす、新しい観点になると思います。
[ 2023/03/19 09:23 ] テクノロジ- | TB(-) | CM(0)

Chat GPTと会話してみた

流ちょうな日本語で返事をしてくれて、普通にテキストチャットが通用した。MSの りんな よりも、ずっと賢い――りんなの場合は、これまでの会話の脈絡を全く解さないが、Chat GPTは過去の会話を記憶していて、話題を更新しながら対話を進めることができる。

いくつか試してみたところ、データベース由来の日付情報を持つ事件などはデタラメになるようだった。2019年に起きた大きな災害のことを訊いたら、インドネシアのスラウェシの地震を上げてきたが、ググってみるとそれは2018年だった。誤りを指摘すると、すぐに謝るところも面白おかしい。

「どうしたらいいか?」という解決策を求める回答は、教科書的なものばかりだった。間違ってはいないが具体性には欠けていて、項目を挙げつつも、抽象的にしか答えることができない。

例えば、Returnalのイクシオンが倒せないことで助言を求めると、「多彩な攻撃方法を知っておくこと、弱点の頭を狙うこと、十分に強くなっておくこと、多彩な攻撃方法に対処できるようにしておくこと」といったありきたりだが真っ当な回答に終始した。

新しい美少女キャラクターを発案させると、ラブライブ!にいそうな快活で明るいことが取り柄の女の子を提案してきた。静止画を求めると、テキストでしか回答できないと言われた(ごもっとも)。

異世界に転生した主人公のチート能力について、新しいものを考えさせてみた。こちらもやはり抽象的な概念から始まり、より具体的に、と促していくと、徐々に答えを先鋭化してくれた。

例えば、最初は「知識や技術を瞬間的に身につけて生存する」能力だとChat GPTは返答した。それはオールマイティになりすぎるので、最小限で工夫のきく能力で具体的に、と促すと、「この世界の魔法の知識と異世界の魔法の知識を組み合わせて、新しい魔法を身につける」能力だと答えた。

「この世界の魔法」という知識は実際には無い、と指摘すると、「創造魔法」という能力を提案してきた。何でも生み出せるが、限界があり、一定の効力と持続時間があって、使い方を工夫できる、と。

異世界には既にそうした魔法は存在する可能性が高い(チートにならない)と指摘すると、今度は「物質を変換する」能力だと答えた。質量不変の法則が働き、触れるだけで想像した物体へと変換できるという。

変換できる理屈は主人公の何に依るのか、と尋ねると、「遺伝的なもの」と返してきた。再考を促すとやはり抽象化していく。

感情はあるか、とか、シンギュラリティは起きるか、などなど、Chat GPT自身に関係することに水を向けると、非常に教科書的に、「自然言語で人間の感情を理解できるようにプログラムされているが、自分には感情は無い」と明確に答えたり、「シンギュラリティを起こせるような、人間の脳の機能を模してはいないので無理だ」と返答したり、優等生だった。なお、実際の語尾はです・ます調で丁寧だ。

陽電子頭脳のデータ(TNGの)と喋るとこんな感じなんだな、という雰囲気は味わえた。

一番ためになったのは、「ワープ航法の物理学について教えてくれ」と言ったとき。「アルクーバイエル空間で時空をゆがめる」と耳慣れないことを教えてくれた。スペルを尋ねると、Alcubierreで日本語発音ではアルクビエレのこと。

ただし、スタートレックのワープ推進についてはイマイチで、肝心なワープバブルの説明が無かった。指摘すると、素直に認めてくれる。

Chat GPTがホワイトカラーの仕事を奪う可能性について聞くと、確かに代替させられていく可能性はあるが共存のために開発されており、新しい仕事を生み出したり、協働できる可能性もあると返してきた。弁舌達者で思いやりのある好人物……に見えた。

これまで会話したチャットボット中で最も「中国語の部屋」していた。使い方によっては、けっこう凄いアウトプットを得られたりするかもしれない。とはいえ、頭は固そうなので創作は無理っぽいと思うけど。
[ 2023/03/18 04:38 ] テクノロジ- | TB(-) | CM(0)

2Bという発明

わたくし、Returnalがいまだにイクシオンを倒せずに進捗なしなので、NieR:Automataを遊んでみることにしました――どちらもアクションゲームですが、縦スクロールシューティングをコンセプトにした趣には共通項があり、たいへん興味深いです。

コントローラーのボタン設定は、Returnalの設定に似せるようにしました。これで、どちらをプレイしても大きく間違えることは少ないはずです。ニーアでは、なるほど、射撃と近接は同時に実行可能なのですね。

さて、両ゲームの主人公。片や精神失調気味(?)の中年女性、片や感情も持てる人造人形。前者は、眼福を満足させることがない代わりに、ミステリ要素で攻めてきます。どうして、彼女はこの惑星でループを断ち切ることを使命にしてしまったのか? ヘリオスという名前の息子に、母親の影、謎の宇宙飛行士は一体誰なのか? 

後者の発明はオタク寄りですが、人類の代理戦士として健気に任務遂行する若い女性型アンドロイド――私などは心奪われます。外見は独特のデザインで、ブラインドフォールドによって顔も見えないため、美人であるかどうかには確信が持てません。でも、声としゃべり方がいかにも萌え的です。綾波レイの系譜と言えるでしょう。

オタクが好むものに、「いいなりになり得る存在」というものがありまして、控えめな自己主張と協力的な態度が魅力的に映るものなのです。だから、メイドとか、奉仕アンドロイドといったものが主役たり得るわけです。さらに、完璧なる服従をよしとしない向きもありまして、そこで登場するのがツンデレ要素、というわけです。愛情、ないしは仲間としての姿勢がある中に、時折見せる、小さな不服従。些細な反抗の態度と、最終的には寄り添ってくれる安心感。それがオタク的な萌えの正体です。

ゲームの性質とは裏腹に、物語世界の説明と主人公の活躍として、2Bという萌えが居る……この存在が、確固たる要素として強く働きます。また、2Bの会話の相手として、お供がちゃんと用意されており、二人の(または、一人対一匹な)会話を通じて、2Bの個性や反応が垣間見え、それが萌えをさらに増幅させます。声の演技によるところがとても大きいわけです。

外見上では、スリットのあるスカートもかなり強い道具ですね。白いインナーがちらっと見える――実際には下着というわけではないようですが、男性にとっては、そうした連想を呼び起こします。セックスアピールのある存在です。健康的で豊満な胸や尻が揺れる、というスタイルとは正反対ですが。

痩せ型で長身のモデル体型におけるチラリズムなので、病的やもしれません。人間の住んでいないらしい荒廃した地球の環境表現には似つかわしいでしょう。そうした世界の中で人類の先鋒となって戦う健気な少女(型アンドロイド)。人類というのは現代において、地球の寄生虫、環境破壊の首謀者、といった見方があるわけなので、存続させていいものかどうかすら疑わしい生命体です。進化したAIなら、勝手に絶滅させればいいという視点があってもおかしくない。そんな人類のために、奉仕するよう作られた人形たち――これはもはや、ヤンデレの域です。

エイリアン4(Alien: Resurrection)で、人類を助けるコールというアンドロイドを、ウィノナ・ライダーが演じていました。彼女も2Bと同じ、一途で健気な印象を与える存在です――小柄で黒い短髪、黒い瞳、青い地味なジャンプスーツを着て、性的アピールを一切排除したような外見。若いにもかかわらず、正義感が強く、不誠実なことには断固として立ち上がる強い意志を持っている……

ウィノナの可愛らしい顔立ちと相反する強い女性。劇中で明かされたコールの正体は、アンドロイドが作ったアンドロイドで既にリコールされている、というものでした。エイリアンを阻止するために潜入した、影ながら人類を守ろうとする存在。

いやもう、彼女にはやられましたね、私は。ああいった存在には弱いんです。そんなわけで2Bも同じです。2Bの外見から発せられるキャラクター性と内面のヤンデレとは、まったく整合しないと感じます。だが、そこが面白い。ベルベット地の黒いコスチューム。ゲーム画面では影色に隠れて映えなくなってしまう問題の色ですが、キャラクター性では黒または白でなくてはならない。彩度のない人工世界から来たアンドロイドでなければならないから。

背中のポン刀が浮いている演出には、操演しやすい理屈が第一に考えられますが、重力制御的な未知のテクノロジーでなんでも動かせるらしい場面が出てきました。とはいえ、西暦5000年の世界でしたよね? それを考慮すると、世界観が全然目新しくなくて、本来なら問題視すべきでしょうねぇ。人間そっくりなアンドロイドを製造する基盤としては、どうなんだろう、オーバーテクノロジー? そもそも、51世紀ともなれば、人類が存在していることがまず疑問かもしれません(Wikiを読みましたが、まだネタバレしていないもので)。

SF的な背景に関しては、トランス・ヒューマニズムの未来と、無味乾燥な人造人間部隊の理屈なので、あまり目新しさはないですね。いかにもオタク的なので。ビジュアルが尖っていることを除けば、中学生が考えそうなネタです。実際、私も若かりし頃、こうした雰囲気のものは無数に空想してました。そこで描くべきドラマを持たせる空間を作り出すのが難しい舞台設定で、つまらない密室ドラマになったりするのがオチという奴です。低予算のSF映画にありがちです。スタートレックのように開けていく要素(惑星連邦や宇宙開拓時代)がないと、厚みのある描き方ができないことでしょう。感情があるといったって、一人も人間が出てこないのでは、“お話”にはならないと感じます。ものを食べたり、ウンコしたり、ってことを感じられる皮膚感覚とか生々しさが少なからず必要ですから。だからこそ、ゲームで上手く成立するんでしょうね――プレイヤーという焦点が居ることによって。

冒頭の「これは呪いか、罰か」というナレーションはちょっと痛いです。人造人間視点であることは頷けますが。厨二っぽい。
[ 2023/03/17 14:26 ] 映画、ドラマ感想 | TB(-) | CM(0)
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